ものづくり補助金平成30年度製造業愛知県

じぶんまくら、ブランドを活かしたオーダーメイド型羽毛布団の仕立直しサービス開発事業

株式会社じぶんまくら

この事例のポイント

  • 寝具の繁忙期と閑散期の差が大きく、夏場と冬場で工場の稼働率に大きな差が出ていたため、閑散期対策として稼働率を平準化する必要があった。
  • 羽毛布団の仕立て直し事業のための専用工場を確保し、まず羽毛洗浄機を導入した。
  • 仕立て直し事業を始めたことで、夏場でも早朝から夕方まで生産ラインが休む間もないほど稼働するようになり、閑散期の稼働率の偏りが解消に向かった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社じぶんまくら
所在地愛知県 一宮市
業種繊維工業
従業員数13人
資本金4,500万円
設立1994年

事業の背景

株式会社じぶんまくらは老舗寝具小売店タナカふとんサービスのグループ企業で、布団や枕の製造を担ってきた。百貨店や大規模小売店との競争が激化する中、自社工場の設置やオリジナル製品の開発で事業を拡大してきた。平成19年発売の「じぶんまくら」は枕のオーダーメードという新規性で顧客に受け入れられ、愛用者100万人を超えるブランドに成長し、ショッピングモールを中心に年間10店舗以上を出店している。寝具の小売りは9月から12月が繁忙期で、1月以降は春から夏が閑散期となる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力寝具の繁忙期と閑散期の差が大きく、夏場と冬場で工場の稼働率に大きな差が出ていたため、閑散期対策として稼働率を平準化する必要があった。

やったこと

羽毛布団の仕立て直し事業のための専用工場を確保し、まず羽毛洗浄機を導入した。洗浄工程の前後の機械装置一式として、解体、乾燥、冷却除塵、布団生地への吹き込み、検針に必要な設備を補助事業で導入した。解体工程では装置底部の隅に羽毛が残る問題があったため、箱形だった装置の底に傾斜を設けて羽毛が一カ所に集まるように改良し、残さず洗浄工程へ移送できるようにした。顧客の要望を店舗から工場へ確実に伝える依頼書も新たに設計した。こうした試行錯誤を経て令和2年にサービスを開始し、最短2週間で顧客の手元に納入できる体制を整えた。

加工機羽毛洗浄機
加工機洗浄した羽毛を乾燥と同時に熱消毒する乾燥機
加工機解体・冷却除塵・吹き込み・検針などの洗浄工程前後の機械装置一式

新しい製品・サービス:羽毛布団の仕立て直しサービス(オーダーメード型)

事業の効果

仕立て直し事業を始めたことで、夏場でも早朝から夕方まで生産ラインが休む間もないほど稼働するようになり、閑散期の稼働率の偏りが解消に向かった。従業員に加えて受け入れている技能実習生も通年で技術・技能を身につけられる環境が整った。羽毛という限られた資源を有効活用でき、SDGsの持続可能な消費と生産にも貢献している。羽毛布団の修理に関する相談も寄せられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    寝具製造の自社工場や既存の打ち直しの経験が起点と読めるが、経営戦略上の明確な位置付けは記述が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    羽毛価格の高騰や閑散期の稼働率差に触れ、自社の設備・技術を活かす点は読み取れるが、競争優位の定量的な裏付けはない。

  • 課題の認識と解決3

    閑散期の稼働率差という課題を認識し、仕立て直し事業で夏場も生産ラインが稼働したとあるが、高付加価値化の計画数値は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員13人の工場で技能実習生も含め生産体制を整えたと読めるが、事務処理や体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    オーダーメードの仕立て直しや最短2週間での納入、依頼書の新設など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    羽毛洗浄機の導入、解体工程の底部改良、依頼書の設計など試行錯誤の経緯は読めるが、中長期のスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    羽毛布団の仕立て直しは一般的に普及したサービスではないと読めるが、普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    羽毛は貴重な資源で廃棄が多いとし、SDGsの持続可能な消費と生産に言及しており、社会的意義は読み取れる。

  • 費用対効果2

    補助金を活用して設備を導入したと書かれるが、投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    羽毛の回収や解体工程の改良はうかがえるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    資源有効活用と閑散期の事業の柱化にとどまり、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    愛知県一宮市の事業所で雇用や地域経済への言及はあるが、地域の特性を活かした成長牽引の記述は弱い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。