ものづくり補助金平成27年度製造業愛媛県

3D-CADと板材・鋼材兼用レーザー加工機を連動させた溶接構造製品の生産変革

株式会社西岡鉄工所

この事例のポイント

  • 3Dデータを十分に活用できておらず、3D-CADシステムの活用が必要である。
  • 3D-CADと連動する板材・鋼材兼用のフライングオプティクスレーザー加工機と、同機用シャトルテーブルを導入した。
  • レーザー加工機導入により切断から溶接までを一貫して提案でき、医療機器や半導体製造装置のフレーム製造などで近隣地域への営業機会が増え、短期間で受注につながるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社西岡鉄工所
所在地愛媛県 新居浜市
業種生産用機械器具製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数27人
資本金1,000万円
設立1961年

事業の背景

昭和12年創業の製缶板金業で、軟鋼やステンレス板材、アングルやチャンネル等の鋼材を使い、印刷機カバーや制御盤筐体を主体とした薄型板金の加工を手掛けている。住友重機械グループや三菱重工印刷紙工機械などの受注で発展してきた。製品には3Dデータ活用のメリットが大きいものが多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術3Dデータを十分に活用できておらず、3D-CADシステムの活用が必要である。
  • 生産能力3Dデータ活用と板材・鋼材切断を兼用できるレーザー加工機の導入を検討する必要がある。
  • 人手・技能切断業務や切断データ作成、加工工程の管理が複数のセクションに分かれており、業務分担と組織面の見直しが必要である。

やったこと

3D-CADと連動する板材・鋼材兼用のフライングオプティクスレーザー加工機と、同機用シャトルテーブルを導入した。3Dデータを板材・鋼材の切断に使用し、複数工程を一工程に集約できるようにした。シャトルテーブルにより加工中に次製品のセットが可能となり、段取り時間を短縮できる。切断データ作成から切断までを一つのセクションで行い、板材鋼材兼用レーザー加工機等の切断業務を一括管理運用する。

加工機フライングオプティクスレーザー加工機
加工機シャトルテーブル
ソフト3D-CAD連動システム

事業の効果

レーザー加工機導入により切断から溶接までを一貫して提案でき、医療機器や半導体製造装置のフレーム製造などで近隣地域への営業機会が増え、短期間で受注につながるようになった。SUSやアルミ等の薄板切断から溶接までを含む分野でも提案機会が増加し、広域への営業展開が可能となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の3D-CAD活用や板材・鋼材加工の取組に沿った投資と読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    近隣地域や広域での医療・交通機器向け受注増が書かれ、強みは示されるが、市場動向との対比は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    2D・3D二系統の課題を挙げ、切断工程の一括管理やシャトルテーブルでの段取り短縮など、課題に対応する計画が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工数削減やリードタイム短縮の方向は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    3Dデータ作成から切断までを一つのセクションで行う体制が書かれるが、人材や事務処理能力の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器・半導体製造装置のフレームやSUS・アルミ薄板の切断から溶接までの提案機会増加が、顧客と選ばれる理由として読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    3〜5年後を目処に3D系システムへ統一し、その後生産管理システムを導入する段階的な遂行方法が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    レーザー切断・溶接の分野は一般的だが、SUSやアルミの薄板から溶接までの提案を含む点がわずかにうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域の製造業や医療・交通機器分野への広がりが書かれるが、雇用創出や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値増加の数値がなく、費用対効果はわずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dデータと連動したレーザー加工やIoTによる在庫・進捗管理が書かれ、デジタル技術活用による工程変革が具体的に読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    医療機器や半導体製造装置など成長分野への進出がうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    新居浜の地域企業や住友グループとの関係が書かれるが、地域の経済成長への貢献は具体的に示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在2D・3Dの2系統のシステムが社内にあるため、3〜5年後を目処にタレパンレーザー複合機を含め3D系のシステムへの統一を目指す。その後、加工系システムを統合し、受発注情報や工程進捗、売上経理情報まで管理できる生産管理システムの導入を目指す方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。