ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

熱風循環式電気炉の増設及び改良による熱処理リードタイムの短縮化

武藤工業株式会社

成果熱処理処理回数 3回/日→6回/日

この事例のポイント

  • 焼き戻し工程は鋼種や硬さによって加熱温度や時間が異なり、同一炉で数種類の熱処理を行うことが難しく、焼き戻しに4~5時間かかるため処理できる数も限られていた。
  • 熱風循環式電気炉を増設し、既存炉と同サイズの大型焼き戻し炉を新たに導入した。
  • 熱処理処理回数 3回/日→6回/日。大型焼き戻し炉の増設により2台体制となり、既存炉との併用で処理能力が大幅に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名武藤工業株式会社
所在地岩手県 北上市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,製造環境
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1977年

事業の背景

当社は1977年設立の熱処理専門企業で、神奈川県の武藤工業株式会社の東北事業所として2011年に北上市に設立された。営業エリアは東北6県で、自動車・半導体・ロボット関連など取引分野は多岐にわたる。北東北3県で熱処理を専門に行う事業者は当社を含め岩手県内の2社のみである。取引先の加工工程は短納期化が進んでいる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力焼き戻し工程は鋼種や硬さによって加熱温度や時間が異なり、同一炉で数種類の熱処理を行うことが難しく、焼き戻しに4~5時間かかるため処理できる数も限られていた。
  • 納期・工程大型の焼き戻し炉が1台しかなく、加工待ちによる納期の遅れ(延納)が発生していた。
  • 納期・工程金属加工業界の短納期化に対応するため、熱処理工程のリードタイムを短縮する必要があった。

やったこと

熱風循環式電気炉を増設し、既存炉と同サイズの大型焼き戻し炉を新たに導入した。既存炉と合わせて2台体制とし、リードタイムの短縮に取り組んだ。導入した炉は左右に2面あるヒーターに加え、下部面にもヒーターを増設して3面ヒーター構造に改良し、炉内の温度ムラを軽減した。炉の扉を自動開閉扉とし、自動取り出し装置を付加したことで、無人の時間帯にも製品の取り出しと炉内の冷却が可能となった。

加工機熱風循環式電気炉(大型焼き戻し炉)
その他自動開閉扉・自動取り出し装置

事業の効果

  • 熱処理処理回数 3回/日→6回/日

大型焼き戻し炉の増設により2台体制となり、既存炉との併用で処理能力が大幅に向上した。3面ヒーター構造により炉内の温度ムラが減り、より良好な環境での熱処理が可能になった。自動開閉扉と自動取り出し装置により無人時間帯も製品取り出しができ、次工程への移行時間も短縮された。余力が生まれ、これまで納期が合わず受注できなかった案件や試作単品・飛び込みの案件にも対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の熱処理事業を拡大する文脈は読めるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    北東北3県で熱処理専門は岩手県内2社のみと競争環境を示し、専門技術を生かして東北でのシェア拡大を目指すと書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    焼き戻し炉は1台のみで日3~4回が限界だった課題を示し、2台体制で処理能力が約2倍になると数字で書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    処理能力が約2倍になると数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    設備導入後の体制づくりや人材配置についてはうかがえるが、体制確保の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    短納期化を求める取引先に対しリードタイム短縮を強くアピールし、自動車や半導体の顧客ニーズに応える点が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の効果は書かれているが、中長期の課題検証やスケジュール、解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    金型や金属部品の熱処理は専門性が高いと述べられるが、普及度や高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    金属加工業界の短納期化への対応という事業背景はうかがえるが、国が補助する理由や波及効果の記述は少ない。

  • 費用対効果3

    処理能力が約2倍になり受注機会が増えたと書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動開閉扉や自動取り出し装置の導入はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岩手県北上市の地域企業で東北地域のシェア拡大を目指すと書かれているが、地域の雇用や成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

リードタイム短縮を取引先に強くアピールし、新規取引先の獲得と売上増加につなげたい。また、自社で熱処理炉を持つ内製化事業者にもコストや技術力をPRし受注につなげたい。

事業者の声

効率的な生産を行うことにより生じた余力を試作や新製品の開発、研究に活用し、常に挑戦し続ける企業でありたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。