ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

最新型の自動注湯機と検査設備強化で高品質な銑鉄鋳物部品を安定供給

株式会社高岡製作所

成果注湯時間 10分→7分

この事例のポイント

  • 熟練工や経験に依存した方法では限界があり、デジタル技術を活用した設備投資が不可欠である。
  • 平成24年度の補助金事業では品質向上のための検査設備3機種を導入した。
  • 注湯時間 10分→7分。注湯時間の短縮と自動注湯機・工程技術の改善により、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社高岡製作所
所在地富山県 高岡市
業種鉄鋼業
技術分野材料製造プロセス,立体造形
従業員数42人
資本金2,000万円
設立1942年

事業の背景

当社は昭和17年の創立以来、技術力と最新設備を活かし、難易度の高い銑鉄鋳物部品を多く手掛けている。取扱材質のハイシリコンは、全国の銑鉄鋳物製造業約800社のうち10社しか手掛けておらず、北陸では唯一の生産拠点である。鋳造業界は、ここ10年間だけでもリーマンショックや円高、IT・デジタル化の進展、生産拠点の海外移転、人口減少による労働力不足など様々な転機があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力熟練工や経験に依存した方法では限界があり、デジタル技術を活用した設備投資が不可欠である。
  • コスト・採算生産設備の近代化、合理化によるコストダウンが依然として重要課題である。
  • 品質・精度鋳造製品の寸法計測を外注に頼っており、品質保証体制を強化する必要があった。
  • 生産能力注湯時間が長く、不良品率も高い状態であった。

やったこと

平成24年度の補助金事業では品質向上のための検査設備3機種を導入した。アーム型3次元測定機により、鋳造製品寸法を迅速・精密に計測でき、外注していた検査を自社で行えるようになった。鋳造CAEシステムJSCASTにより、鋳物の凝固収縮で生ずる巣などの欠陥を防ぐため鋳型設計方案をシミュレーションできるようにした。超音波探傷器により鋳造ロットごとに部品の内部検査が可能となった。平成25年度の補助事業では「PCF自動注湯機」を導入し、従来より高精度な鋳込重量の計量、三次元制御による注湯動作の高速化・安定化、造型ラインとの同調を可能にした。

検査測定アーム型3次元測定機
ソフト鋳造CAEシステム JSCAST
検査測定超音波探傷器
加工機PCF自動注湯機

新しい製品・サービス:PCF自動注湯機

事業の効果

  • 注湯時間 10分→7分
  • 不良品率 5%→3%

注湯時間の短縮と自動注湯機・工程技術の改善により、生産性が向上した。材質の安定と高品質化、省エネルギー化を実現し、高温下の作業を減らして従業員の省力化にもつながった。データ入力により熟練工以外でも自動作業が可能になった。検査設備の導入により万全の品質保証・検査体制を整えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鋳造業界の変化と既存の設備投資(平成24年度の検査機器導入)に触れ、一貫性はうかがえるが経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ハイシリコン分野で北陸唯一の生産拠点、全国約800社中10社との記載があり強みは読み取れる。市場動向との関係は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    注湯時間が10分から7分へ短縮、不良品率5%から3%へ低減など課題と効果が数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    2016年に過去最高の利益と売上、2017年はさらに10%上回る見込みと数字で示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員42人、第二工場の新設、機械加工事業部の立ち上げなど体制の記述はあるが、補助事業の遂行体制として具体的な人材情報は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    IHIや三菱重工との取引、ターボチャージャー部品など製品の価値と顧客が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    平成29年冬に2倍のスピードで鋳型を生産する新型造型機導入、機械加工強化の二本立てなど今後の計画はあるが、課題解決の方法や検証は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ハイシリコンを使う車両用ターボチャージャー部品を北陸唯一の生産拠点として手掛けるなど、高水準の分野での取組が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    ものづくりの技術革新や雇用への言及はあるが、経済波及や国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    注湯時間10分から7分への短縮、不良率5%から3%への低減、省エネ化と費用対効果を示す数字がある。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTなどデジタル技術の活用と熟練工以外での自動作業への言及はあるが、地域やサプライチェーンへの貢献は具体性が薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    省人化・生産性向上の技術開発の必要性にふれるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    北陸唯一の生産拠点という地域での役割と第二工場新設が書かれ、地域での事業の位置付けは読み取れるが、雇用創出の数字はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ターボチャージャーの加工を進め、IHIや三菱重工との取引拡大により今後も売上の伸長が見込まれる。平成29年冬には従来の2倍のスピードで鋳型を生産する新型造型機を導入する。平成28年2月には第二工場を新設し、機械加工事業を展開する。

事業者の声

まごころと技術革新(Heartful-Technology)

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。