ものづくり補助金平成24年度千葉県

ロールシャフトに関する一貫した受注を目指す

株式会社小出ロール鐵工所

この事例のポイント

  • 三次元測定器の導入前は目視での測定と設計図の製作を行っていたため、複雑なロールを正確に図面に起こすことが難しかった。
  • 対象物の座標を三次元で取得できるポータブル三次元測定器を導入し、図面製作に利用した。
  • 三次元測定器の導入により、複雑なロールでも正確に図面を作成できるようになり、精度が格段に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小出ロール鐵工所
所在地千葉県 習志野市
業種金属製品製造業
技術分野金属プレス加工
従業員数104人
資本金1,679万円
設立1914年

事業の背景

主力はロールシャフトの製造と研削加工で、製鉄用の鍛鋼焼入ロール、製紙用ロール、製粉用ロールを手がけている。直径2m×長さ12m、最大重量40tまでの大型ロールシャフトを製作でき、他社では直径40〜50cmが限界とされる中で強みとしている。主な顧客は鉄鋼メーカーで、印刷に使われることから製紙メーカーとも取引がある。測定事業の需要が本格的に伸び始めたのは2016年頃からで、補助事業前の時点で全事業に占める測定事業の割合は1%未満だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度三次元測定器の導入前は目視での測定と設計図の製作を行っていたため、複雑なロールを正確に図面に起こすことが難しかった。

やったこと

対象物の座標を三次元で取得できるポータブル三次元測定器を導入し、図面製作に利用した。顧客に設計図がない製品の修理依頼があった場合は、この測定器で型をとり、リバースエンジニアリングで設計図を作成する。測定器の導入は3、4年ほど前で、導入後は複雑なロールにも正確に図面を起こせるようになり、精度が格段に上がった。顧客先への出張測定も行っている。

検査測定ポータブル三次元測定器

事業の効果

三次元測定器の導入により、複雑なロールでも正確に図面を作成できるようになり、精度が格段に向上した。測定事業は新たな事業として参入し、今後は他の事業にも取り組みたいと考えている。現在の全事業に占める測定事業の割合は1%未満で、事業としてはまだ小さい。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    大正3年創業の加工業で、2012年・2013年度補正の計測・品質保証関連投資を経て、ロールシャフトの一貫受注へ移行していると読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社は直径40~50cmが限界だが自社は直径2m×長さ12m、最大40tに対応と、サイズ面の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    顧客の修理要望に三次元測定器で対応する課題解決は読めるが、高付加価値化や成長の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    品質管理部・設計課の担当者名はあるが、補助事業を遂行する人員体制の具体的な記載はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    製鉄・製紙向けのロール、測定事業は2016年頃から需要が伸びたという経緯、出張測定などの強みが具体的に述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    一貫受注への体制移行、メンテナンス請負や解体・組み込みへの営業強化という方向性は書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ロールシャフトの大型加工や、バッテン模様を出せる製造の希少性に触れているが、分野の普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    鉄鋼・製紙など川上・川下との取引はうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    三次元測定で精度が格段に上がったとあるが、補助金投入額に対する付加価値増や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    三次元測定器によるリバースエンジニアリングで図面を起こす取組はデジタル技術の活用として読めるが、業界全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    千葉県習志野市の工場や墨田区の本社は分かるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

加工を事業の軸として残しつつ、今後はそこに全てがつながるような事業展開を目指す。ロールシャフトに関わる全てを一貫して受注できる体制へ移行しており、メンテナンス管理の請負や納入時の解体・組み込みも積極的に営業していく。角型など新たな形状の加工にも広げ、鉄や紙以外の様々な業種とも取引したいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。