ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

航空機・内視鏡・PET・注射容器に必要な特殊形状部品加工を高度化させた超精密・少量多品種生産

株式会社大和製作所

この事例のポイント

  • 生産効率の向上と品質の高度化を同時に実現することが課題だった。
  • 5軸加工対応3次元CAD/CAMシステムと、CNC旋盤、CNC万能研削盤を導入した。
  • 5軸加工対応3次元CAD/CAMシステムの導入により図面データのプログラム作成が効率化され、データ作成時間が短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大和製作所
所在地福島県 北塩原村
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数42人
資本金1,000万円
設立1987年

事業の背景

当社は航空・医療・量子などの最先端分野で必要とされる超精密な特殊形状部品加工を行っている。量産ではなく少量多品種生産に特化しており、航空機のタービン部分、内視鏡カメラの接続部分、PETの放射線照射部分の部品や特殊治工具、試作開発品などを県内外のメーカーから受注している。現在の精密部品は複雑形状での公差レベルが高く、生産には複数の製造工程設備を用いる必要がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生産効率の向上と品質の高度化を同時に実現することが課題だった。
  • 納期・工程段取り時間と加工時間を短縮し、短納期に対応する必要があった。
  • 品質・精度複雑形状部品の公差レベルが高く、工程ごとの品質確認と次工程への情報伝達が必要だった。

やったこと

5軸加工対応3次元CAD/CAMシステムと、CNC旋盤、CNC万能研削盤を導入した。5軸加工対応3次元CAD/CAMシステムにより1回のチャッキングで5面を一度に加工でき、同時多面加工でも加工精度を高く保ち切削条件のよい加工が可能になった。CNC旋盤は内視鏡などの小型部品の縦削り精密切削加工に対応し、NCデータ作成時間とマシン干渉を抑えた。CNC万能研削盤はPETの放射線照射部分や注射製剤容器、タービン軸の内面研削で要求される研削条件を自動作成し、CAD/CAMシステムのNCデータと連動させて生産効率と精度を高めた。

ソフト5軸加工対応3次元CAD/CAMシステム
加工機CNC旋盤
加工機CNC万能研削盤

事業の効果

5軸加工対応3次元CAD/CAMシステムの導入により図面データのプログラム作成が効率化され、データ作成時間が短縮した。段取り時間と加工時間も大幅に短縮され、5軸複合加工での生産効率が飛躍的に向上した。CNC旋盤とCAD/CAM連動により少量多品種のオーダーに迅速に対応できるようになり、CNC万能研削盤では円筒研削の生産性が大幅に向上した。生産工程全体で生産効率と品質の高度化を同時に実現し、年間売上高の増加につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    航空・医療・量子向け超精密部品と少量多品種生産への特化が書かれ、一貫性は読めるが過去の取組との関係は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    難形状・難材加工で他社が扱えない案件を受注しているという強みが具体的に書かれ、競争優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    段取り時間短縮や加工時間短縮など課題が挙げられ、5軸加工CAD/CAM導入で対応する計画が書かれている。数値目標はない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    短納期化や生産効率の向上は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    社長の談話や従業員数42名の記載はあるが、補助事業の遂行体制について具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    航空・医療・量子など最先端分野の部品を県内外から受注し、難加工を強みとする点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    段取り時間短縮と品質維持の方針は書かれるが、スケジュールや遂行方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    5軸加工や難形状・難材加工で他社が扱えない領域に特化していることが書かれ、高付加価値性が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    医療・航空・量子分野の部品を扱い需要増が見込まれると書かれるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    年間売上高のアップと生産効率の改善が書かれるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    5軸加工対応3次元CAD/CAMとNCデータ連動による生産工程の高度化が書かれ、デジタル活用は読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空・医療・量子など成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    福島県耶麻郡の立地と県内外の受注が書かれるが、地域経済への牽引効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新たな生産設備と5軸加工対応の導入で生産時間が短縮され、受注拡大と高精度品質の維持を両立する体制が整った。今後はさらなる設備の増設や工場の拡大、従業員の増員などを検討し、高品質の製品を安定生産できる24時間稼働のシステム導入を目標としている。

事業者の声

お客様と共感できるものづくり

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。