ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

スパッタレス溶接ロボット導入による生産性の向上

株式会社昭芝製作所

成果作業員数 2名→1名

この事例のポイント

  • 自動車部品の溶接で出るスパッタを、作業者がたがねとハンマーで1つずつ取り除いており、力が必要で手間がかかっていた。
  • 今回の事業では、スパッタの発生を抑える印加電流・電圧の制御機能を持つスパッタレス溶接ロボットを4台導入した。
  • 作業員数 2名→1名。スパッタ除去の手作業と全数検査が不要になり、作業時間が短縮されて生産性が改善した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社昭芝製作所
所在地茨城県 筑西市
業種金属製品製造業
技術分野材料製造プロセス,接合・実装
従業員数119人
資本金8,000万円

事業の背景

同社は自動車に使われるエアバッグケースやシートフレームなどの金属部品を設計・製造するメーカーで、国内に加え中国、フィリピン、メキシコにも工場を持つ。自動車は数年ごとにモデルチェンジされるため、部品ラインの組み替えや作業情報システムの調整が繰り返し必要になる。トヨタ、日産、ホンダなどに直接納品する一次サプライヤー(TIER1)の下で、部品を納める二次サプライヤー(TIER2)として事業を行っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能自動車部品の溶接で出るスパッタを、作業者がたがねとハンマーで1つずつ取り除いており、力が必要で手間がかかっていた。
  • 生産能力全ての部品を作業者が確認する必要があり、検査を含めて作業に時間がかかっていた。
  • 生産能力強度が必要な自動車部品は溶接時の火花が大きくスパッタが出やすいため、溶接速度を上げることが難しかった。

やったこと

今回の事業では、スパッタの発生を抑える印加電流・電圧の制御機能を持つスパッタレス溶接ロボットを4台導入した。あわせてロボットアーム・フレーム、制御機器などの関連部材も購入した。生産技術部が電流値と電圧値の最適値を探り出し、部品の角度などを独自に設計・製作することで、スピードアップと製品へのスパッタ付着の抑制に成功した。現行ラインでは5分25秒92かかっていた作業が40%近く短縮され、作業員は2名から1名に減らせた。コの字に並べた4台の機械を1人で管理できるよう、動線も考慮して配置している。

ロボットスパッタレス溶接ロボット(4台)
その他ロボットアーム・フレーム、制御機器などの関連部材

事業の効果

  • 作業員数 2名→1名

スパッタ除去の手作業と全数検査が不要になり、作業時間が短縮されて生産性が改善した。溶接速度と製品品質が向上し、他社より高速・高品質な生産ができるようになった。システム変更を社内の生産技術部で対応できるため、外注費用が削減されコスト面で優位に立てる。成果は新規受注に活用されて増益につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車部品の金属加工を主力とし、国内外に工場を持つ点は読み取れるが、スパッタレス溶接ロボット導入の位置付けを経営戦略と結びつけて述べる記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    TIER2企業として品質・価格・納期で他社をしのぐ強みを得たと明記し、作業時間40%短縮や2名から1名への削減など具体的な自社の強み強化が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    スパッタ取り作業に5分25秒92かかっていた課題を、40%近く短縮し作業員2名を1名に減らした数字つきで解決策と効果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    作業時間の40%短縮と作業員2名から1名への削減という目標と実績が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    生産技術部が電流値・電圧値の最適化や治具設計を独自に行う体制が読み取れるが、補助事業の事務処理体制には触れていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は自動車メーカーの一次サプライヤー向けと読み取れ、品質・価格・納期での優位性が示されるが、ターゲットとニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    新規受注への活用や生産転用、海外生産の国内移管など今後の方向は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は詳細に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    溶接ロボットは製造現場の一般的な設備であり、同分野で高水準の高付加価値化を図る記述はわずかにうかがえる程度にとどまる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    国内生産への変革や国内供給体制の構築がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果4

    作業時間40%短縮、作業員2名から1名への削減、システム変更費用の削減など、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    社内の生産技術部でシステム変更に対応し迅速化する仕組みは読み取れるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    筑西市という地域の企業であることがうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内でのシェア向上と、グローバルTIER2として海外でもシェアを広げられる生産体制へ変革していく。成果を活用した生産転用を行い、さらなる新規受注を見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。