ものづくり補助金平成24年度愛知県

3Dプリンタ等の導入による試作品開発のスピードアップと提案力強化事業

日進工業株式会社

成果外注の切削加工で1個およそ10万円だったが、3Dプリンター導入後は1万円を切っている。

この事例のポイント

  • 自動車部品は軽量化が常に求められ、素材は金属から樹脂へ、形状も年々変化しており、その変化への対応が必要だった。
  • 平成25年12月にものづくり補助金を活用し、金型なしで成形できる3Dプリンターを導入した。
  • 外注の切削加工で1個およそ10万円だったが、3Dプリンター導入後は1万円を切っている。3Dプリンターの導入で試作品の開発スピードが上がり、製作コストも大幅に下がった。

事業者のプロフィール

事業者名日進工業株式会社
所在地愛知県 碧南市
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数198人
資本金9,900万円
設立1965年

事業の背景

昭和40年設立の日進工業は今年50周年を迎えた。本社工場には118台の射出成形機が並び、およそ2000品目の小物自動車精密樹脂部品を製造販売している。自動車部品業界では軽量化の要求が強く、同社にも多くの相談や課題が日々持ち込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術自動車部品は軽量化が常に求められ、素材は金属から樹脂へ、形状も年々変化しており、その変化への対応が必要だった。
  • コスト・採算試作品は社内で設計した後に外注で切削加工しており、1個およそ10万円かかっていた。採用までには設計変更が何度も加わるため、開発時間と製作コストが自動車メーカーにとって大きな負担になっていた。
  • 新製品・新技術試作品の開発スピードを上げ製作コストを下げるとともに、自動車メーカーから求められる材質面などの企画提案力を強める必要があった。

やったこと

平成25年12月にものづくり補助金を活用し、金型なしで成形できる3Dプリンターを導入した。あわせて寸法精度を顧客へ即座に提供するため3D画像測定機も購入した。3Dプリンターの導入後は社内に専門の担当者も配置し、小物入れなどの日常品を中心に作り込みを重ねて、積層方法のCADデータ作りなどのノウハウを蓄積した。

新しい製品・サービス:中国の自動車メーカー向けのデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)用の潤滑系部品。ギアの焼き付けを防ぐため、噴射するオイルの流量を制御する部品である。

事業の効果

  • 外注の切削加工で1個およそ10万円だったが、3Dプリンター導入後は1万円を切っている。

3Dプリンターの導入で試作品の開発スピードが上がり、製作コストも大幅に下がった。経費を気にせず試作に挑戦でき、部品の長所や短所を視覚で示せるため形状提案につながりやすくなった。その結果、中国の自動車メーカー向けDCT部品の採用と受注を獲得し、住宅設備メーカーからの依頼で発電機の開発にも広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    射出成形で小物自動車樹脂部品を製造する従来事業の延長として、試作力強化を提案力向上に結びつけていると読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車部品の軽量化・素材変化というニーズと、社内の射出成形技術や試作の遅さという課題を踏まえた投資と読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    試作を外注切削で約10万円・時間がかかっていた課題を、3Dプリンターで1万円未満・毎月5〜6点の試作に改善したと書かれている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    DCT部品は初年度毎月2000個、5年後に同20万個生産という数字が示されており、目標値が具体的。

  • 事業を進める体制3

    専門の担当者を配置し、積層方法などのノウハウを蓄積したと書かれているが、人員規模や体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車メーカーの内製化の中で出た案件に採用され受注につながったと、顧客ニーズと選ばれた理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    量産向け3Dプリンターライン構築や大型機の導入検討など今後の方向性はあるが、スケジュールや課題解決の方法は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dプリンターの樹脂部品試作への活用は示されるが、普及度や高価格化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品の軽量化ニーズや受注による雇用面の言及がわずかにうかがえる程度で、国が補助する理由は明確でない。

  • 費用対効果4

    試作コストを約10万円から1万円未満に抑え、毎月5〜6点の試作と開発時間短縮という費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dプリンターと3D画像測定機の活用による試作の革新は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    樹脂部品の軽量化や成長する自動車分野への進出がわずかにうかがえるが、構造転換に資するとは明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    碧南市の本社工場や地域の雇用・経済成長への言及は乏しく、地域特性を活かした記述はわずかである。

今後の展望

今後は、より大きなサイズの3Dプリンターの購入を検討している。将来はABSやポリアセタール、PEEK樹脂などへ加工範囲を広げたい考えで、量産を目的とした3Dプリンターの生産ラインも加わるとみている。

事業者の声

樹脂屋としての大きな興味

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。