ものづくり補助金平成24年度富山県

切文字加工を自社で行うことで工期短縮・費用削減・品質の向上に成功

株式会社トミプラ

成果加工範囲は1000mm×700mm(それを超えるデザインにも一部加工の工夫で対応)

この事例のポイント

  • 社内には樹脂の切文字加工に対応する機械がなく、外注で補っていた。
  • 切文字加工ができる樹脂用レーザー加工機(120W)を導入した。
  • 加工範囲は1000mm×700mm(それを超えるデザインにも一部加工の工夫で対応)。樹脂部門とサイン部門による自社一貫加工が実現し、外注が不要になったことで費用が削減され、工期も短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社トミプラ
所在地富山県 富山市
業種プラスチック製品製造業
技術分野金属プレス加工
従業員数19人
資本金1,000万円
設立1952年

事業の背景

昭和40年頃に塩ビ板が入手しやすくなったことを機にプラスチック板加工へ業態を変え、ケースなど立体形状の組み合わせを得意としてきた。顧客ニーズに応じた一品物を製造することで独自性を打ち出している。その後、プラスチック製の電柱用表示札の依頼を受けてシルクスクリーン印刷を始め、屋内の看板製作を中心とするサイン部門を設立した。現在は樹脂部門とサイン部門の規模は半々程度となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力社内には樹脂の切文字加工に対応する機械がなく、外注で補っていた。
  • コスト・採算外注先では樹脂素材に対して金属用加工機を使うしかなく、細部が溶けるなどの問題が起きていた。
  • 納期・工程外注の工程を挟むため工期の短縮にも苦慮し、複雑な加工の指示には大きな労力とコストがかかっていた。

やったこと

切文字加工ができる樹脂用レーザー加工機(120W)を導入した。加工範囲は1000mm×700mmだが、それを超える大きさのデザインにも対応できるよう、一部を加工した後にずらして合わせていく方法を編み出し、デザインがずれないための治具を自社で製作した。ポリカーボネート、PET、アクリル、塩ビなど様々な樹脂の材料で試行錯誤し、それぞれの向き不向きを把握した。素材に合わせて出力を微調整する運用により、細部までクリアな加工を実現した。

加工機樹脂用レーザー加工機(120W)

新しい製品・サービス:蓄光案内板。木材を文字の形に切り抜いた部分に、切文字加工された蓄光性の樹脂をはめ込んだ製品で、国立立山青少年自然の家に寄贈した。

事業の効果

  • 加工範囲は1000mm×700mm(それを超えるデザインにも一部加工の工夫で対応)

樹脂部門とサイン部門による自社一貫加工が実現し、外注が不要になったことで費用が削減され、工期も短縮された。素材に合わせた出力の微調整により製品の品質が向上し、より複雑なデザインにも対応できるようになった。切文字加工技術が周知されて受注数が増加し、売上増にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和40年の業態変更や樹脂・サイン両部門の歴史が書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    切文字加工の外注が割高で工期も苦慮していたと課題は書かれるが、市場動向や競争優位の記述は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    外注の工程で工期が延び費用が割高だった課題を、自社一貫加工で工期短縮・費用削減に結びつけた流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注増や売上増に触れるが、付加価値額や賃上げの目標値・数字は示されておらず、実現可能性は読み取りにくい。

  • 事業を進める体制3

    一部の技術者が加工機を担当し、今後は多能工を目指す課題が書かれ、体制は一定程度うかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    切文字加工の受注増や蓄光案内板の開発など顧客価値は書かれるが、ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は多能工化や新製品開発の強化が挙げられるが、遂行方法やスケジュールは具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    プラスチックへの樹脂用レーザー切文字加工と蓄光案内板の開発が書かれ、一定の差別化はうかがえるが、高価格化の数字はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    蓄光案内板を国立青少年自然の家に寄贈した例があり、公共性はわずかにうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果2

    外注費の削減や工期短縮が書かれるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー加工機によるデジタル加工の導入は書かれるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは記述が薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    富山市の企業で地域の施設へ案内板を寄贈した点はうかがえるが、地域経済の牽引に関する記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は樹脂部門とサイン部門のシナジー効果を活かし、蓄光案内板のような新製品の開発・販売を強化する。一部の技術者しか扱えない樹脂用レーザー加工機を、より多くの技術者が扱えるようにすること、また技術者が多能工を目指すことが課題である。

事業者の声

お客様とのコミュニケーションを通して、これまでに有るものではなく、“無いもの”を作っていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。