ものづくり補助金平成27年度製造業茨城県

既存技術を活かした高性能な殺菌ランプ及びUV蛍光灯の企画・開発

岩瀬プリンス電機 株式会社

成果ガラスと金属の接合部分の検査時間 2分→1分

この事例のポイント

  • ガラスと金属の接合部分の検査を一つひとつルーペや拡大鏡で行っており、1試料に2〜5分かかっていた。
  • 既存の測定器では可視光の範囲(380nmから760nm)しか測定できなかったため、紫外線の測定が可能な瞬間マルチ測光システムを導入した。
  • ガラスと金属の接合部分の検査時間 2分→1分。導入した測定機により紫外線の出力分布を可視化でき、取引先にデータを提出できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名岩瀬プリンス電機 株式会社
所在地茨城県 桜川市
業種電気機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数68人
資本金3,000万円

事業の背景

同社は一般照明用蛍光ランプと特殊光ランプの製造・販売を行い、前身の東芝ライテック茨城工場時代から特殊ランプを製造してきた。大企業が取り組まない少ロットの特殊蛍光ランプで国内でも優位性がある。一方、社会のLED化が進む中でも、紫外線を出す特殊なUVランプはLED化が難しく、UVLEDは水や空気の浄化に使う際に製作コストが大きな障害になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ガラスと金属の接合部分の検査を一つひとつルーペや拡大鏡で行っており、1試料に2〜5分かかっていた。
  • 品質・精度担当者によって検査結果にばらつきが出ており、クレームや返品の一因になっていた。
  • 新製品・新技術蛍光ランプの紫外線波長を測定できる装置がなく、紫外線強度を把握できないため、特殊なランプの開発が進まなかった。

やったこと

既存の測定器では可視光の範囲(380nmから760nm)しか測定できなかったため、紫外線の測定が可能な瞬間マルチ測光システムを導入した。導入した測定機では220nmから850nmの範囲を測定でき、250nm~380nmの紫外線を測定できるようになった。ガラスと金属の接合部分の検査にはマイクロスコープを導入し、全深度でピントが合う3D画像による自動測定を可能にした。これにより測定時間は数十秒〜1分ほどに短縮され、画像解析で明確なレポートを作成できるようになった。

検査測定瞬間マルチ測光システム
検査測定マイクロスコープ

新しい製品・サービス:既存設備と技術を応用した、食品の殺菌や高度洗浄水に使用できる高性能な殺菌ランプおよびUV蛍光灯。

事業の効果

  • ガラスと金属の接合部分の検査時間 2分→1分
  • 測定可能な波長範囲(上限) 760nm→850nm

導入した測定機により紫外線の出力分布を可視化でき、取引先にデータを提出できるようになった。マイクロスコープによる3D自動測定で解析力が飛躍的に向上し、検査結果のばらつきを抑えられる見込みである。試作条件が決めやすくなり開発スピードが上がることで、受注の拡大が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    東芝ライテック茨城工場時代から特殊ランプを製造してきた経緯と、積み重ねた経験とバックデータが強みとされている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大企業が取り組まない少ロットの特殊蛍光ランプで国内優位性があり、UVLEDよりコスト・品質で優位と具体的に述べている。

  • 課題の認識と解決4

    ガラスと金属の接合検査に2~5分かかり担当者で結果にばらつき、クレームや返品の一因と課題を明示し、マイクロスコープで測定時間を数十秒~1分に短縮した。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    目標値として数値は示されておらず、受注の拡大が期待できるとの記述にとどまる。賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数68名は記載があるが、補助事業を遂行する体制や人材配置については具体的な記述がない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    殺菌ランプ・UVランプのターゲットを野菜工場、樹脂加工工場、半導体装置メーカーと示し、取引先からの要望と試作品評価の事実もある。

  • 事業化までの道筋3

    試作条件の決定や開発スピード向上の方向は示されるが、スケジュールや課題解決の具体的な手順は明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    UVランプは高出力・殺菌用途で、UVLEDより高性能な製品として同分野での高付加価値化を図る内容と読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    食品殺菌や水・空気の浄化、野菜工場など新しい用途を生むとの期待が述べられているが、波及効果の定量的記載はない。

  • 費用対効果2

    投資額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、受注拡大が期待できるとの記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    測定機導入により紫外線分布を画像データ化し取引先に提出できるようになったとあり、デジタル計測の活用はうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    UVLEDが水や空気の浄化に広がるなど成長分野への関連はうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は述べられていない。

  • 地域経済への波及2

    桜川市の本社・茨城工場での事業であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

殺菌用紫外線蛍光ランプと工業用高出力UV蛍光灯の開発を進め、野菜工場、樹脂加工工場、半導体装置メーカーなどをターゲットにする。取引先からの要望に応じて試作品を提出し評価を受けている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。