ものづくり補助金平成24年度三重県

高強度、高延性な一体型シャフトの試作品開発

有限会社瀬木鋳造所

成果強度試験で硬さは規格値内の184(HBW)であった。

この事例のポイント

  • 真空ポンプの心臓部であるシャフトを、ローターと一体型で高強度・高延性かつ加工しやすい品質で製造する技術が必要だった。
  • 鋳造品の材質面の目標として、黒鉛粒数を2倍に増やして強度を上げること、フェライト地とパーライト地の比率のバランスをとることを設定した。
  • 強度試験で硬さは規格値内の184(HBW)であった。強度と延性を兼ね備えた球状黒鉛鋳鉄の製造技術を確立し、ローター一体型シャフトを製作できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社瀬木鋳造所
所在地三重県 桑名市
業種金属製品製造業
技術分野鋳造
従業員数21人
資本金300万円

事業の背景

真空ポンプは空気の流れを利用してほぼ真空状態を作り、吐出すればコンプレッサーの役目も果たすことから注目されており、将来の市場規模は拡大すると見込まれている。その心臓部であるシャフトは、海外製品との差別化が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力真空ポンプの心臓部であるシャフトを、ローターと一体型で高強度・高延性かつ加工しやすい品質で製造する技術が必要だった。
  • 品質・精度海外製シャフトに比べて、ねばりや衝撃強さといった優位性を確保し耐久性を高める必要があった。
  • コスト・採算切削性の良い材質を用いて加工時間を短縮し、真空ポンプの低コスト化につなげる必要があった。

やったこと

鋳造品の材質面の目標として、黒鉛粒数を2倍に増やして強度を上げること、フェライト地とパーライト地の比率のバランスをとることを設定した。フラン樹脂自硬性造型法で模型から鋳型を製作し、球状化剤、接種剤に加えてビスマルクを添加し、JIS規格FCD500相当の材質でローター一体型シャフトを鋳込んだ。比較用に2種類のシャフトも製造し、成分分析用と組織解析用のテストピースも同時に鋳込んだ。鋳造品は大型バンドソーと精密切断機で切断して樹脂に埋め込み、研磨後に球状化解析装置で組織を解析し、発光分光分析装置で溶湯成分のばらつきを確認した。ポンプメーカーに加工を依頼し、硬度と切削性を評価してもらった。

  • 検査測定自動研磨装置発光分光分析装置球状化解析装置

新しい製品・サービス:ローター一体型の高強度・高延性な球状黒鉛鋳鉄製シャフト(FCD500相当)

事業の効果

  • 強度試験で硬さは規格値内の184(HBW)であった。
  • 加工時間 7時間→7時間

強度と延性を兼ね備えた球状黒鉛鋳鉄の製造技術を確立し、ローター一体型シャフトを製作できた。強度は実現したが黒鉛粒数の2倍増大は達成できなかった。ポンプメーカーの評価では、切削性やバランスが良く欠陥がないと高評価を得て、海外製品に対して品質面で優位に立てた。今後は販売強化と量産体制の構築に取り組んでいる。

今後の展望

現在はローター一体型シャフトの量産体制の構築に向け改良を続けており、主力取引先に加えて新規顧客開拓にも力を入れ、ローターシャフト分野での販売強化を図りたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。