ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

新しい充填ラインによる商品の高品質化と製造効率の向上

成果洗瓶と充填の合計作業時間 16時間→5時間

この事例のポイント

  • 洗瓶に8時間、充填に8時間かかっており、最終工程に時間がかかっていた。
  • 最終工程の充填ラインを一新し、洗瓶機、温瓶トンネル、充填機、キャップ供給機、打栓機、ラベル張り機などを導入した。
  • 洗瓶と充填の合計作業時間 16時間→5時間。洗瓶と充填を合わせた作業時間が大幅に短くなり、充填速度も1.6倍に向上した。

事業者のプロフィール

所在地宮城県 塩竈市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数9人
設立1716年

事業の背景

享保元年(1716年)創業の酒蔵で、仙台藩の命により鹽竈神社への御神酒御用酒屋として始まり、高品質な酒造りを受け継いできた。日本酒人気の低迷や東日本大震災の被害などもあり、設備の一新には踏み切れていなかった。日本酒業界は以前から厳しい状況が続いている。現在の販売は地元や仙台圏など県内中心で、県外への売上は3割にとどまっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程洗瓶に8時間、充填に8時間かかっており、最終工程に時間がかかっていた。
  • 品質・精度充填に時間がかかるため、酸化が進み香り成分が揮発して品質が落ちていた。
  • 生産能力設備は30年以上経過しており、充填作業が間に合わず欠品することがあった。
  • 販路・情報発信欠品を避けるため既存顧客以外への積極的な営業展開ができず、新規開拓が難しかった。

やったこと

最終工程の充填ラインを一新し、洗瓶機、温瓶トンネル、充填機、キャップ供給機、打栓機、ラベル張り機などを導入した。洗瓶機、充填機、打栓機を一体化し、従来は4,000本の充填に8時間かかっていた工程を大幅に短縮して、酸化と香り成分の揮発を最小限に抑えることを目指した。温瓶トンネルで加熱した清酒と冷えた瓶との温度差を解消し、瓶の破損を防いだ。充填ラインにはクリーンカバーを装着し、異物混入を防いで衛生環境も改善した。

加工機洗瓶機
その他温瓶トンネル
加工機充填機
加工機キャップ供給機
加工機打栓機
加工機ラベル張り機
その他クリーンカバー

事業の効果

  • 洗瓶と充填の合計作業時間 16時間→5時間

洗瓶と充填を合わせた作業時間が大幅に短くなり、充填速度も1.6倍に向上した。充填から打栓までの距離は70%短縮され、工場内環境も良くなった。香りと味に透明感が増して品質向上の目的を達成し、ボイラーの稼働時間も減ってコストと省エネを実現した。増産体制が整ったことで新規開拓も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    既存の設備が30年以上経過し数年前から一新を検討していたとの記述はあるが、過去の取組との一貫性や戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    日本酒人気の低迷や県外売上が3割にとどまる点は触れられているが、自社の強み・弱みを踏まえた競争優位の説明は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    充填時間の長さによる欠品と酸化・香り飛びという課題を挙げ、増産体制と新規開拓で売上1.6倍増を目指す計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    洗瓶と充填の合計が16時間から5時間、充填速度1.6倍、充填から打栓までの距離70%短縮など数値で目標と結果が示されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質向上と欠品防止による市場競争力強化は述べられているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入機器や稼働による効果は示されているが、中長期の課題検証や遂行スケジュールの記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    日本酒の高級志向や香り・味の透明感向上に触れるが、高水準の高付加価値化の根拠となる数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元塩竈の酒の普及や日本酒業界全体の底上げに触れているが、波及効果や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果4

    作業時間の大幅短縮と加熱殺菌ボイラーの稼働削減など省コスト・省エネの効果が具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地元の飲食店を元気にし地元の方に楽しんでもらいたいとの思いは述べられているが、雇用や地域成長への効果は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在は県内中心の販売で県外売上は3割にとどまっているため、今後は積極的に新規顧客開拓に努め、売上を1.6倍に増やすことを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。