ものづくり補助金平成29年度製造業埼玉県

生産性向上と技能承継を推進するためのNC加工機の導入

有限会社木材工芸キクチ

この事例のポイント

  • 見習いとして採用した若手2人が、いずれも2〜3年で辞めてしまった。
  • 2018年11月に、それまで職人が手でやっていた木材加工のほぼ全てを自動化するNC加工機を導入した。
  • NC加工機の導入により作業効率と生産性が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社木材工芸キクチ
所在地埼玉県 伊奈町
業種家具・装備品製造業
技術分野精密加工,精密加工
従業員数1人
資本金300万円
設立1978年

事業の背景

特注家具を中心に木工加工を行う会社で、本業は工務店の下請けとしての家具作りである。家具作りの専門学校を出た男女を採用したが、作業環境の劣悪さや手作業の多さから、2人とも2〜3年で退職した。見習いを育てるか設備投資をするかで迷ったという。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能見習いとして採用した若手2人が、いずれも2〜3年で辞めてしまった。
  • 人手・技能作業環境がほこりっぽく、手作業が多いことが離職の理由になっていた。
  • 生産能力木材加工のほぼ全てを職人が手作業で行っており、加工に長い時間がかかっていた。
  • 生産能力仕事量が増えると手が回らず、本来は外注するような仕事も抱えざるを得ない状況だった。

やったこと

2018年11月に、それまで職人が手でやっていた木材加工のほぼ全てを自動化するNC加工機を導入した。例えば縦横90cm×60cm、厚さ20mmのシナ材ベニヤ板のパネルを制作する場合、従来は手作業で長時間かかっていた加工が、加工機では半日で終わるという性能であった。加工するデータを入力して操作の仕方さえ分かれば、木工技術がなくても十分にこなせる。導入後は、個人宅向けのクローゼットやキッチンカウンター、洗面化粧台など多数の家具を内製で制作し、本来なら外注するところを全て社内でやり遂げた。

加工機NC加工機

新しい製品・サービス:オリジナル商品「思い出作り応援デスク」。親子で学習机を作れる商品で、材料と机の形、機能を選び、職人が仕上げたパーツを一緒に組み立てる。思い出DVD付き。

事業の効果

NC加工機の導入により作業効率と生産性が大きく向上した。職人ではない社長の母親が操作して加工を行えるようになり、技能を持たない人でも加工できる体制ができた。同社がこなせる仕事量は従来の約2倍に相当する規模となり、外注せずに内製で対応できるようになった。手作業が必要な部分は残しつつ、それ以外は機械で効率よく仕事を進められるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    2018年11月にNC加工機を導入し、特注家具や工務店の下請けなど従来の家具作り事業を継続強化する方針が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    個人宅のクローゼットやキッチンカウンターなど多数の家具を制作した点はうかがえるが、市場動向や競争優位の記述は見当たらない。

  • 課題の認識と解決3

    職人の手作業が多く見習いが辞めた課題に対し、NC加工機で加工時間を半日に短縮し仕事量を200%に増やしたとの記載がある。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間が従来の日間から半日に短縮され、仕事量が200%相当になったと具体的数字で示されている。賃上げ目標の記述はない。

  • 事業を進める体制2

    職人でない母親が操作できる点は示されるが、補助事業を遂行する人員や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    特注家具や個人宅向け製品を扱い顧客ニーズへの対応力が示されるが、ターゲットや選ばれる理由の整理までは読み取れない。

  • 事業化までの道筋2

    今後は手作業部分を残し機械と区別して仕事をするという方針はうかがえるが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    オリジナル商品として親子で学習机を作れる点は触れられるが、高付加価値化や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果3

    機械導入で外注予定の仕事を内製化し、作業効率と生産性が格段に上がったと述べられているが、費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC加工機という自動化の導入は読み取れるが、デジタル技術の活用や地域・サプライチェーンへの貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    伊奈町の小さな木工所として地域に根ざす事業であることはうかがえるが、地域特性を活かした雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本業の家具作り(工務店の下請け)にさらに力を入れていく構えである。今後は自社オリジナルの家具にも挑戦したいという。

事業者の声

「手作業でないとできない部分は残し、それ以外は機械と区別をつけて仕事をしていきたい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。