ものづくり補助金平成28年度製造業滋賀県

CFRP(炭素繊維複合材料)分野への新規事業展開へ向けた三次元測定機の導入

株式会社シンセイ

この事例のポイント

  • 取引先に穴径、穴位置、表面粗さの品質を保証する必要があったが、加工品を三次元的に測定して保証できる体制が十分ではなかった。
  • NC旋盤とマシニングセンタの特徴を併せ持つ5軸複合加工機を導入し、加工工程の時間短縮と加工精度の向上を図った。
  • 5軸複合加工機の導入により加工工程の時間が短縮され、加工精度も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シンセイ
所在地滋賀県 彦根市
業種金属製品製造業
技術分野測定計測

事業の背景

滋賀県彦根市で、金属やプラスチックの設計から加工、溶接、組立までを一貫して行っている。創業以来、マシニング加工やフライス加工を主力として事業を続けてきた。補助事業の前は、今まで自動車分野が売上の6割、ライン設備機械が4割を占めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度取引先に穴径、穴位置、表面粗さの品質を保証する必要があったが、加工品を三次元的に測定して保証できる体制が十分ではなかった。
  • 新製品・新技術硬い材料やCFRPなど割れやヒビが入りやすい材料は無理だとして加工を断っており、新分野への展開が難しかった。
  • 販路・情報発信売上は自動車分野が約6割を占め、ライン設備機械は約4割の副分野にとどまり、売上構成が偏っていた。

やったこと

NC旋盤とマシニングセンタの特徴を併せ持つ5軸複合加工機を導入し、加工工程の時間短縮と加工精度の向上を図った。複雑な形状の部品も加工できるようになった。あわせて三次元座標測定機(東京精密 SVA NEX)を導入し、接触式で穴径、穴位置、表面粗さを三次元的に測定できるようにした。測定精度は1マイクロメートルまで対応できる。測定機で途中工程の部品を検査し、取引先が求める品質まで確認できる体制を整えた。

加工機5軸複合加工機
検査測定三次元座標測定機 SVA NEX

事業の効果

5軸複合加工機の導入により加工工程の時間が短縮され、加工精度も向上した。三次元測定機の導入により、取引先に品質を保証でき、不良率も下がった。品質意識も高まった。硬い材料やCFRPなどへの加工にも挑戦するようになった。新規のお客様が増え、売上額は導入後に約3割向上した。売上構造も変わり、ライン設備機械が6割、自動車分野が4割となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に5軸複合加工機を導入し、その延長で三次元測定機を導入したことは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明確に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先から品質保証を求められたことや、CFRPなど難加工材料への挑戦が書かれ、強みの活用はうかがえるが、市場動向の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    品質保証要求への対応や途中工程での測定による不良率低下が書かれ、課題と効果の関係は読み取れるが、高付加価値化の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上額が加工機と測定機の導入後に約3割向上したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員とのコミュニケーションに触れているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    精度1マイクロメートルまで測定可能なこと、取引先から一層信頼されるようになったことなど、製品の価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    CFRPや硬い材料への挑戦という方向性はうかがえるが、導入後の遂行スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    CFRPなど難加工材料への挑戦や多品種少量生産への移行は書かれるが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    半導体、電子、医療、造船など多岐にわたる分野への広がりがうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果3

    売上額が約3割向上し新規顧客が増えたと書かれ、費用対効果の一端はうかがえるが、投入額との比較は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    CFRPなど新たな材料分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県彦根市に立地することは書かれるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

5軸複合加工機と3次元測定機を導入することで、品質精度・工程時間短縮などの技術面以外に様々な相乗効果が得られました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。