ものづくり補助金平成24年度岩手県

多軸工作機械による短納期化及び精度保証

株式会社水沢鋳工所

成果機械加工工程数 6工程→2工程

この事例のポイント

  • 吸排気マニホールドの受注が増加しているが、従来の3軸加工では対応しきれない状況だった。
  • 吸排気マニホールドの加工時間を短縮するため、5軸加工機の作業に対応する治具を製作した。
  • 機械加工工程数 6工程→2工程。5軸加工機による加工と3次元測定機の導入で、マニホールド加工の工程が6工程から2工程になり、小ロットの短納期対応と増産…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社水沢鋳工所
所在地岩手県 奥州市
業種鉄鋼業
技術分野切削加工
従業員数58人
資本金2,500万円
設立1946年

事業の背景

当社は鋳造から機械加工、静電粉体塗装まで一貫生産で機械鋳物部品を製造している。プラットフォーム補給船(PSV)の造船数は、海洋からの石油採掘量が年々増加していることを背景に増えており、当社は数年前から吸排気マニホールドの部品加工を請け負っていて、受注量も拡大している。以前から高速・高精度加工に向く5軸加工機を所有していたが、その本格稼働に入る段階だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力吸排気マニホールドの受注が増加しているが、従来の3軸加工では対応しきれない状況だった。
  • 納期・工程3次元測定を外注していたため、発注元への短納期対応が確実に行えなかった。
  • コスト・採算マニホールドの各面ごとに専用治具をセットし直す必要があり、段取りや治具への脱着、製品移動に多くの手間と時間がかかっていた。

やったこと

吸排気マニホールドの加工時間を短縮するため、5軸加工機の作業に対応する治具を製作した。試作したワークを5軸加工機で加工し、1工程目では治具にセットした後、直径17mmの穴を6カ所加工して姿勢を維持する。2工程目では1工程目で空けた穴のうち四隅の上部をボルト締めで固定し、四隅の下部には位置決めピンを挿入して上部から固定する。これにより一度に5面分の機械加工が可能になった。本事業で導入した3次元測定機で試作品の寸法を測定し、図面仕様を満たしていることを確認した。

事業の効果

  • 機械加工工程数 6工程→2工程
  • 段取り時間 635分→270分
  • 治具へのワーク脱着時間 63分→11分
  • 加工時間 98分→90分

5軸加工機による加工と3次元測定機の導入で、マニホールド加工の工程が6工程から2工程になり、小ロットの短納期対応と増産に対応できるようになった。段取り時間と治具脱着時間は大幅に短縮され、各時間を合わせた機械加工時間は53.4%短縮され、50%以上の目標を達成した。精度確認を内製化したことで、顧客の要望に対応できる体制が整い、受注増が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    従来の3軸加工から5軸加工へ移行し、3次元測定を内製化する方針が明示され、過去の鋳造・機械加工・塗装の一貫生産体制との連続性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    PSV船の造船増加で吸排気マニホールドの受注が拡大していると記され、一貫生産や大ロット外注との比較で強みを示している。

  • 課題の認識と解決5

    段取り635分が270分に、ワーク脱着63分が11分に短縮、機械加工時間は53.4%短縮と数値で課題解決効果が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    機械加工時間の50%以上短縮を目標に設定し、53.4%の短縮を試作で確認したと記されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員58名や一貫生産体制は書かれるが、本事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    小ロット短納期対応や顧客要望への対応は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    治具製作、試作加工、寸法測定による仕様確認の手順は示されるが、今後のスケジュールや中長期の検証は明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    5軸加工と3次元測定の内製化による高精度部品の提供は読み取れるが、市場での高付加価値化・高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海洋石油採掘の増加とPSV造船の増加が述べられる程度で、国が補助する波及効果や雇用創出は具体的に示されていない。

  • 費用対効果3

    加工時間短縮率や段取り時間の削減は数値で示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸加工機と3次元測定機の活用は書かれるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体のイノベーションへの言及は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    奥州市水沢区の南部鉄器など地域の伝統技術に触れるが、地域経済成長や雇用創出への具体的な寄与は書かれていない。

今後の展望

顧客の要望に対応できる体制が整い、より一層の受注増が期待される。今後も南部鉄器の鋳造という伝統技術の継承に努めるとともに、精度の高い機械部品の提供と、新たな機能を持たせた自社製品の開発を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。