ものづくり補助金平成29年度製造業秋田県

全自動板金曲げ加工システムの導入による生産性向上

MEP株式会社

この事例のポイント

  • 曲げ工程は熟練技術者の手作業に頼る体制で、複雑形状の曲げ加工になると作業時間がかかり、工程全体のボトルネックになっていた。
  • 曲げ工程にロボットアーム付のデュアルサーボドライブベンダーを導入し、パンチプレス工程から曲げ工程までを自動化対応できるよう生産ラインを見直した。
  • ベンディングマシンの導入により、一般的な精度の曲げ加工を自動化し、熟練者の作業時間を捻出できた。

事業者のプロフィール

事業者名MEP株式会社
所在地秋田県 大仙市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数39人
資本金2,000万円
設立1987年

事業の背景

当社は昭和43年創業の金属板金加工業者で、精密板金部品と精密製缶部品を主力とし、多品種少量生産にも安定した品質で対応している。材料調達から組立までワンストップで対応でき、アルミやステンレスなど非鉄金属の溶接加工に高い評価を受けている。主力製品は通信機器に使用されるフレームなどである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力曲げ工程は熟練技術者の手作業に頼る体制で、複雑形状の曲げ加工になると作業時間がかかり、工程全体のボトルネックになっていた。
  • 人手・技能曲げ工程では金型交換を手作業で行い、金型の選定には熟練の経験が必要で、作業員も常時2名しかいなかった。
  • 生産能力前工程のパンチプレスやバリ取りは自動化できていたが、曲げ工程がボトルネックとなりパンチプレス工程をフル活用できていなかった。

やったこと

曲げ工程にロボットアーム付のデュアルサーボドライブベンダーを導入し、パンチプレス工程から曲げ工程までを自動化対応できるよう生産ラインを見直した。ロボットアーム部が金型と製品の両方を自動交換する。熟練者の金型選定のノウハウをプログラムに組み込み、一般的な精度水準の曲げ加工はベンディングマシンが対応できるようにした。板厚の僅かな誤差を加味した分単位(1度の60分の1)の角度調整が必要な製品は、引き続き熟練者が手作業で対応している。

加工機デュアルサーボドライブベンダー(ロボットアーム付)
ロボット溶接ロボット

事業の効果

ベンディングマシンの導入により、一般的な精度の曲げ加工を自動化し、熟練者の作業時間を捻出できた。ただし製品のワークサイズとの違いから稼働率は想定ほど上がっていない。一方、24時間稼働を目指して社内にロボット推進室を立ち上げたことで、ロボット化に向けた従業員の意識は確実に高まった。同時期に導入した溶接ロボットは現状で100%近い稼働となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    曲げ工程が手作業依存でボトルネックだったことや精密板金の強みは書かれるが、事業の中長期の戦略上の位置づけまでは読み取れません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    材料調達から装置組立までワンストップ対応できることが強みとして挙げられ、非鉄金属溶接に高い評価があると書かれています。

  • 課題の認識と解決4

    曲げ工程がボトルネックで作業員が常時2名、熟練者の手作業依存という課題を認識し、ベンディングマシン導入で自動化する方向が示されています。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    24時間稼働を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、可能性がうかがえる程度です。

  • 事業を進める体制2

    ロボット推進室の立ち上げや熟練者の作業時間捻出は書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    主力製品は通信機器向けフレームと書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は十分に読み取れません。

  • 事業化までの道筋2

    稼働率向上のためワークサイズを踏まえ営業を見直す方針はあるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていません。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    板金加工の一般的な水準を超える高付加価値化を示す記述は乏しく、アルミ・ステンレス溶接の評価がうかがえる程度です。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    防災関連業界向け製品や林業向け伐採補助装置の共同開発が書かれ、死傷者40人/年の社会課題への言及がうかがえます。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    ロボットアームによる自動交換やデュアルサーボドライブベンダーの導入が書かれ、デジタル技術活用の方向性は読み取れます。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    秋田県大仙市の地元企業で、秋田県産業技術センターと共同で林業向け補助装置を開発したことが書かれ、地域との連携がうかがえます。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ワークサイズを踏まえて営業の見直しを図り、稼働率を高めていくと考えている。林業者らと共同開発した伐採作業の補助装置「ガイドレーザー」の普及・販売にも力を入れている。

  • 目標:導入機は最大400mm程度で、当社の製品の多くはワークサイズ1,000mm程度に変化しているため、稼働率は想定ほど上がっていない。

事業者の声

金属の特性を熟知している技術的背景と、材料調達から板金加工、溶接組立、装置組立までワンストップ対応できることが強みです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。