ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

半導体・ウエハー製造装置向け高精度部品加工生産能力強化並びに短納期化、低コスト化

有限会社鈴大工業

成果ステンレス加工で15%の時間短縮

この事例のポイント

  • MCでは平行度・平面度・面相度の難しい加工に時間が掛かり、不良率も高かった。
  • 加工エリアを最大限に使った多数個取り・長時間運転での安定した高精度加工の実現と、各部品の最適な切削条件の確立を目指し、縦型マシニングセンタとCAD/CAMを導入した。
  • ステンレス加工で15%の時間短縮。新規設備の導入により加工条件の最適化・加工精度の向上・加工時間の短縮が進み、生産能力が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社鈴大工業
所在地秋田県 由利本荘市
業種金属製品製造業
従業員数5人
資本金600万円
設立1979年

事業の背景

当社は昭和54年に由利本荘市で創業した金属切削加工業者で、6台のマシニングセンタを保有している。取引先は産業機械・半導体・光学・自動車業界から食品機械・空圧制御機器メーカーまで多岐にわたる。アルミ・ステンレス・鉄材の量産品を得意とする。当初は電気機械器具製造業として設立し、フレキシブル基板のプレス加工から検査までを業務としていたが、業界の需要構造の変化に伴い金属切削加工業に転換した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度MCでは平行度・平面度・面相度の難しい加工に時間が掛かり、不良率も高かった。
  • 品質・精度MC自体の幾何精度・剛性・スピンドルの回転が不足しており、多数個取りでは精度が安定せず量産加工が難しかった。
  • 人手・技能MCの型式が古く、プログラムを一文字ずつ入力するなど作業効率が非常に悪かった。
  • 納期・工程半導体・ウエハー製造装置向け部品の高精度化と短納期化が求められていた。

やったこと

加工エリアを最大限に使った多数個取り・長時間運転での安定した高精度加工の実現と、各部品の最適な切削条件の確立を目指し、縦型マシニングセンタとCAD/CAMを導入した。マシニングセンタでは想定される10パターンをテストし、最適加工条件を確定させた。主軸の刃先からクーラント液が供給されるスピンドルスルークーラントを採用し、冷却・潤滑・切屑除去を可能にした。これにより工具寿命の延長と良好な加工面を実現した。

加工機縦型マシニングセンタ
ソフトCAD/CAM
その他スピンドルスルークーラント

事業の効果

  • ステンレス加工で15%の時間短縮
  • アルミ加工で10%の時間短縮

新規設備の導入により加工条件の最適化・加工精度の向上・加工時間の短縮が進み、生産能力が向上した。ステンレス加工で15%、アルミ加工で10%の時間短縮を実現した。主要顧客である半導体関連の増産要請に応えられたほか、航空関連および医療機器関連の顧客にも事業成果をアピールして取引を拡大した。設備導入によりコスト競争力が強化され、海外単価での発注依頼に対応するコスト要請にも応えられている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    旧型マシニングセンタの精度不足を解消するため縦型MCとCAD/CAMを導入したとあり、既存の加工課題との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    半導体関連の増産要請に応え、航空・医療機器分野にも事業成果をアピールして取引を拡大したとあり、市場動向と自社の加工力を結びつけた記述がある。

  • 課題の認識と解決4

    精度不良率や加工時間の課題を認識し、加工時間をステンレス15%、アルミ10%短縮したと具体的数字で成果を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間の短縮率は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料は限定的。

  • 事業を進める体制2

    従業員5人の会社で6台のマシニングセンタを運用しているとあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    半導体製造装置向け高精度部品という顧客ターゲットと、海外単価の発注に対しコスト競争力で応えられている点が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の課題解決の流れは示されるが、中長期の検証や導入スケジュールは詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    半導体・ウエハー製造装置向けの高精度部品加工で、同分野の中で高精度化と短納期化により高付加価値を目指す内容が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    半導体の国内回帰の動きに触れており、地域への波及効果や雇用創出の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    生産能力向上とコスト競争力強化が示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CAD/CAMやスピンドルスルークーラントの導入は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体分野の国内生産回帰に対応する動きが示され、構造転換にわずかに関連するが、政策的な位置付けは明記されていない。

  • 地域経済への波及2

    由利本荘市での創業と地域企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

社員全員の発想力を結集し、若い社員の柔軟な発想も活かしながら、顧客にとってのベストプラクティスを追求し続ける。

事業者の声

精度の高い製品を、より早く低コストで提供する

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。