ものづくり補助金平成24年度奈良県

アミノコラーゲンファイバーを活用した繊維商品の試作開発

足高メリヤス株式会社

この事例のポイント

  • 従来の保湿機能繊維は洗濯や使用の回数に応じて保湿機能が低下する弱点があった。
  • コラーゲンアミノ酸を架橋剤で架橋結合させ、半永久的な保湿効果と毛羽立ち防止効果のあるアミノコラーゲンファイバーを採用した。
  • 半永久的な保湿効果と毛羽立ち防止効果を持つアミノコラーゲンファイバーを用いた美容商品の展開が計画されている。

事業者のプロフィール

事業者名足高メリヤス株式会社
所在地奈良県 葛城市
業種繊維工業
技術分野繊維加工
従業員数39人
資本金1,000万円
設立1961年

事業の背景

当社は靴下工場として創業し、タイツ、インナー、カットソーへと製品カテゴリーを広げてきた。商品力、技術力、商品企画力が強みで、特に裏起毛のタイツ、レギンスに自信を持つ。今回の事業では、いわゆるアパレルとは一線を画す美容市場、特にアンチエイジング市場の保湿機能商品に着目した。株式会社富士経済の「2010年版 高機能繊維関連技術・市場の現状と将来展望」等のデータから、コラーゲン系繊維の下代市場規模を20億円と推定している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来の保湿機能繊維は洗濯や使用の回数に応じて保湿機能が低下する弱点があった。
  • 品質・精度架橋剤の濃度が濃すぎると色染めに悪影響を及ぼし、薄すぎるとコラーゲン機能が担保できないため、薬剤濃度や水、機械の稼働設定の最適条件を把握する必要があった。
  • 人手・技能丸編機は多いもので1,000本以上の編立て針があり、作業の効率化を図る上での大きな課題であった。

やったこと

コラーゲンアミノ酸を架橋剤で架橋結合させ、半永久的な保湿効果と毛羽立ち防止効果のあるアミノコラーゲンファイバーを採用した。この架橋結合はセルロース系、動物性、ナイロン系など、どんな繊維でも、綿の段階や糸の段階などどの製品化段階でも加工できる。専門家の指導のもと、架橋剤濃度、染色機水温、染色機稼働時間、染色機回転数等の諸条件を変化させ、糸段階加工と製品段階加工別に最適値を把握・確定させた。また専門家の発案、指導により糸道表を作成し、複雑な糸の設定を簡略化して作業の効率化を図った。アミノコラーゲンファイバーの編立て技術を確立し、モダールレギンス、婦人トップス、パイルソックス、パイルフットカバーの試作品を完成させた。

加工機丸編機
加工機染色機

新しい製品・サービス:アミノコラーゲンファイバーを用いた、半永久的な保湿性と毛羽立ち防止効果を持つ繊維製品(モダールレギンス、婦人トップス、パイルソックス、パイルフットカバーなどの試作品)

事業の効果

半永久的な保湿効果と毛羽立ち防止効果を持つアミノコラーゲンファイバーを用いた美容商品の展開が計画されている。角質ケア商品、乾燥肌対策商品、風呂上り保湿衣料などの美容商品カテゴリーへの展開を目指し、初年度は角質ケア商品や美容商品の販売計画、既存販売先による通信販売を進める。2年目には乾燥肌対策商品を市場投入し、数年後にはTVショッピング販路の拡大を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    靴下製造から美容市場へ展開する経緯は書かれているが、既存事業との連続性を示す具体的な過去取組の記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    日本製の裏起毛タイツ・レギンスに自信があり、海外製品にない強みとして商品力・技術力を具体的に挙げている。

  • 課題の認識と解決3

    架橋結合の条件確定や糸道表による作業効率化など課題と解決策は書かれているが、高付加価値化の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    市場規模20億円の約4%、5年後のシェア獲得という目標は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    専門家の協力を得た体制は触れられているが、従業員39名のうち補助事業を担う人材や事務処理体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    アンチエイジング市場の保湿機能商品を狙い、従来品の洗濯で機能が低下する弱点を解消する点を具体的に示している。

  • 事業化までの道筋3

    初年度の角質ケア商品販売と2年目の乾燥肌対策商品投入など段階的な計画はあるが、詳細なスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    コラーゲン系繊維の下代市場を20億円と推定し、アパレルとは一線を画す美容市場への展開を明示している。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用創出や波及効果への言及はわずかで、国が補助する積極的理由は読み取りにくい。

  • 費用対効果2

    投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていないが、市場シェア4%の目標からわずかに費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    架橋結合技術による新素材の開発とテレビショッピングなど販路拡大が示されるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    美容・アンチエイジング市場への進出が示されるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    奈良県葛城市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした経済成長への具体的な言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

初年度は角質ケア商品、美容商品の販売計画を進め、既存販売先による通信販売を行う。2年目に乾燥肌対策商品を市場投入し、数年後にはTVショッピング販路も拡大する。

  • 目標:コラーゲン系繊維の下代市場規模を20億円と推定
  • 目標:5年後に市場の約4%のマーケットシェアを獲得

事業者の声

失敗してもやらせてみる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。