ものづくり補助金平成25年度製造業山口県

高品質・短納期化を目的とする磨きレス対応設備の導入による付加価値向上

高橋鉄工株式会社

成果精度(誤差) 5μm→1μm

この事例のポイント

  • 複雑な形状の加工で、既存のマシニングセンタではデータを処理しきれず、プログラム通りに加工できない僅かなズレが生じていた。
  • 高精度マシニングセンタと高速回転スピンドル(50,000rpm)を導入し、大容量のデータを忠実に再現して高速かつ高精度・高品位な形状加工を可能にした。
  • 精度(誤差) 5μm→1μm。加工精度の向上により、従来必要だった荒磨きが不要になり、中磨き・仕上げ磨きに特化した技術教育・習得が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名高橋鉄工株式会社
所在地山口県 周南市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,精密加工,製造環境,表面処理
従業員数16人
資本金1,000万円
設立1956年

事業の背景

創業以来、金属加工一筋の金型製造業者で、プレス金型・押出し金型・インジェクション金型など多様な金型の設計・製作を手掛けている。自動車分野では国内市場の成熟化によりグローバル競争が激化し、製品ライフサイクルの短期化と小型化・複雑化が進んでおり、高精度・短納期を求める顧客要請は一段と厳しくなっている。当社も自動車関連企業を主要な得意先に抱えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度複雑な形状の加工で、既存のマシニングセンタではデータを処理しきれず、プログラム通りに加工できない僅かなズレが生じていた。
  • 生産能力スピンドルの回転不足により精度・速度を上げられず、速度を上げるとビビリが発生していた。
  • 納期・工程加工工程の精度の粗さ・不安定さが後工程の磨き作業への負担集中を招き、磨き作業に多大な時間を要していた。

やったこと

高精度マシニングセンタと高速回転スピンドル(50,000rpm)を導入し、大容量のデータを忠実に再現して高速かつ高精度・高品位な形状加工を可能にした。マシニングセンタの振動抑制機能により送り速度の高速化を実現し、スピンドルは表面粗さの大幅な向上を可能にした。また、工作機械とパソコンをリンクさせ、現場作業者1人に1台のCAD/CAMを配置して、作業者が最適な手法・プログラムで加工できる環境を整えた。

加工機高精度マシニングセンタ(MB-46VA)
加工機高速回転スピンドル(50,000rpm)
ソフトCAD/CAM

新しい製品・サービス:新金型構造の超微細形状を高速で加工する磨きレス加工技術

事業の効果

  • 精度(誤差) 5μm→1μm
  • 磨き作業時間 125時間→30時間
  • 加工工程時間 125時間→110時間

加工精度の向上により、従来必要だった荒磨きが不要になり、中磨き・仕上げ磨きに特化した技術教育・習得が可能になった。磨き作業は125時間から30時間へ大幅に短縮され、加工工程も含めて一層のリードタイム短縮が実現した。高速加工時のビビリ発生も低減された。今後は熟練作業者の負担軽減と熟練技術の継承を進め、半導体や精密部品関連の基盤金型への進出も視野に入れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車分野の高精度・短納期要請への対応が課題とされ、金型製作の延長にある取組と読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    切削加工や高精度加工に定評があるとの記述はあるが、市場動向との関係や競争優位の根拠は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決5

    磨き工程が125時間から30時間に短縮、加工工程も125時間から110時間へ、トータル110時間短縮など数字で課題解決効果が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    精度が誤差5μmから1μmへ向上、磨き作業125時間から30時間への短縮など数値目標と結果が示されるが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    現場作業者1人1台のCAD/CAM配置や熟練作業者による一貫設計体制が記述されているが、人員計画や事務処理能力は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自動車関連企業向けの高精度・短納期ニーズは述べられるが、ターゲット顧客の規模や選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は半導体や精密部品関連の基盤金型への進出を視野に入れるとあるが、遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超微細形状の高速加工や高品位表面を実現とあり、高付加価値化の方向性はうかがえるが、分野内の水準を示す数値は少ない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車分野の技術継承や熟練作業者の負担軽減が述べられる程度で、国が補助する波及効果の具体性は薄い。

  • 費用対効果3

    磨き時間の大幅短縮という効果は数字で示されるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CAD/CAMと工作機械のリンクなどデジタル活用はあるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体や精密部品関連への進出が視野にあると記述され、構造転換への関与がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    山口県周南市の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

熟練作業者の高齢化が進む中、本事業で作業者の負担軽減が期待でき、機械に置き換えできない熟練技術の継承を一層推し進める。従来放電加工で長時間を要していた微細加工にも対応できるようになったため、半導体や精密部品関連の基盤金型への進出も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。