ものづくり補助金平成25年度製造業千葉県

高性能CAD/CAM システム導入による加工条件の最適化の整備及び新規分野開拓

株式会社武井製作所

この事例のポイント

  • 海外展開の影響で主力の商用車向け金属加工部品の売り上げが徐々に減ってきていた。
  • 3D CADを導入して専属の社員に習得させ、3次元での図面(モデル)作成ができるようにした。
  • 3次元データに対応できるようになり、3Dプリンターで提案形状を実物として製作できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社武井製作所
所在地千葉県 松戸市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,精密加工,立体造形
従業員数30人
資本金1,300万円
設立2011年

事業の背景

弊社は長年、商用車(トラック)向けの金属加工部品を生産してきた。近年はお客様の海外展開の影響により、徐々に売り上げが減少している。このため新規顧客の獲得が課題となり、ターゲットを航空機分野とした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑海外展開の影響で主力の商用車向け金属加工部品の売り上げが徐々に減ってきていた。
  • 販路・情報発信新規顧客を獲得することが課題となっていた。
  • 新製品・新技術新規ターゲットの航空機分野に参入するには3次元データへの対応が必要だった。
  • 生産能力社内の各オペレーターの頭の中にあったプログラムが属人化しており、技術継承と生産効率化が必要だった。

やったこと

3D CADを導入して専属の社員に習得させ、3次元での図面(モデル)作成ができるようにした。あわせて3Dプリンターを導入し、提案形状を実物で作れるようにした。3D CAM「ESPRIT」を導入し、3次元データから切削加工ができるようにするとともに、各製品のプログラムをデータベース化して見える化と最適化を推進した。現行生産品の切削に時間がかかるものを「ESPRIT」で解析して加工条件の最適化を図ったが、自動で最適条件を抽出する機能がなく最適化はできなかった。航空機部品の試作では、経験のなかったインコネル718材を3D CADでモデル化し、「ESPRIT」でプログラムを組んで切削加工の試作を実施した。

ソフト3D CAD
その他3Dプリンター
ソフト3D CAM「ESPRIT」

新しい製品・サービス:航空機部品の試作(インコネル718材の切削加工)

事業の効果

3次元データに対応できるようになり、3Dプリンターで提案形状を実物として製作できるようになった。航空機部品の新規顧客とのコンタクトを始め、インコネル718材を用いた航空機部品の試作も実現した。ブログで事業内容を発信したことで千葉県の経営革新計画の採択や松戸市優良企業大賞の優秀賞につながり、PRにも役立った。一方、社内検査設備では試作品のすべてを測定できないという新たな課題も出ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例では、売上減少への対応として航空機分野への新規参入を掲げ、3次元データ対応が必要と明確にしている。過去の取組との連続性までは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外展開の影響で売上が減少し、新規顧客獲得が課題だと述べている。市場と自社の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    課題として新規顧客獲得を挙げ、3D CAD/CAMと3Dプリンターで実物提案を行う具体策が示されている。高付加価値化の数値は示されていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    専属社員にCADを習得させ、各オペレーターのプログラムをデータベース化したと記載がある。人員数や事務処理体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    航空機部品を新規ターゲットとし、実物提案が営業の武器になると述べている。顧客ニーズの裏付けや選ばれる理由の数値は書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    4ステップの実施内容と今後の課題(社内検査設備の不足)が示されている。スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    インコネル718材という航空機部品向けの難削材の切削に挑戦したと述べている。高付加価値化の水準や一般的な普及度は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    航空機部品への参入や新規雇用・波及効果への言及はあるが、国が補助する積極的な理由としては具体的に述べられていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元データ対応と3Dプリンターによる実物提案を導入した点は、デジタル技術活用として読み取れる。サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    航空機分野という成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新たに開けた航空機部品などの新規顧客に積極的にアピールし、試作だけでなく継続的に量産品を受注できる社内体制を強化する。現在は平成26年度補正ものづくり補助金事業で品質保証力を強化しており、新規分野への本格参入と売上構成の新たな柱づくりを目指す。

事業者の声

未来の㈱武井製作所をつくるために、今回の事業を実施しました。社内社外どちらにおいても、いい意味で変化が起きてきていると感じております。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。