ものづくり補助金平成24年度宮城県

超硬度鋼、高硬度鋼への直彫り加工方法の開発

大研工業株式会社

成果超硬度鋼の粗加工で従来の放電加工より30%の時間短縮を図れる見込み

この事例のポイント

  • 顧客の「短納期」ニーズが増加しているが、既存設備では工数や機械の剛性、刃物の耐久性に課題があった。
  • HRC68度の超硬度鋼の材料に試作加工を行い、続いて熱処理後のHRC58度の高硬度鋼で製品加工のトライを実施した。
  • 超硬度鋼の粗加工で従来の放電加工より30%の時間短縮を図れる見込み。直彫り加工により、放電ワイヤーカット加工と研削加工の2工程が必要だった製品が工程的に半分で済むようになると見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名大研工業株式会社
所在地宮城県 大崎市
業種一般機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数45人
資本金2,000万円
設立1971年

事業の背景

創業以来、切削および研削加工を中心に金属の精密加工の技術を磨き、設計から治工具、金型、各種産業用設備の製造までを得意としている。近年は「短納期」という顧客ニーズが増加傾向にあった。当社には自動車、電子部品、食品など幅広い業界の顧客がいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程顧客の「短納期」ニーズが増加しているが、既存設備では工数や機械の剛性、刃物の耐久性に課題があった。
  • 生産能力短納期の要望に応えるため、放電加工よりも短納期につながる新たな加工法の導入が求められていた。

やったこと

HRC68度の超硬度鋼の材料に試作加工を行い、続いて熱処理後のHRC58度の高硬度鋼で製品加工のトライを実施した。高硬度鋼・超硬度鋼への直彫り加工を可能とするマシニングセンターを平成26年2月に導入した。超硬度鋼の試作では粗加工と仕上加工を行い、高硬度鋼では円状の溝入れ加工を施した。放電加工に頼っていた焼入鋼加工にも取り組んだ。

加工機マシニングセンター

新しい製品・サービス:超硬度鋼・高硬度鋼への直彫り加工法

事業の効果

  • 超硬度鋼の粗加工で従来の放電加工より30%の時間短縮を図れる見込み
  • 電極加工時間を含めた放電加工時間との比較で約75%の時間を短縮

直彫り加工により、放電ワイヤーカット加工と研削加工の2工程が必要だった製品が工程的に半分で済むようになると見込まれる。加工時間と工程の削減により製造原価の削減や短納期化が期待できる。電力の削減による省エネや加工技術・ノウハウの蓄積にも寄与する。品質の優位性を確保し、金型部品の加工を中心に収益の拡大が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の放電加工から直彫り加工への転換が事業の延長として語られるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    短納期という顧客ニーズと、自社の金型・精密部品加工の強みに触れるが、競争優位の根拠は限定的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    工程削減や時間短縮の見込みを数字で示し、放電加工の電極製作時間や加工時間の課題を具体的に認識している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    粗加工で30%の時間短縮、放電加工時間との比較で約75%の短縮など数値目標と試作結果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    加工担当者のスキルアップが課題として挙がるが、体制や人材の確保策は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車・電子部品・食品などの顧客層と短納期ニーズが書かれるが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    エンドミル選定基準の確立やプログラム作成など、課題と解決の方向が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超硬度鋼・高硬度鋼への直彫り加工は高付加価値とされるが、普及度や高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    省エネや製造業への貢献にわずかに触れるが、国が補助する積極的な理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    工数削減が4分の1になる見込みや、工程が半分で済む製品が出るとの予測など、効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    最先端のデジタル技術や地域・サプライチェーンへの波及はうかがえるが、具体性は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    宮城県大崎市の事業所を拠点とする点は書かれるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

直彫り加工の用途は幅広く、金型部品の加工を数多く請け負う当社にとって収益の拡大に期待している。今後も新たな加工技術に挑戦していく。

  • 目標:硬度鋼加工で20~30%過大に工数を要した場合でも4分の1の工数削減が可能

事業者の声

社内で抱えていた「こうしたい」という部分に投資ができる環境が整いますから。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。