ものづくり補助金平成29年度製造業京都府

双腕ロボット活用によるインサート成形の完全無人自動化事業

プロニクス株式会社

成果生産数(月産) 33,280個/月→95,680個/月

この事例のポイント

  • 端子金具の金型セットと製品の取り出しを手作業に依存しており、夜勤者が必要となりコスト高になっていた。
  • 端子金具の整列にパーツフィーダーを導入し、振動により治具にはめて整列させ、曲げ量が不良の端子金具をカメラで検出して良品のみを成形に使用するようにした。
  • 生産数(月産) 33,280個/月→95,680個/月。ロボット自動成形により、ひと月当たりの生産可能数量が2.8倍となり、生産効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名プロニクス株式会社
所在地京都府 宇治市
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野精密加工
従業員数90人
資本金6,000万円
設立1989年

事業の背景

当社は1989年に寸法測定の受託事業から始まり、現在は金型製作・成形量産も主軸としている。端子部品は電動アシスト自転車向けに主に使用され、年間30万個前後で推移していた生産が、顧客の増産により近年は年間50万個を超えている。生産は竪型射出成形機による人付き成形で行われ、オペレータが残業・休日出勤をしてこなしていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算端子金具の金型セットと製品の取り出しを手作業に依存しており、夜勤者が必要となりコスト高になっていた。
  • 生産能力人付き成形の生産工程では生産数の増大に限界があり、受注に対して生産が追いつかなかった。
  • 人手・技能端子金具の金型へのセットや成形後の取り出しをオペレータが行っており、人的ミスによる不良の根本対策ができていなかった。
  • 品質・精度端子金具の入れ忘れや入れ間違い、キズ・曲げ量などの不良が断続的に発生していた。

やったこと

端子金具の整列にパーツフィーダーを導入し、振動により治具にはめて整列させ、曲げ量が不良の端子金具をカメラで検出して良品のみを成形に使用するようにした。金型へのセットには双腕スカラロボットを用い、右ハンドのプーリーに4個の端子金具をホールドして金型に順次セットするようにした。カメラ検出システムにより端子金具の入れ忘れを防止した。完成品の取り出しは左ハンドで行い、4個同時の取り出しシステムを構築するとともにランナーも同時に取り出して廃棄するようにした。

ロボット双腕スカラロボット
その他パーツフィーダー
検査測定カメラ検出システム

事業の効果

  • 生産数(月産) 33,280個/月→95,680個/月
  • 生産数(日産) 1,280個/日→3,680個/日
  • 生産能力 1倍→2.8倍
  • 稼働時間 8時間/日→23時間/日
  • 成形作業人員 1人→0人
  • 端子部品1個当たりの利益 1倍→2倍

ロボット自動成形により、ひと月当たりの生産可能数量が2.8倍となり、生産効率が向上した。一日の稼働時間は8時間から23時間に延び、24時間に近い生産が可能となった。不良の根本対策ができ、断続的に発生していた不良を根絶できた。省人員化により収益が大きく改善し、端子部品1個当たりの利益は約2倍となった。オペレータは多能工へ育成され、休日出勤をしなくてもよい体制を構築した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    寸法測定受託から金型・成形量産へ事業を広げた経緯が書かれ、端子部品の量産継続も示されるが、戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    約1800社の測定受託実績と、ベトナム・上海・タイの拠点による最適コスト・短納期が強みとして具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    年間30万個前後から50万個超への増産、夜勤コスト高の課題、現行2.8倍・月産33,280個から95,680個の数値目標が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    月産33,280個から95,680個、1日生産1,280個から3,680個、端子部品1個当たり利益約2倍と数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員90人、技術職・プログラマー職を毎年5~7名新規雇用と記載があるが、補助事業の遂行体制として具体的な配置は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客の増産で端子部品が年50万個超と増えている需要の裏付けと、短納期・最適コストという選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    パーツフィーダーと双腕スカラロボットの導入、4個同時取り出しなど解決方法は書かれるが、スケジュールは記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    双腕ロボットによるインサート成形の完全無人化は特徴的だが、普及度や高付加価値化の水準を示す記述は少ない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用創出として毎年5~7名の新規雇用が書かれ、国が補助する理由の一端はうかがえるが波及効果の記述は少ない。

  • 費用対効果5

    投資に対し月産が2.8倍、1個当たり利益約2倍、省人化で収益改善と、費用対効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    ロボットと監視による無人化、カメラ検出による不良根絶は示されるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外移管された成形事業が日本に戻ってきている傾向に言及があり、国内回帰の動きにわずかに触れている。

  • 地域経済への波及3

    京都府宇治市での立地と新設インサート工場への集約は書かれるが、地域の経済成長への牽引の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新設したインサート工場に従来品のフープインサート成形機などと共に集約し、多能工オペレータの更なる効率化を図る。また、令和元年以降毎年5〜7名の技術職・プログラマー職を新規雇用し、金型サービス・測定受託・成形サービスの各部門に配置している。海外移管された樹脂成形やインサート成形の事業を積極的に取り込んでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。