ものづくり補助金平成30年度製造業福井県

直圧式射出成型機と原料定量供給装置導入による新製品安定生産体制の確立

株式会社田中化成

成果トレーの不良率 50%→5%

この事例のポイント

  • IH加熱システムに対応する高耐熱性の食器とトレーを製造する必要があったが、トレーは不良率が50%に上っていた。
  • 特殊な材料を用いて高耐熱性プラスチックにステンレスを埋め込んだ専用の食器とトレーを開発した。
  • トレーの不良率 50%→5%。直圧式射出成型機の導入により金型内のガスを均一に抜けるようになり、原料供給装置で材料の水分やガスを除去できるようになっ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社田中化成
所在地福井県 鯖江市
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野立体造形
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1984年

事業の背景

田中化成は1963年の創業以来、プラスチック成型技術を用いて業務用食器の生産を基盤に事業を拡大してきた。小ロット・多品種生産を進め、多様な素材や形の製品を市場に提供している。在宅高齢者向け宅配サービスの市場開拓を図る下村漆器店から、IH加熱システムに対応する食器とトレーの製造を依頼された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術IH加熱システムに対応する高耐熱性の食器とトレーを製造する必要があったが、トレーは不良率が50%に上っていた。
  • 品質・精度成形機の金型内のガスが抜けきらず、供給機から材料に含まれる水分やガスが金型に入り込むことが不良の原因だった。

やったこと

特殊な材料を用いて高耐熱性プラスチックにステンレスを埋め込んだ専用の食器とトレーを開発した。食器の製造は成功したが、トレーは不良率が50%に上った。直圧式射出成型機FNX460III-160Aを導入し、広範囲に一定の圧力をかけて金型を締め付けることで、金型内のガスを均一に抜けるようにした。原料定量供給装置(ハングリー・フィーダー)HF-I型も導入し、材料を間欠的に供給して成形機のシリンダー内の隙間から真空エジェクタで水分やガスを吸引・排気した。

  • 加工機直圧式射出成型機FNX460III-160A原料定量供給装置(ハングリー・フィーダー)HF-I型

新しい製品・サービス:IH加熱システム対応の高耐熱性食器とトレー(ステンレスを埋め込んだ高耐熱性プラスチック製)

事業の効果

  • トレーの不良率 50%→5%

直圧式射出成型機の導入により金型内のガスを均一に抜けるようになり、原料供給装置で材料の水分やガスを除去できるようになった。これによりIH加熱用トレーの不良率が50%から5%に下がり、安定生産が可能になった。IH加熱システム対応の食器とトレーは下村漆器店で商品化され、在宅高齢者向け宅配サービスで利用されている。競合は確認されておらず、受注増加が期待される。高耐熱性プラスチックは金属代替素材として自動車や航空機の部品、住宅関連製品などへの展開も目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決トレーの不良率が50%から5%に低下したと具体的数字で課題と解決が示され、IH加熱用食器の受注増も見込まれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け在宅高齢者向け宅配サービスでの利用、競合未確認、軽量かつ高耐熱の特長など、顧客と選ばれる理由が具体的に読み取れる。
  • 4
    新しさ・高付加価値高耐熱性プラスチックにステンレスを埋め込んだ専用食器で、金属代替素材として高付加価値化を図る内容が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数8名と記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力についての記述はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    業務用食器の生産をベースに事業を拡大し、新分野挑戦を視野に入れると書かれ、過去の成形技術との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客ニーズへの対応や成形技術力は読み取れるが、市場動向や競合の定量的な比較は具体性が薄い。競合は確認されずとある。

  • 課題の認識と解決4

    トレーの不良率が50%から5%に低下したと具体的数字で課題と解決が示され、IH加熱用食器の受注増も見込まれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    不良率5%という目標達成は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、具体性は薄い。

  • 事業を進める体制2

    従業員数8名と記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    在宅高齢者向け宅配サービスでの利用、競合未確認、軽量かつ高耐熱の特長など、顧客と選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    新分野展開の方向性は示されるが、スケジュールや中長期の課題検証の方法は読み取れず、具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    高耐熱性プラスチックにステンレスを埋め込んだ専用食器で、金属代替素材として高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    在宅高齢者向け宅配や自動車・住宅関連への展開がうかがえるが、雇用創出や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    不良率50%から5%への低減という効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加額などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    直圧式成形機や原料供給装置の導入で技術革新がうかがえるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは限定的。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    金属代替素材として自動車・航空機など成長分野への進出を目指すとあるが、構造転換への言及は限定的。

  • 地域経済への波及2

    鯖江市の企業として地域に根ざす様子はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

今後の展望

IH加熱システムの市場拡大により受注増の可能性がある。高耐熱性プラスチックを軽量かつ高耐熱の金属代替素材として、自動車や航空機の部品、住宅関連製品などへ事業展開していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。