ものづくり補助金平成26年度製造業茨城県

高精度測定機器導入による生産性向上と低コスト化の実現

株式会社 三友製作所

成果TEM用マニピュレータ等10台の製造リードタイム 600時間→360時間

この事例のポイント

  • 手作業による形状測定では熟練職人でも部品単体の精度にバラツキが出るのが最大の課題だった。
  • 最新のテーブル回転型真円度測定機を導入し、測定物が回転して測定子によって真円度を測定できるようにした。
  • TEM用マニピュレータ等10台の製造リードタイム 600時間→360時間。高精度部品の形状測定に最新の検査装置を導入したことで、全ての部品の精密な検査が可能になり、TEM用マニピュレータと特殊…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 三友製作所
所在地茨城県 常陸太田市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数190人
資本金4,500万円
設立1956年

事業の背景

創業以来70年、精密機械加工を中心に事業を展開してきた。主力の設計開発品の一つが透過型電子顕微鏡(TEM)用のマニピュレータと特殊試料ホルダーである。近年は自動車分野などでナノテクノロジーを活用した新機能材料の開発競争が激しくなり、高性能なTEMと各種試験に応じたマニピュレータや特殊試料ホルダーの需要が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度手作業による形状測定では熟練職人でも部品単体の精度にバラツキが出るのが最大の課題だった。
  • 品質・精度製品完成後の検査で不良が見つかり、部品交換や再組み立てなどの手戻りが頻発していた。
  • 生産能力手戻りの頻発により生産効率の伸び悩みを招いていた。

やったこと

最新のテーブル回転型真円度測定機を導入し、測定物が回転して測定子によって真円度を測定できるようにした。三次元測定機に最新データ処理ソフトを導入し、比較的経験の浅い社員でも測定作業ができ、部品ごとの記録も残せるようにした。大規模な計測データを高速処理するソフトウェアも新たに導入した。さらに先端にカメラのついた画像測定機を導入し、さまざまな方法で形状測定を行えるようにした。試験と試作を行い、不具合があれば工作機械側にフィードバックして加工補正を入れ再度製作する体制とした。TEM用マニピュレータの主要部品である支持棒や中軸を、設計通りの真円度公差(同心度0.02ミリ)で製造することに成功した。

検査測定テーブル回転型真円度測定機
ソフト三次元測定機用の最新データ処理ソフトウェア
ソフト大規模計測データ高速処理ソフトウェア
検査測定画像測定機

新しい製品・サービス:TEM用マニピュレータと特殊試料ホルダー(現在は受託生産しているTEM用特殊ホルダーを将来的に自社製品として販売することも検討中)

事業の効果

  • TEM用マニピュレータ等10台の製造リードタイム 600時間→360時間

高精度部品の形状測定に最新の検査装置を導入したことで、全ての部品の精密な検査が可能になり、TEM用マニピュレータと特殊試料ホルダーの高精度部品を安定して製造できるようになった。製品完成後の検査での不良や部品交換、再組み立てなどの手戻りがなくなり、組み立て調整時間も大幅に短縮できた。熟練の経験がなくても形状測定ができるようになり、顧客への信用度も高まった。生産体制の強化と高精度を要する製品の供給能力を獲得した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のTEM用マニピュレータ・特殊試料ホルダーの受託生産を継続し、将来は自社製品販売も検討とあり、事業の流れは読めるが戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    TEM需要の高まりや自動車分野のナノテク材料開発競争に触れ、精密加工70年の強みを活かす構図はうかがえるが、競争優位の具体的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    手作業測定の部品精度バラツキと手戻り頻発を課題として明示し、真円度測定機導入で製造リードタイムを10台約600時間から約360時間へ約40%短縮した。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    製造リードタイムを10台でトータル約600時間から約360時間へ約240時間減、約40%短縮と数字で目標達成を示している。

  • 事業を進める体制3

    検査担当は女性2人を含む5人で、比較的経験の浅い社員でも測定できる体制が書かれているが、事務処理や補助事業遂行体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    TEM用マニピュレータと試料ホルダーの需要増と超精密な製品特性は書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    試験と試作を行い不具合は工作機械側にフィードバックして加工補正する流れは示されるが、中長期の検証やスケジュールは明記されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    TEM用の極小試料操作マニピュレータという専門分野で、超精密部品の高精度製造による高付加価値化を図っている点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車分野のナノテク材料開発など産業上の需要に触れるが、波及効果や雇用創出などの国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    リードタイム約40%短縮、組立調整時間の大幅短縮など効果は数字で示されるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    三次元測定機への計測データ処理ソフト導入など先端的な測定技術は見えるが、サプライチェーンや地域全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    本社・日立市の団地工場・テクノセンタの3拠点を持つ地域企業とあるが、地域の特性を活かした雇用創出への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回の成果を受け、受託生産しているTEM用特殊ホルダーを将来的に自社製品として販売していくことも検討している。

事業者の声

「独自性、そして連帯」をモットーに、お互いの夢の実現のため、顧客に信頼感、従業員に充実感、地域に存在感を与える、永続的な価値創造企業を目指している。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。