ものづくり補助金平成24年度高知県

グラブ兼起重機船向け超音波測深システムの試作開発

パシフィックソフトウェア開発株式会社

成果超音波送受信ユニットの体積 1体積比(従来=1)→0.67体積比(従来=1)

この事例のポイント

  • 海洋事業を拡大するには、現状の浚渫工事向けシステムだけでなく、起重機船など他の海洋工事にも技術・製品を展開する必要があった。
  • 超音波の送受信ユニットは従来システムの基本構成を受け継いで互換性を維持し、機構設計を見直して体積比2/3に小型化した。
  • 超音波送受信ユニットの体積 1体積比(従来=1)→0.67体積比(従来=1)。超音波送受信ユニットと制御装置の小型化により、小型船舶への設置が可能となり、船舶への取付け制約が少なくなった。

事業者のプロフィール

事業者名パシフィックソフトウェア開発株式会社
所在地高知県 高知市
業種情報サービス業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数66人
資本金1,200万円
設立1972年

事業の背景

当社は1972年に高知でソフトウェア会社として設立され、制御技術に特化したソフトウェア受託開発を行ってきた。該当分野の仕事は県内には少なく、ほとんどを関西・関東のメーカーから受注していた。超音波測深システムは1990年頃から開発を始め、1996年に「SeaVision」の初期型SV-500を製品化し、2002年に現行型SV-501をリリースした。2011年にはGPSを利用した施工管理システムを開発し、浚渫工事の分野でほぼトップシェアを確保するまでになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術海洋事業を拡大するには、現状の浚渫工事向けシステムだけでなく、起重機船など他の海洋工事にも技術・製品を展開する必要があった。
  • 新製品・新技術起重機船向けには、既存の超音波測深システムより小型で高性能・高機能なシステムが求められていた。

やったこと

超音波の送受信ユニットは従来システムの基本構成を受け継いで互換性を維持し、機構設計を見直して体積比2/3に小型化した。同時に可動部の慣性を減らして動作の高速化も図った。制御装置はほとんど全ての回路設計を自社で行い、市販品にあった冗長回路を排除し小型部品を採用して、体積比1/4への小型化と低コスト化を実現した。独自回路により性能も向上させた。ソフトウェアは起重機船で必要な機能・性能と今後必要な機能を基本設計から見直し、新しいコンセプトのシステムとして開発した。

新しい製品・サービス:起重機船向けに小型・高性能化した超音波測深システムの試作機

事業の効果

  • 超音波送受信ユニットの体積 1体積比(従来=1)→0.67体積比(従来=1)
  • 制御装置の体積 1体積比(従来=1)→0.25体積比(従来=1)

超音波送受信ユニットと制御装置の小型化により、小型船舶への設置が可能となり、船舶への取付け制約が少なくなった。制御装置は電子回路の内製化と部品の見直しにより低コスト化も実現した。今回の成果は従来システムにも適用でき、起重機工事から浚渫工事まで幅広く対応できるシステムの基礎となる。また、高密度のデジタル・アナログ回路の自社設計により技術者の育成にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性1990年頃からの超音波測深開発、1996年SV-500製品化、2011年施工管理システム展開と一貫した取組が年次で示され、海洋事業の拡大方針と結びついている。
  • 4
    事業化までの道筋試作完了後、実用評価として実際の工事現場で船舶に搭載する計画と、その後の製品化・展開の流れが示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値ニッチ分野で該当分野ではほぼトップシェアと明記され、同分野の中で高水準の製品である点が読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用海洋工事の高度化や技術展開の必要性はうかがえるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性4

    1990年頃からの超音波測深開発、1996年SV-500製品化、2011年施工管理システム展開と一貫した取組が年次で示され、海洋事業の拡大方針と結びついている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ニッチ分野でほぼトップシェアとNETIS登録は示されるが、市場動向や競合との比較は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    起重機船への展開が課題として挙げられ、小型化で体積比2/3と1/4が示されるが、事業計画としての高付加価値化や成長数値は読み取れない。

事業の実現可能性3.3
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制3

    ソフト・制御系の開発実績や電子回路の内製化、技術者育成に触れるが、人員数や体制の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    起重機船向け測深システムという対象と小型化・高速化の特長は読めるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    試作完了後、実用評価として実際の工事現場で船舶に搭載する計画と、その後の製品化・展開の流れが示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ニッチ分野で該当分野ではほぼトップシェアと明記され、同分野の中で高水準の製品である点が読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    海洋工事の高度化や技術展開の必要性はうかがえるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    体積比や回路の小型化・低コスト化は述べられるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    電子回路の内製化や制御ソフトの新コンセプト化など技術面の革新は読めるが、サプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    高知県内で該当分野の仕事が少なく、関西・関東の企業から受注してきたとあり、地域の特性への言及はうかがえる。

今後の展望

本試作開発の完了後も製品化に向けた開発を継続している。今後は実際の工事現場で船舶に搭載し、使い勝手などの実用評価を進めて製品化を図る予定である。その後は様々なシステムへ展開し、ユーザーの利便性を考慮した製品開発を行っていきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。