ものづくり補助金平成29年度生活関連サービス業、娯楽業福島県

訪問理美容における潜在的有資格者を活用した新たなビジネスモデルの展開

株式会社シザーハンズ

この事例のポイント

  • 理美容師の有資格者の雇用が慢性的に人材不足で、特に理容では深刻である。
  • 理美容師の潜在的有資格者を雇用するため、自宅から顧客宅へ訪問して施術する「まごのてネットワーク」という新しいビジネスモデルを構築した。
  • 訪問理美容専門スタッフを確保でき、オリジナル車椅子により利用者へのサービスが飛躍的に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シザーハンズ
所在地福島県 矢吹町
業種洗濯・理容・美容・浴場業
従業員数13人
資本金300万円
設立2005年

事業の背景

当社は2005年に福島県矢吹町で理容所と美容所を併設した店舗を開業し、2015年には隣町の鏡石町に2号店を出した。同地域内では最大規模の理美容所で、スタッフ数が多いため予約なしでも待たずに施術できる。一方で理容師・美容師の有資格者の雇用は慢性的な人材不足にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能理美容師の有資格者の雇用が慢性的に人材不足で、特に理容では深刻である。
  • 人手・技能離職は仕事そのものより給与や勤務時間など労働環境への不満が大きいため、労働者の定着とモチベーション向上、労働環境の整備が必要である。

やったこと

理美容師の潜在的有資格者を雇用するため、自宅から顧客宅へ訪問して施術する「まごのてネットワーク」という新しいビジネスモデルを構築した。主に高齢者や要支援・要介護者を対象に、重度の要介護者でも車椅子に移動して椅子に乗ったまま散髪・洗髪を受けられるよう、「訪問理美容専用シャンプー台付車椅子」をオリジナルで開発・導入した。導入した設備を使って訪問理美容専門スタッフを確保し、行政や社会福祉協議会へ営業を行った。

その他訪問理美容専用シャンプー台付車椅子

新しい製品・サービス:訪問理美容専用シャンプー台付車椅子(オリジナル開発)

事業の効果

訪問理美容専門スタッフを確保でき、オリジナル車椅子により利用者へのサービスが飛躍的に向上した。実際に使用したスタッフの評価では、実用性・機能性・安全性・操作性のいずれも基準を達成した。今後は専門スタッフの確保と潜在的有資格者の掘り起こし、資格取得支援や常用雇用への転換を進め、働く意欲が湧く職場を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    2003年開業・2号店展開と理美容併設の強みが書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    同地域最大規模・スタッフ数の多さ・予約なしでも施術可能という強みは読み取れるが、市場動向との関係は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    人材不足や離職理由の調査結果を課題として示し、訪問理美容への新事業で解決を図る流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    新規雇用への貢献は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標数値は書かれておらず、実現可能性の根拠も乏しい。

  • 事業を進める体制3

    訪問理美容専門スタッフの確保や行政・社協への定期訪問など体制の記述はあるが、事務処理能力や人員計画の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高齢者や要支援・要介護者向けに車椅子で散髪・洗髪を受けられる点、介護施設からの説明要請など、ターゲットとニーズの裏付けが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    当面の目標として専門スタッフ確保や資格取得支援、福島県全域への販路拡大を挙げているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    訪問理美容は需要拡大中と述べられ新分野とされるが、普及度や高水準の高付加価値化の数値的根拠は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    高齢者向けの訪問理美容で新規雇用に貢献すると述べるが、地域経済波及や社会インフラとしての国の補助理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や付加価値増加の数値がなく、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    車椅子付きシャンプー台という独自設備で新ビジネスモデルを構築したことはうかがえるが、デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地域最大規模の理美容所として地域のつながりを重視し、町内や近隣町村での販路拡大に触れており、地域性はうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

福島県全域での販路拡大に結び付けていく大詰めを迎えており、町内や近隣町村の介護施設から説明要請があるなど、需要が広がっている。

事業者の声

スタッフのモチベーションを上げることが、顧客満足を向上させる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

山形県生活関連サービス業、娯楽業平成25年度

高齢者向け介護予防事業への進出

高齢者向けの器具を施設の中央に集中して配置し、身体測定器で計測した結果を説明して納得してもらった上で、新しい高齢者用器具の使い方と効用を説…

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。