ものづくり補助金平成26年度製造業香川県

多段形状付き長尺部品の連続同時研削技術の高度化

株式会社穴田鉄工所

成果段取り時間は約30分

この事例のポイント

  • 長尺シャフト部品の仕上げ研削工程で精度確保が難しく、ボトルネックになっていた。
  • 長尺シャフトの研削工程の精度安定化と生産効率化を目的に、自動NC(数値制御)による高精度円筒研削盤を新たに導入した。
  • 段取り時間は約30分。工程集約によりサイクルタイムが短縮され、1個あたりの生産時間が40分から20分に半減した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社穴田鉄工所
所在地香川県 さぬき市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数25人
設立1961年

事業の背景

弊社は一貫した生産システムにより各産業分野の精密部品加工を手がけている。加工種類の中で最も多いのは、建設機械の油圧シリンダーや工作機械、印刷機械、自動車の駆動部品などで用いられる長尺シャフト部品である。長尺シャフトは新興国や北米での需要拡大の傾向にあり、主に建設機械業界を想定している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力長尺シャフト部品の仕上げ研削工程で精度確保が難しく、ボトルネックになっていた。
  • 人手・技能既存の研削工程では段差ごとに位置決め・セッティングが必要で、その都度精度が狂いやすく、現場での作業時間も多くかかっていた。

やったこと

長尺シャフトの研削工程の精度安定化と生産効率化を目的に、自動NC(数値制御)による高精度円筒研削盤を新たに導入した。この機器は両端で工作物を支えて回転させ、高速回転する砥石を押し当てて表面を削る。新機器は各段差に応じた剛性設定、研削方式設定、仕上直径設定、位置設定の順で設定し、全工程を自動で行う(工程集約)。一回のセットで多段加工が連続してでき、多台持ちの対応時間が増えた。

加工機高精度円筒研削盤(自動NC)

事業の効果

  • 段取り時間は約30分
  • 研削時間は約15分
  • 測定時間は約5分
  • 生産時間(1個あたり) 40分/個→20分/個

工程集約によりサイクルタイムが短縮され、1個あたりの生産時間が40分から20分に半減した。短納期の対応がスムーズになり、納期遅れが解消された。精度面では剛性や研石軸回転精度などの項目が従来型より優れ、安定した製品生産が可能になった。プログラムも簡単に作成できるため現場作業がスムーズになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の精密加工・全工程一貫生産の強みを生かし長尺シャフト研削を強化する旨が書かれているが、過去の取組との連続性を示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    新興国や北米の需要拡大と、溶接・研磨まで全工程一貫の強みを挙げ、コスト・精度での競争力強化を述べている。

  • 課題の認識と解決4

    研削工程の精度維持がボトルネックと課題を特定し、段取り約30分・研削約15分など時間短縮の効果と倍速の生産を示している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    40分/個から20分/個へ生産速度が倍になったと数値で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数25名や設備の一覧はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は建設機械・印刷機などの業界と想定され、高精度や短納期への対応が選ばれる理由として挙げられている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は難易度の高い製品も加工できるよう努力すると述べているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    多段長尺シャフトの同時連続研削を確立したとあるが、分野の普及度や高水準の高付加価値化を示す記述は限定的である。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    建設機械や港湾・道路などのインフラ需要拡大と、香川県への雇用・貢献をうたっているが、波及効果の定量的根拠はない。

  • 費用対効果2

    生産性向上の効果は時間で示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    新興国や北米の需要拡大に触れているが、日本経済の構造転換に資する具体的な位置付けは書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    香川県の地場産業向けに創業し、雇用拡大と地域貢献を目指すと書かれているが、地域特性を活かした付加価値の具体は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新興国の港湾や道路、鉄道等のインフラ整備や中東・北米の資源開発地域での需要拡大が見込まれる。今後は製品コストや品質競争が予想されるため、溶接と研磨工程を含む全工程の一貫生産体制を生かして仕上げ工程を強化し、競争力を高める。

事業者の声

生産効率化と精度の安定化を図りながら、常に時代のニーズにお応えしたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。