ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

大幅な工程短縮と高水準保証体制構築による自動車部品の受注拡大

川辺産業株式会社

成果測定時間が3割短縮

この事例のポイント

  • 従来の工具顕微鏡は測定台が180mm×150mmと小さく、それ以上の大きさの製品を高精度に測定することが難しかった。
  • 従来の工具顕微鏡より大型の部品を測定できるよう、400mm×200mmのガラステーブルを備えた大型の画像測定器を新たに導入した。
  • 測定時間が3割短縮。新測定器により大型部品も分割せず高精度に測定できるようになり、測定品質と保証体制が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名川辺産業株式会社
所在地岩手県 花巻市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数18人
資本金3,400万円
設立1974年

事業の背景

当社は1974年の創業以来、金型設計製作から精密プレス加工、完成品の組み立てまで金属部品製造を手がけてきた。これまではカメラやコンピュータなどデジタル機器に使われる民生用部品が主力であったが、この10年ほどは自動車関連部品の受注も増えている。自動車産業をはじめ各業界の競争は日々激化しており、当社も競合を余儀なくされている。複数の部品を組み合わせたセット受注が多く、ベースとなる大型部品の品質保証が確実にできない現状では今後の受注増加も見込めない状況であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の工具顕微鏡は測定台が180mm×150mmと小さく、それ以上の大きさの製品を高精度に測定することが難しかった。
  • 生産能力測定にかかる時間が生産性のロスにつながっていた。
  • 品質・精度測定誤差が生じ、顧客との信頼関係にも影響していた。
  • 人手・技能顧客の品質レベルアップ要求への対応が難しかった。

やったこと

従来の工具顕微鏡より大型の部品を測定できるよう、400mm×200mmのガラステーブルを備えた大型の画像測定器を新たに導入した。プレスステーション内に設置したことで、大型部品を本社まで移動させる時間が不要になった。画像は26〜180倍に拡大してモニターに映し出せ、測定データを記憶する機能により測定基準を複数回とる必要がなくなった。同時に測定方法の標準化も進め、効率的な測定体制の強化に取り組んだ。

検査測定画像測定器(400mm×200mmガラステーブル付き)

事業の効果

  • 測定時間が3割短縮
  • 2割の売り上げアップ

新測定器により大型部品も分割せず高精度に測定できるようになり、測定品質と保証体制が向上した。プレスステーション内での測定で移動時間がなくなり納期が短縮し、モニター測定により従業員の負担が軽減され残業時間も短縮された。測定時間は3割短縮し、2割の売り上げアップを得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    これまで民生用部品が主力で、この10年ほどは自動車関連部品の受注も増えていると書かれており、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明確に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車産業の競争激化や他社との競合に言及し、測定精度と納期で差別化を図るとあるが、強み・弱みを数値で示す記述は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    工具顕微鏡の測定範囲限界や測定時間ロスを課題として具体的に挙げ、大型画像測定器で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    測定時間が3割短縮、売り上げ2割アップという数値目標と成果が示されており、高付加価値化の実現可能性を裏付ける。

  • 事業を進める体制2

    工場長の発言や従業員の負担軽減は書かれているが、補助事業を遂行する体制や人材の詳細は記載されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大型部品の高精度測定、短納期、顧客の品質要求への対応という選ばれる理由が整理されて記述されている。

  • 事業化までの道筋3

    測定方法の標準化やロボット分野の開拓に向けた試作など今後の方向は示されるが、スケジュールや検証方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    画像測定器の一般的な普及度や分野内での高付加価値化の水準について、わずかにうかがえる程度の記述にとどまる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    ロボット部品や半導体・液晶部品への展開に触れるが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    測定時間3割短縮と売上2割増という成果は示されるが、補助金投入額との対比による費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    画像測定器による測定の効率化は述べられるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岩手県花巻市の工場を拠点とする地域事業者として記載があるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新測定器の導入で得られた精度、納期、コスト面での優位性を広くアピールし、他社との差別化を図りながら、さらなる受注拡大につなげていきたい。産業用ロボット分野の開拓を目指し、ロボット部品のエンコーダーの受注に向け試作を重ねており、量産に至った際にはこの測定器も活躍すると期待している。

事業者の声

「確かな品質保証体制を武器に、産業用ロボット分野の開拓を目指したい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。