ものづくり補助金平成24年度三重県

難削材加工技術の確立による航空機部品分野への進出

有限会社HIRANOMETALWORKS

成果隙間寸法は基準値0.15±0.02mmに対し、26年1月に基準値内に収まった

この事例のポイント

  • 航空機部品の新分野へ進出するには曲面加工技術が必要だが、現有の5軸マシニングセンタでのプログラミングでは円形状の曲面を切削するのが困難である。
  • 5軸マシニングセンタに「同時5軸加工ソフト」を導入し、従来の汎用ソフト「CAD/CAMソフト」と比べた優位性を習得した。
  • 隙間寸法は基準値0.15±0.02mmに対し、26年1月に基準値内に収まった。ハステロイという難削材の加工技術が確立され、ケージバーの試作品は隙間寸法、長さ、角度、反り、バリなどの評価項目で合格し…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社HIRANOMETALWORKS
所在地三重県 桑名市
業種一般機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数25人
資本金300万円

事業の背景

当社は工作機械の部品加工を主な事業とし、桑名で1番の鉄工所を目指している。桑名市は航空宇宙産業の集積を目指しており、ジェットエンジンの燃焼室に使われる部品について引き合いがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術航空機部品の新分野へ進出するには曲面加工技術が必要だが、現有の5軸マシニングセンタでのプログラミングでは円形状の曲面を切削するのが困難である。
  • 品質・精度新しい素材のハステロイは熱による反りが出やすく、反りを±0.02mm未満に抑える加工技術が未確立である。

やったこと

5軸マシニングセンタに「同時5軸加工ソフト」を導入し、従来の汎用ソフト「CAD/CAMソフト」と比べた優位性を習得した。ハステロイ製のケージバーを試作し、送りスピード、刃物の交換頻度、回転数を調整して加工限界を把握した。試作品は三次元測定機で隙間寸法や反りなどを測定し、要求寸法を満たすまで試作と評価を繰り返した。

ソフト同時5軸加工ソフト
加工機5軸マシニングセンタ

新しい製品・サービス:ジェットエンジンの燃焼室に使われるケージバー(ハステロイ製)

事業の効果

  • 隙間寸法は基準値0.15±0.02mmに対し、26年1月に基準値内に収まった

ハステロイという難削材の加工技術が確立され、ケージバーの試作品は隙間寸法、長さ、角度、反り、バリなどの評価項目で合格した。今後は既存分野で取引のなかった製品の販路開拓を目指し、化学品精製など航空機部品以外の分野への展開も計画している。納入後の返品率はゼロを目標としている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の工作機械部品加工から航空機部品分野へ進出する計画が示されるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    桑名市の航空宇宙産業集積や引き合いがある点は読み取れるが、競争優位性への言及は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    現有5軸マシニングセンタでは曲面切削が困難という課題を認識し、同時5軸加工ソフトの導入で解決する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    反りの達成目標±0.02mm未満、返品率ゼロなど数値目標が示され、試作結果も合格と記載されている。

  • 事業を進める体制2

    担当者同士のディスカッションや試作の繰り返しは書かれるが、人材や事務処理体制の記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ハステロイ加工技術の確立が新分野参入の価値とされ、客先要求寸法を満たす点は読み取れるが、顧客ターゲットは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    加工試験、加工限界把握、製品試作と三段階の遂行方法と評価手順が示され、試作を繰り返す流れが明確である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    難削材ハステロイの加工技術を確立し、従来困難だった円形状曲面の切削を可能にした点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    桑名市の航空宇宙産業集積を目指す動きとの関連は示されるが、波及効果や雇用創出の記述は限定的である。

  • 費用対効果2

    投入額と付加価値増加の関係を示す数値は記載がなく、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献3

    同時5軸加工ソフトという先端的な加工技術の活用は書かれるが、サプライチェーンへの貢献の記述は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    航空宇宙分野への進出という成長分野への参入は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    桑名市の航空宇宙産業集積という地域特性との関連は示されるが、地域経済牽引の記述は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ハステロイを使用した部品を対象に既存分野で取引のなかった製品の販路開拓を目指し、腐食性環境や高温環境での使用に向くため化学品精製など航空機部品以外の分野への展開も目指す。

  • 目標:反りの達成目標は±0.02mm未満とした

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。