ものづくり補助金平成24年度岐阜県

自動車メーカー向けバリ抜き・品質保証工程の自働化ラインの試作開発

ダイキャスト東和産業株式会社

成果バリ抜き工程工数(月産20万個時) 557.6時間→84時間

この事例のポイント

  • AT用ダイカスト製品は全数の仕上げ・検査が必要だが、生産量に応じて多くの人員を要する。
  • ダイカスト関連装置メーカーと共同で「全自働バリ抜き・品質検査装置」を試作開発した。
  • バリ抜き工程工数(月産20万個時) 557.6時間→84時間。装置の導入により、4.4人工の工数が削減された。

事業者のプロフィール

事業者名ダイキャスト東和産業株式会社
所在地岐阜県 多治見市
業種鋳業
技術分野高機能化学合成
設立1926年

事業の背景

大正15年(1926)に東京で創業し、戦災後の1945年に岐阜県多治見市へ移転した。生産力・技術力ともに国内トップレベルのダイカストメーカーとして評価を得ており、海外への輸出実績も高い。主力製品はオートマチックトランスミッション部品、トラック部品、産業用エンジン部品などで、自動車ATは世界的なニーズの高まりを背景に今後も受注増加が見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能AT用ダイカスト製品は全数の仕上げ・検査が必要だが、生産量に応じて多くの人員を要する。
  • 品質・精度人の目による検査と人手によるバリ抜きで、見落としや加工による不具合が生じている。
  • 人手・技能検査は人海戦術で行われ、1人が1日に2〜2.5万個を検査しており、多大な人的労力と時間が費やされている。

やったこと

ダイカスト関連装置メーカーと共同で「全自働バリ抜き・品質検査装置」を試作開発した。装置の工程は、ロボットによるワーク供給、スライド部高さ計測、縦部バリ抜き、横部バリ抜き、バリ抜き部の人バリ抜け検査、変形検査、ワーク排出の7段階である。対象はAT用ダイカスト製品「スリーブソレノイド」である。

  • その他全自働バリ抜き・品質検査装置

新しい製品・サービス:全自働バリ抜き・品質検査装置

事業の効果

  • バリ抜き工程工数(月産20万個時) 557.6時間→84時間
  • 検査工程工数(月産20万個時) 244.2時間→0時間

装置の導入により、4.4人工の工数が削減された。月産20万個の場合、バリ抜き工程と検査工程の工数が大幅に短縮され、1か月あたり163万6千円のコスト低減となった。不良率は従来の高い水準から1%前後に改善された。さらに、AT メーカーからの増産発注に生産面で対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    ダイカスト製品の一貫生産や国内トップレベルの技術評価に触れるが、自動化投資が過去の取組とどう連続するかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    業界で自働化は同社以外ほぼ見られず業界初と書かれ、AT需要増と海外受注の見通しから競争優位の根拠が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    検査1人1日2〜2.5万個、不良率4.96%から1%前後へ、工数557.6時間から84時間など具体数字で課題と効果が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    月産20万個で工数やコストの低減額、不良率改善が数字で示され、6号機までの拡充計画もあり実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    ダイカスト装置メーカーと共同開発したと書かれるのみで、社内の人材や事務体制についての記述はわずかにしかない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    AT内部部品の高機能・複雑形状という製品の特徴と、全世界のAT需要増という顧客ニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    現在3台稼働、今後6号機まで拡充、他製品ラインへの展開予定と段階的な計画が示されるが、スケジュールの細部は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ダイカスト業界でバリ抜きと品質検査の自働化はほぼ見られず、業界初の装置と位置づけられている。

公的補助の必要性80%
  • 波及効果・雇用3

    AT需要の世界的増加や海外増産への対応が書かれるが、雇用創出や波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果5

    補助事業で月163万6千円のコスト低減、4.4人工の削減など投資に対する効果が数字で明示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    ロボットによるワーク供給や変形検査を組み込んだ全自働装置で、業界のイノベーションに寄与する具体性が読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    自動車AT需要の海外拡大に触れるが、日本経済の構造転換に結びつける記述は見当たらずわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    岐阜県多治見市と恵那市の工場で一貫生産を行う地域拠点が示されるが、地域経済への波及は書かれていない。

今後の展望

現在、岐阜県恵那工場で3台が稼働しており、今後は6号機態勢まで拡充する予定である。加工と品質の精度をさらに高めることを目標としている。受注増加に伴う新ライン設備や別製品ラインにおいても、本成果の活用を視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。