ものづくり補助金平成27年度製造業新潟県

発光分光分析器導入による高品位鋳造原料の発掘と鋳造原料供給事業の拡大

品田産業株式会社

この事例のポイント

  • 自動車用鋼板などに微量元素を添加するため、鋳造原料に適した鉄スクラップの確保が難しくなっている。
  • 発光分光分析器GS1000-Ⅱを導入し、鉄スクラップの品質管理を徹底できる体制を整えた。
  • 従来外部機関に委託していた品質検査を内製化し、加工途中の成分検査により品質管理を徹底するとともに加工速度を高めた。

事業者のプロフィール

事業者名品田産業株式会社
所在地新潟県 新潟市
業種鉄鋼業
従業員数24人
資本金1,400万円
設立1957年

事業の背景

銑鉄鋳物メーカーの原料は鉄鉱石由来の銑鉄が中心であったが、高価なため良質なスクラップで代替する動きが進んでいる。近年はスクラップを原料とした鋼板が多く市中に流通し、不純物を多く含んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度自動車用鋼板などに微量元素を添加するため、鋳造原料に適した鉄スクラップの確保が難しくなっている。
  • 品質・精度鋳物メーカーでは原料成分が原因で不良品となるケースが多発している。
  • 人手・技能鉄スクラップ加工処理業者の多くは高度な分析装置を持たず、品質管理を徹底できていない。

やったこと

発光分光分析器GS1000-Ⅱを導入し、鉄スクラップの品質管理を徹底できる体制を整えた。これにより鋳造原料の価値と品質の可視化、良質スクラップの量の確保、鋳物メーカーでの分析業務の削減を可能にした。高品位鋳造原料(鉄スクラップ)を鋳物メーカーに供給するとともに、スクラップ中の元素を分析して原料成分分析報告書を発行する品質保証サービスを始めた。

検査測定発光分光分析装置 GS1000-Ⅱ

新しい製品・サービス:高品位鉄スクラップ(鋳造原料)と、納入ロットごとの成分分析報告書を付けた品質保証サービス

事業の効果

従来外部機関に委託していた品質検査を内製化し、加工途中の成分検査により品質管理を徹底するとともに加工速度を高めた。納入ロットごとの成分分析報告書の発行により、良質スクラップ量の確保と可視化が進み、顧客満足度が向上した。新規顧客や商圏の拡大、流通チャネルでのブランド力構築にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鉄スクラップ加工業として事業の経緯や課題は書かれているが、過去の取組との連続性や経営戦略上の位置付けは具体的に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    鋳物メーカーの原料課題や自動車用鋼板の影響など市場動向を踏まえ、一部大手以外は高度分析装置を持たない点を強みとして示している。

  • 課題の認識と解決4

    鋳物メーカーでの不良発生や品質管理の課題を認識し、発光分光分析器で成分管理を徹底する具体的な解決策を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    取扱量を現在の300t/月から5年後に710t/月(2.36倍)へ拡大する具体的な数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    分析業務の内製化は書かれているが、人材や事務処理能力など遂行体制の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品位鉄スクラップの価値、成分分析報告書の発行、顧客満足度向上など製品価値と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入機器、分析の内製化、納入ロットごとの報告書発行など取組内容は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    市中スクラップの多くが電炉向けに使われる中、不純元素を管理した高品位スクラップを鋳物向けに供給する点で差別化されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    鋳物メーカーの海外進出に伴う日系企業への輸出増加など、需要創出の観点は示されるが国が補助する理由の定量的裏付けは薄い。

  • 費用対効果3

    供給量の2.36倍拡大という目標はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    発光分光分析による成分管理でサプライチェーンの品質保証を実現しているが、先端デジタル技術の活用や地域への波及は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    海外進出する鋳物メーカーへの輸出展開が述べられるが、日本経済の構造転換に資する分野進出とまでは読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    市中スクラップの発掘という地域資源の活用はうかがえるが、地域の雇用や経済成長を牽引する記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

日系鋳物メーカーの海外進出に伴い、良質な鋳物用スクラップの輸出案件が増える見込みで、貿易商社を通じた原料の販売・供給を進める考えである。

  • 目標:供給目標量 300t/月→710t/月

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。