ものづくり補助金平成24年度千葉県

建築物における大空間を創造する為、高能率マシーン導入プロジェクト

株式会社シラヤマ

この事例のポイント

  • 大空間を確保するためのスチール長尺物の量産化に十分対応できていない。
  • スチール長尺物の加工が可能なマシニングセンターを、機械メーカーと事前打ち合わせのうえ設計・製作し導入した。
  • 新たな鋼材加工機と工場内機械の最適レイアウトにより、第一工場に効率のよい製造ラインを構築できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シラヤマ
所在地千葉県 白井市
業種はん用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数49人
資本金3,600万円
設立1949年

事業の背景

当社は千葉県白井市の工業団地に工場を持ち、大手ゼネコン向けに、ガラスを仕切り支える構造部材の方立や、方立を構造躯体に取り付けるファスナーなどを製造している。技術力は顧客から高く評価され、図面や製造に関する研修・勉強会を依頼されることも多い。一方で、大空間を確保するためのスチール長尺物の発注相談が急増している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大空間を確保するためのスチール長尺物の量産化に十分対応できていない。
  • 納期・工程現在の製造体制はクレーンで各工程を移動しながら作業しており、顧客が求める短期納入に応えられていない。
  • 新製品・新技術建築物の低層部に大空間を確保する設計の多様化に伴い、より高度な加工技術が求められている。

やったこと

スチール長尺物の加工が可能なマシニングセンターを、機械メーカーと事前打ち合わせのうえ設計・製作し導入した。長尺物のプログラム構築、強度および安全性に配慮し、現在の需要と4~5年先の需要を見越したオリジナルの機械とした。機械導入に合わせて工場内の既存機械を移動し、第一から第三工場の製造工程を見直してレイアウトを変更し、全体効率を高めた。穴あけ、タップ、フライス加工などの異種加工を同一機で行えるようにし、少なくとも2~3工程を1か所で行えるようにした。パネルによる数値入力も備えるため、研修教育によって多くの作業者が扱えるようにした。

加工機スチール長尺物用の鋼材加工機(マシニングセンター)

事業の効果

新たな鋼材加工機と工場内機械の最適レイアウトにより、第一工場に効率のよい製造ラインを構築できた。穴あけ、タップ、フライス加工などを同一機で行えるため、クレーン移動が減って時間が短縮され、生産性が高く量産可能な加工生産ラインになった。顧客ニーズに対応できる体制ができ、2020年東京五輪に関連する建物の整備・新設の受注に寄与すると見込んでいる。今後は切削能力の優れた加工機の開発・導入も急ぎたいとしている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の方立・ファスナー製造から大空間向けスチール長尺物へ展開する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手ゼネコン向け受注や顧客からの技術評価、長尺物の発注相談急増など外部環境と強みに触れており、競争優位の根拠が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    短納期・量産化に対応できない課題を挙げ、2~3工程を1箇所で行えるよう改善するとしており、課題と解決策が対応している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工速度を現状の1.5~2倍に上げる目標が示されているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    機械メーカーとの事前打ち合わせや作業者研修の実施は書かれているが、人員体制や事務処理能力の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ミッドタウン日比谷のマリオンや一体化粧ユニットなど実績を挙げ、大空間ガラスファサードの需要を裏付けている。

  • 事業化までの道筋3

    機械導入、レイアウト見直し、研修、2~4年先の需要想定など段取りは書かれているが、中長期の検証や課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大空間向けスチール長尺物の加工は一般的な分野ではないと読めるが、高水準の高価格化を示す記述は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    2020年東京五輪関連の建築需要や大型ガラスファサードの定着に触れ、新たな需要創出の背景はうかがえる。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投入額や付加価値増加額の数字は書かれておらず、生産性向上の定性的記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    数値制御による異種加工の一台化は書かれているが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は記述されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    大型ビル建築の流れに触れているが、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    白井市の工業団地に立地し地域で製造していることは書かれているが、地域の経済成長や雇用創出への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ビル建築ではより大型のガラスファサードが定着し、デザイン性を追求したタイプが増えている。当社は需要に応えるため、加工機の開発・導入を急ぐ方針である。

  • 目標:加工速度 1倍→1.5倍

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。