ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

インテリア家具業界脅威の返品率1%を実現する生産プロセス改善

株式会社東馬

成果1枚あたりの加工時間 90秒→60秒

この事例のポイント

  • 歪みやズレによる返品が多く、その原因はボーリング工程の精度にあった。
  • ボーリング加工と組み立てに精通したスタッフ3名でチームを組んで取り組んだ。
  • 1枚あたりの加工時間 90秒→60秒。新設備の導入により、ボーリング工程で手作業での調整が不要になり、加工のスピードが上がって生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東馬
所在地佐賀県 神埼市
業種家具・装備品製造業
技術分野接合・実装
従業員数56人
資本金5,000万円
設立1966年

事業の背景

当社は家具の企画・製造・販売(BtoB)を手掛け、家具小売業者に高品質な家具を提供している。近年は低価格をうたう店舗が台頭する一方で、長く使える高品質な家具を求める層が着実に増えており、メイドインジャパンを語れる当社にとってはチャンスと捉えている。高価格・中価格の家具ではわずかな歪みやズレが返品の対象となるため、返品率の低下と生産力の強化を図る必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度歪みやズレによる返品が多く、その原因はボーリング工程の精度にあった。
  • 生産能力ボーリング工程は加工時間が長く、自社工場での生産が制限されていたため、全体の約10%を外注していた。
  • コスト・採算約30年前のボーリング設備はメーカーが修理に対応できないことも多く、手作業での調整に時間がかかり精度にばらつきが出ていた。

やったこと

ボーリング加工と組み立てに精通したスタッフ3名でチームを組んで取り組んだ。機械装置を比較した上で、シンクス(株)のNCボーリングマシン75HSB-2610に決定して発注し、設置と試運転を行った上で検収した。2mmの板に10カ所穴を開ける場合、従来設備は一度に1枚しか加工できず1枚につき90秒を要していたが、新設備では一度に2枚加工でき、1枚の加工に要する時間は60秒で済むことが明らかになった。作業の効率化と加工時間短縮による経費削減が見込まれたため、本機の導入を決定した。

  • 加工機NCボーリングマシン 75HSB-2610シンクス株式会社

事業の効果

  • 1枚あたりの加工時間 90秒→60秒
  • 一度に加工できる枚数 1枚→2枚
  • 月あたりの生産高 100%→130%

新設備の導入により、ボーリング工程で手作業での調整が不要になり、加工のスピードが上がって生産性が向上した。月あたりの生産高は昨年比130%となり、顧客のニーズに応える体制が整った。接合部の高度強化と接合の位置精度の向上も達成し、高い精度の家具を生産し続けることで返品率の低下を実現していく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決返品率1%台を目指す目標、旧設備90秒/枚から60秒・2枚同時加工への改善、生産高昨年比130%と課題解決の効果が数字で示されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性高品質家具を求める層の増加を捉え、返品率を業界平均より下げる方針と、接合部強化・位置精度向上で強みを補強する点を示している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標加工時間の実測値(90秒→60秒、2枚同時加工)と生産高130%の実績から、生産性向上目標の実現性が根拠づけられている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献新設備導入による工程改善は示されるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの言及は薄い。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    約30年前の旧設備の精度ばらつきと外注10%の課題を認識し、ボーリング設備更新を返品率低下・生産力強化の計画に位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高品質家具を求める層の増加を捉え、返品率を業界平均より下げる方針と、接合部強化・位置精度向上で強みを補強する点を示している。

  • 課題の認識と解決5

    返品率1%台を目指す目標、旧設備90秒/枚から60秒・2枚同時加工への改善、生産高昨年比130%と課題解決の効果が数字で示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間の実測値(90秒→60秒、2枚同時加工)と生産高130%の実績から、生産性向上目標の実現性が根拠づけられている。

  • 事業を進める体制3

    ボーリング加工と組み立てに精通したスタッフ3名のチームで取り組み、設置・試運転・検収まで行ったと記載がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高価格・中価格家具の顧客ニーズや、オーダーの別注コントラクト商品を強化する方針で、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    機種比較・発注・設置・試運転・検収の手順と、導入後の工程改善の流れが示されており、遂行方法は妥当である。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    メイドインジャパンを語れる高品質家具、eSports大会採用の『SeAGA』など、低価格競争と差別化した高付加価値品を扱っている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地元企業とのコラボや共同開発の実績があり、地域での取引と雇用・需要への波及が読み取れる。

  • 費用対効果3

    旧設備の加工時間と新設備の時間を比較し、作業効率化と加工時間短縮による経費削減が見込まれると述べている。

  • イノベーションへの貢献2

    新設備導入による工程改善は示されるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの言及は薄い。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    高品質家具の需要増加を捉えるが、成長分野への進出や日本経済の構造転換に資する記述は限定的である。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県の地元企業との連携や『はばたく中小企業』選出を示し、地域の資源を活かした事業であることが読み取れる。

今後の展望

当社の月間生産数は同業他社と比べても群を抜いているが、今後はさらに生産性を上げて他社との差別化を進める。高品質の家具を求める動きが続くと予測されるため、自社ブランドの商品を増やす計画で、まずは量産品・規格品に満足しない施主の意向を反映した別注コントラクト商品を強化したいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。