ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

高品質な清酒提供と短納期・小ロット対応を両立する製造体制確立

合名会社寒梅酒造

成果ラベル貼り処理本数(15分あたり) 6本→200本

この事例のポイント

  • 従来は繁忙期であっても出荷準備作業に人手を集中させなければならないケースが見られた。
  • 常時-7〜-4℃に維持された冷蔵庫の中でも使用できる移動式の瓶詰め機と自動ラベル貼り機を導入した。
  • ラベル貼り処理本数(15分あたり) 6本→200本。1,800ml瓶のラベル貼りは15分で6本だった工程が、同じ15分間で200本処理できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名合名会社寒梅酒造
所在地宮城県 大崎市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数4人
資本金1,500万円
設立1956年

事業の背景

宮城県で清酒を製造する合名会社で、主力商品は「宮寒梅」である。自社田で育てた酒米を使い、米のうま味を引き立てる丁寧な酒造りを信条としている。従来は瓶詰め後に冷蔵庫から清酒を出して常温の場所で手作業でラベルを貼っていた。宮城県内には食中酒と呼ばれる控えめな香りとすっきりした味わいの蔵元が多く、差別化が課題だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能従来は繁忙期であっても出荷準備作業に人手を集中させなければならないケースが見られた。
  • 生産能力ラベル貼りは冷蔵庫の清酒を常温の場所へ移して手作業で行っており、瓶に生じる結露の影響で時間的ロスが生じていた。
  • 納期・工程製造工程と出荷準備工程が分かれていたため、受注から出荷までのリードタイムが長かった。

やったこと

常時-7〜-4℃に維持された冷蔵庫の中でも使用できる移動式の瓶詰め機と自動ラベル貼り機を導入した。瓶詰め作業とラベル貼りを一貫して行える高効率な作業体制を整えた。これにより醸造のタイミングに合わせた出荷が可能になった。冷蔵環境下で全作業を一括実施することで、納期短縮と清酒の品質維持を両立させた。

加工機移動式瓶詰め機
加工機自動ラベル貼り機

新しい製品・サービス:当日受注・当日出荷・少ロット納品という新サービス

事業の効果

  • ラベル貼り処理本数(15分あたり) 6本→200本

1,800ml瓶のラベル貼りは15分で6本だった工程が、同じ15分間で200本処理できるようになった。従来約3日かかっていた出荷準備作業が短縮され、当日受注・当日出荷・少ロット納品の新サービスを提供できるようになった。冷蔵環境で作業できるため、搾りたてのようなフレッシュ感で商品を提供でき、華やかな香りや米のうま味、爽快なキレを追求できるようになった。人員を仕込みなどの重要な作業へ集中的に配置でき、省力化にも貢献した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    ラベル貼りの改善は以前からの課題で、24年度のものづくり補助事業の活用に続けて再応募しており、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    宮城の食中酒が多い中で、自社栽培米による華やかな香りとうま味で差別化する方針が示されており、自社の強みを踏まえている。

  • 課題の認識と解決5

    課題は出荷準備に約3日かかっていた点で、機器導入後は15分で200本のラベル貼りと当日出荷を実現したと具体的な数字で示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    ラベル貼り200本/15分など効果の数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性は読み取りにくい。

  • 事業を進める体制2

    従業員数4人との記載と、全社員が業務を把握する体制を構築中との記述のみで、事務処理能力や遂行体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    当日受注・当日出荷・少ロット納品という新サービスと、フレッシュ感や個性ある味わいという価値が整理されて書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として高品質化を目指すとあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されておらず、妥当性は判断しにくい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    食中酒が多い県内で際立った個性を出す取組として書かれているが、ジャンルの普及度や高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の地酒として育てたい思いは書かれているが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は具体的に読み取れない。

  • 費用対効果3

    ラベル貼りの作業時間短縮や人員の集中配置など効果の記述はあるが、補助金額に対する付加価値増加の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    冷蔵環境での全作業一括実施と当日出荷の新サービスは業務モデルの変化として書かれているが、デジタル技術の活用は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    宮城県の食中酒市場や県を代表する地酒を目指す思いが書かれており、地域特性を活かした事業であることがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

作業効率の改善を受け、製造面により力を入れて「一杯で旨い酒」のさらなる高品質化を目指している。並行して、社員全員が製造・在庫・受注・発注・営業に至る一連の業務を総括的に把握できる体制を構築中である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。