ものづくり補助金平成31年度製造業宮城県

クラウド活用によるマグネット式ギヤレス圧力計の長寿命化とグローバル化推進

株式会社プロスパイン

この事例のポイント

  • 圧力計はブルドン管の変形を指針に伝える方式で、圧力変化の激しいプラントなどでは歯車部分の摩耗が激しくすぐ壊れるという課題があった。
  • 岡田計器製作所と共同でマグネット式ギアレス圧力計を開発した。
  • 非接触で摩耗がなくなり、製品の長寿命化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社プロスパイン
所在地宮城県 大崎市
業種金属製品製造業
技術分野情報処理,接合・実装
設立1978年

事業の背景

1978年に有限会社松栄工機として創業し、2003年頃から磁石を使った製品開発を始めた。通常の歯車は機械的に歯が噛み合って動くが、マグネットギアは磁石の反発と吸引の力で非接触に動力を伝え、摩耗やオイル差しが不要である。クリーン環境を求める現場、特に半導体製造工場でマグネットギアが求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力圧力計はブルドン管の変形を指針に伝える方式で、圧力変化の激しいプラントなどでは歯車部分の摩耗が激しくすぐ壊れるという課題があった。

やったこと

岡田計器製作所と共同でマグネット式ギアレス圧力計を開発した。磁石部分はN極とS極を交互に並べ、社内の着磁器で着磁したが、精密微細加工品で難易度が高かった。圧力計の磁石部分の数ミクロンの円形のブレや、過大圧で指針が隣の極に飛ぶのを防ぐストッパーの製作では、プレス加工に三次元測定機を活用した。岡田計器製作所は圧力計の不具合品流出防止のため漏洩検査器を購入し、プロスパインは三次元測定機を導入した。両社はOffice365のクラウド環境で情報共有し、業務改善とビジネス促進を図っている。

検査測定三次元測定機
検査測定漏洩検査器
その他着磁器
ソフトOffice365

新しい製品・サービス:マグネット式ギアレス圧力計

事業の効果

非接触で摩耗がなくなり、製品の長寿命化が実現した。クラウド活用で連携企業と情報を共有し、海外展開を目指すシステムを構築した。展示会をきっかけに共同開発が始まり、業界を問わず非接触技術の可能性が広がっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1978年創業、2003年頃から磁石応用製品を開発し、マグネットギアの事業継続が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    半導体製造工場のクリーン環境や摩耗・オイル不要という強みを示し、プラントで歯車が摩耗する外部課題に対応した製品と読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    圧力計の歯車摩耗による早期故障という課題を、非接触技術で長寿命化する設計改善と記載されており、課題認識は具体的。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    長寿命化やグローバル化は示されているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    設計・解析の人材と製造設備を社内に持ち、一貫生産できる体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    クリーン環境や摩耗しない特徴、プラントでの用途など、ニーズと選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    共同開発や三次元測定機・クラウドによる情報共有は書かれるが、中長期の遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    磁石式の非接触歯車は一般的に普及していない分野で、摩耗のない製品という差別化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    半導体工場や首都圏外への移住・地域への展開などがうかがえるが、国が補助する積極的理由は薄い。

  • 費用対効果2

    圧力計の長寿命化や不具合流出防止が示されるが、費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    クラウドでの連携企業との情報共有や海外展開を目指す点が書かれ、イノベーションの一端がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体製造工場や非接触技術の広い業界展開が書かれ、成長分野への進出がうかがえるが、構造転換との関係は薄い。

  • 地域経済への波及2

    宮城県大崎市の地元企業であることは分かるが、地域の雇用や経済成長への寄与は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

非接触技術は幅広い業界で多くの可能性を秘めており、今後も活用の拡大が見込まれる。

事業者の声

工業製品ではちょっとしたゴミがNGになります。特に半導体製造工場のクリーン環境は徹底しているので、摩耗しない、粉塵が発生しないマグネットギアが求められています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成31年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。