ものづくり補助金平成30年度製造業奈良県

画期的デザインである「混色ギョサン」の新規開発および高品質量産体制の確立

株式会社丸中工業所

この事例のポイント

  • 色替えの際に前の色の樹脂ペレットがシリンダ内に残り、次の色と混ざって混色品(不良品)が発生していた。
  • 補助事業では、樹脂ペレットの投入口(ホッパー)とシリンダを色ごとに独立して搭載した専用射出機を導入した。
  • これまで不良品だった混色品が、マーブル模様のデザイン性を持つ新製品として製品化された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社丸中工業所
所在地奈良県 御所市
業種プラスチック製品製造業(別掲を除く)
技術分野デザイン

事業の背景

当地・御所市はかつて全国一のサンダル生産量を誇り、最盛期には市内に多数の製造・下請業者が存在した。当社は国産の一体成型サンダル(ギョサン)を自社ブランド「PEARL印」で製造し、従来の地味な色に加えて明るい色のカラーバリエーションで価値を高めてきた。製造時の色替えで生じる混色品は、明るい色同士では奇麗なマーブル模様となり、アパレル関係などデザイン重視の顧客に好感触だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度色替えの際に前の色の樹脂ペレットがシリンダ内に残り、次の色と混ざって混色品(不良品)が発生していた。
  • 品質・精度製品化するには模様は固定できなくても、最低限の色の樹脂ペレットを均一に射出し、色のバランスと品質を安定させる必要があった。
  • その他御所市のサンダル生産は安価な海外製品に押されて減少を続け、製造業者は当社を含め数社のみとなっていた。

やったこと

補助事業では、樹脂ペレットの投入口(ホッパー)とシリンダを色ごとに独立して搭載した専用射出機を導入した。これにより複数の色を同時に射出できるようになり、シリンダ内部で色が混ざることがなくなった。配色バランスを均一化でき、安定して美しい色合いの製品を成形できるようになった。従来は事故的に発生していた混色マーブル模様を、顧客から要望のあった量産品のデザインとして製品化する計画を進めた。

加工機専用射出機(ホッパー・シリンダを色ごとに独立搭載)

新しい製品・サービス:マーブル模様の混色ギョサン

事業の効果

これまで不良品だった混色品が、マーブル模様のデザイン性を持つ新製品として製品化された。専用射出機により色が混ざらず配色バランスが均一になり、安定した品質で成形できるようになった。その結果、混色ギョサンの量産体制が整った。アパレル関係などデザイン重視の顧客の需要に応える基盤ができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の樹脂サンダル製造とデザイン性追求の方針変更が書かれ、事業の一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    競合品との差別化、ギョサンの認知拡大、アパレルメーカーの新ブランド展開など外部環境と強みは書かれているが、戦略としての整理は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    混色品が不良品になる課題と、専用射出機で混色をデザインに変える解決策が示されているが、事業計画としての数値目標は読み取れない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    創業者の経緯や量産化への取組はうかがえるが、人材や事務処理体制の記載は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    混色マーブル模様のデザイン性、アパレル顧客の好感触、量産要望といったニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    混色品を製品化するため専用射出機を導入し量産体制を整えた流れは書かれているが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    混色マーブル模様を一つのデザインとして製品化し、一般的なサンダルとの差別化で高付加価値化を図る点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    御所市のサンダル産業の衰退と製造業者の減少が書かれ、地域産業維持の意義はうかがえるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    射出機の構造を活かした混色成形は技術的工夫といえるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    御所市がかつて全国一のサンダル産地だった背景と、地域の製造業として高付加価値製品を展開する点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。