ものづくり補助金平成28年度製造業茨城県

新型ロボットレーザー導入による生産性向上と組立事業立ち上げ

飯島プレス有限会社

成果加工スピード 1倍→1.6倍

この事例のポイント

  • リーマンショック後に量産品の受注が減少し、多品種小ロットの生産に移行する必要があった。
  • AI機能付きのロボットレーザーを導入し、鉄、アルミ、ステンレス等の素材について、直線や曲線などの形状の切断・抜き加工を行った。
  • 加工スピード 1倍→1.6倍。バラシ作業を省いたことで工程が短縮され、加工速度は約2倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名飯島プレス有限会社
所在地茨城県 水戸市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数53人
資本金300万円
設立1958年

事業の背景

飯島プレスは1958年に東京都墨田区で創業し、1973年に水戸市へ工場を移転した。通信機器の精密板金加工を主力としてきたが、リーマンショック後に量産品の受注が減少した。顧客からは材料調達から組み立てまで社内で一貫生産してほしいとの要望があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力リーマンショック後に量産品の受注が減少し、多品種小ロットの生産に移行する必要があった。
  • 生産能力タレパン加工では金型交換や加工工程によるタイムロスがあり、ガスレーザーは加工時間が長く、生産性が低下していた。
  • 品質・精度ガスレーザーは熱による反りが生じ、タレパンは連続で撃ち抜く際に微妙なズレが出るため、熟練工による調整や修正が必要だった。
  • 納期・工程現行の加工限度は9mmだが、12mmの厚板製品の受注見込みがあり、対応が急務だった。
  • 人手・技能社内一貫生産の要望に応えるため、組み立て工程へ人員を増やす必要があった。

やったこと

AI機能付きのロボットレーザーを導入し、鉄、アルミ、ステンレス等の素材について、直線や曲線などの形状の切断・抜き加工を行った。材料板と製品をジョイントでつなげて抜く方式のため、製品を一つずつ外すバラシ作業が不要になった。加工スピードは従来の1.6倍となり、段取り時間は平均で約180秒短縮され、合わせて約2倍の速度向上を実現した。バラシ工程に常時3〜4名必要だった人員は削減でき、余剰人員を組み立て加工などの不足部署に配置できるようになった。AI機能により連続で正確に撃ち抜けるため精度も向上し、設計から曲げ、溶接、塗装、シルク印刷、組み立てまでを社内で一貫生産する体制を整えた。12mm厚板の加工にも対応できるか検証した。

加工機AI機能付きロボットレーザー

新しい製品・サービス:組み立て工程を含む一貫生産体制(ワンストップ事業)

事業の効果

  • 加工スピード 1倍→1.6倍
  • 段取りの時間は、平均で約180秒に短縮
  • 工程全体の速度 1倍→2倍
  • バラシ工程に常時3名、場合によっては4名必要だった人員も削減

バラシ作業を省いたことで工程が短縮され、加工速度は約2倍になった。バラシ工程の人員を組み立てなど不足部署に回せるようになった。AI制御により精度が上がり、切断・抜き加工の社内品質基準を満たせるようになった。設計から組み立てまで一貫して社内で行えるため、コスト削減と納期短縮が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    従来のタレパン・ガスレーザーの課題を解消するため、精密板金からの多品種小ロット対応へ移行した経緯が具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    通信機器や昇降機など多業種の受注実績と、社内一貫生産による コスト削減・納期短縮という強みが記述されている。

  • 課題の認識と解決5

    バラシ作業に常時3〜4名必要だった課題を、加工スピード1.6倍と段取り約180秒短縮で解決した数値が明示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工スピード1.6倍、段取り短縮約180秒、全体で約2倍のスピードアップという目標値と実績が示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    バラシ工程の人員を組み立て部署へ配置できると書かれているが、補助事業を遂行する体制の詳細は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    社内一貫生産による品質・納期・コストの強みや新たな顧客層への訴求は読み取れるが、ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    12mm厚板への対応を検証し、組み立てを立ち上げたとあるが、スケジュールや中長期の課題検証の記述は少ない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    12mm厚板加工への対応や社内品質基準の達成が書かれ、高付加価値化の方向性はうかがえるが、市場での普及度の比較は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    鉄道関連など新たな顧客層へのアピールが述べられているが、波及効果や雇用創出の国の関与理由までは書かれていない。

  • 費用対効果3

    人員削減と余剰人員の再配置による生産性向上は読めるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    AI機能付きロボットレーザーの導入は先端技術の活用にあたるが、地域やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    水戸市で創業以来の精密板金を地域で続けていることは読めるが、地域特性を生かした成長牽引の記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

12mm以上の厚板加工に成功し、新たな参入を見込む。鉄道関連など新たな顧客層へのアピールが可能になった。受注のさらなる拡大につなげたい考えである。

事業者の声

培ってきた技術力で、量産のプレス加工から多品種少量の付加価値の高い精密板金加工と、一貫加工体制を築くことで要求納期に対応できる仕組みづくりを行っています。常にチャレンジ精神を持ち、成長し続ける企業を目指しています

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。