ものづくり補助金平成30年度製造業岐阜県

生産プロセスの革新による生産性向上及び高品質・コスト削減・短納期生産の確立

成果1個あたり生産時間 80秒→23.6秒

この事例のポイント

  • 生産プロセスの改善と品質向上が求められていた。
  • 制御装置を備えた電動サーボ射出成形機と5軸サーボ取り出し機を導入した。
  • 1個あたり生産時間 80秒→23.6秒。ランナーカットの自動化により工数が半減し、生産時間と段取り時間も大幅に短縮されたことで生産能力が格段に向上した。

事業者のプロフィール

所在地岐阜県 恵那市
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野精密加工
従業員数4人
設立1963年

事業の背景

長期にわたる不景気の影響で同業他社の廃業が続き、当社への依頼が増加傾向にあった。採用活動に力を入れたものの成果が出ず、2名体制では受けられる案件に限界があり、実際に依頼を断らざるを得ない状況が続いていた。既存設備では顧客が求める短納期と精密加工に応えることも困難だった。当社は業務用プラスチック製品を生産しており、射出成形は多業種からのニーズが高い分野である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度生産プロセスの改善と品質向上が求められていた。
  • 人手・技能人手不足により従業員の負担が増えていた。
  • 生産能力新規ニーズに対して現行設備では加工できる範囲に限界があった。
  • 販路・情報発信新規取引先の販路を広げる必要があった。

やったこと

制御装置を備えた電動サーボ射出成形機と5軸サーボ取り出し機を導入した。試作品を500個製作し、生産能力面、加工精度面、コスト面など全8項目について従来の生産工程と比較検証した。生産能力面では段取りから製造、梱包までの時間を測定し、加工精度面では試作品の外観を目視検査して不良率を測定した。コスト面では作動油が不要になった効果と消費電力を従来費用と比較評価した。操作マニュアルを作成し、成形加工技術の標準化を図った。

加工機電動サーボ射出成形機
ロボット5軸サーボ取り出し機

事業の効果

  • 1個あたり生産時間 80秒→23.6秒
  • 生産量 720個/日→1,500個/日
  • 1製品当たりの有人作業時間 16時間→8時間
  • 段取り時間 1,800秒→290秒

ランナーカットの自動化により工数が半減し、生産時間と段取り時間も大幅に短縮されたことで生産能力が格段に向上した。1ロット4,000個の納期は従来の1/3に短縮された。作業領域の拡大により高精度な加工が可能になり、不良率0.2%を実現した。サーボ方式への変更で作動油が不要になり消費電力も減ったため、生産コストは80%削減できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の射出成形事業の延長で、受注増と採用難への対応として自動化を進めた経緯が書かれているが、経営戦略上の位置付けは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    同業他社の廃業で依頼が増えた一方、既存設備では短納期と精密加工に応えられない弱みを具体的に整理し、自社の加工技術を生かす方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    1個80秒から23.6秒への短縮、生産量720個/日から1,500個/日への増加、不良率0.2%などの数字で課題解決と成長の道筋が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産量が約2倍、ランナーカット工数が16時間から8時間、コスト80%削減など、数値目標に対する実績が具体的に示されている。

  • 事業を進める体制2

    家族経営で代表が営業・現場・運営を一人で担っていたことは書かれているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の確保策は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    遊戯機器部品や弱電家電部品など既存取引先の需要と、射出成形は多業種から需要が高いという市場の見方が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は医療機器分野での新規事業を目指すとあるが、スケジュールや課題の解決方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    射出成形は多業種から需要が高い分野とされるが、高付加価値化や高価格化を図る根拠は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用や需要の創出を示唆する記述はあるが、国が補助する積極的な理由として書かれているわけではない。

  • 費用対効果4

    補助事業の投入額と付加価値増加の対比は書かれていないが、生産性向上や生産コスト80%削減など費用対効果を示す数字がある。

  • イノベーションへの貢献3

    サーボ式射出成形機や5軸取り出し機の導入は示されるが、先端デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    医療機器分野への新規事業参入が語られるが、日本経済の構造転換に資するという観点での記述は薄い。

  • 地域経済への波及3

    恵那市の地域性への言及はあるが、地域の経済成長や雇用創出を牽引する根拠は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既に取引実績のある遊戯機器部品や建材部材、弱電家電部品にとどまらず、より精密さが求められる医療機器分野での新規事業を目指す。

事業者の声

妥協せず最善を尽くして良いものを造らないのだったら意味が無い

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。