ものづくり補助金平成25年度製造業青森県

ハイブリッド型溶接機導入による機械製作の合理化と新規分野への進出

株式会社浅利研究所

成果熱歪み(対照区比) 1倍→0.25倍

この事例のポイント

  • 食肉加工機械の衛生面の条件である耐食性のあるステンレス鋼等での製作に、現有溶接機では対応に時間や手間を要していた。
  • ハンドトーチ型レーザ溶接機を導入した。
  • 熱歪み(対照区比) 1倍→0.25倍。ステンレス鋼の薄板部材接合でも高精度な溶接が可能であることが実証された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社浅利研究所
所在地青森県 八戸市
業種生産用機械器具製造業
技術分野接合・実装

事業の背景

当社は青森県八戸市で、イカ釣針部品の製造機械を自社開発してきた。1983年以降はその技術を活用し、各種自動機や省力機の設計・製作を行っている。近年は食肉加工機械の設計・製作に注力しており、衛生面保持のため耐食性材料、無菌状態の確保、故障時の迅速な修理対応が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度食肉加工機械の衛生面の条件である耐食性のあるステンレス鋼等での製作に、現有溶接機では対応に時間や手間を要していた。
  • 生産能力故障等で機械が停止した際に迅速な修理を行うことが難しかった。
  • 品質・精度現有溶接機では熱歪みや溶接焼けが生じて外観が悪く、ステンレス鋼の腐食の原因となるため、後工程でそれを取り除く作業が必要だった。

やったこと

ハンドトーチ型レーザ溶接機を導入した。この装置はファイバーレーザとプラズマアークをハイブリッド化した溶接装置で、平均300W、ピーク3000Wの高出力により各種金属の重ね溶接や金型補修ができる。従来のTIGアーク溶接機では困難だった薄い板金部品や精密板金にも、自由度の高い手溶接を行える。既存設備と導入設備でテスト加工を行い、青森県産業技術センター八戸地域研究所に歪み検査、強度検査、溶接断面検査を依頼した。歪み検査では板厚0.3mmの試験区の歪み測定値が対照区の約1/4で、熱歪みが少なかった。強度検査の精密万能試験機による引張試験では、全試験片で試験区の接合強度が約2倍だった。溶接断面検査では白色光共焦点顕微鏡で観察し、試験区は溶け込みが深く熱の影響も小さかった。

加工機ハンドトーチ型レーザ溶接機

事業の効果

  • 熱歪み(対照区比) 1倍→0.25倍
  • 接合強度(対照区比) 1倍→2倍

ステンレス鋼の薄板部材接合でも高精度な溶接が可能であることが実証された。導入後は加工精度が向上し、熱歪みや溶接焼けが減ったため、後工程を省略できるようになった。これにより生産性が向上し、低コスト化も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に自動機・省力機の設計製作を続けてきたと書かれ、食肉加工機械への注力と結びつくが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    食肉加工機械の衛生条件(耐食性・無菌・迅速修理)への対応が課題として示され、強みの裏付けは一部読み取れるが市場動向の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    現有溶接機で歪みや溶接焼けが生じ後工程で除去していた課題を示し、レーザ溶接導入で後工程省略につながると記載されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性向上や低コスト化は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は数値で示されていない。

  • 事業を進める体制2

    公的試験機関への依頼や社内でのテスト加工は書かれているが、人材や事務処理体制の記述はうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    食肉加工機械の衛生条件への対応や、水産加工機械への展開という顧客ターゲットが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は水産加工機械の開発・製造に進む計画が示されるが、スケジュールや課題解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ハンドトーチ型レーザ溶接機で薄板ステンレスの高精度溶接ができる点は示されるが、分野の普及度に関する記述は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    食肉・水産加工機械分野での展開が述べられるが、経済波及や雇用創出といった国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    歪みが約1/4、接合強度が約2倍と数値で改善効果が示され、後工程省略による生産性向上も記載されている。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザ溶接という新技術の導入は書かれているが、サプライチェーンや地域全体への貢献は記述されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    八戸市という地域での事業は書かれているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用面の効果は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当社は食肉加工機械分野を得意としてきたが、今後は耐海水性が必要となる水産加工機械の開発・製造を計画している。冷凍機器需要の多い漁業・水産加工への進出を図り、当社の溶接技術を活用した営業活動を行っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。