ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

ガラスびん金型製造の加工工程集約化による生産性向上及び市場競争力強化

秋田扶桑精工株式会社

成果リードタイムは従来比13%低減

この事例のポイント

  • 複雑な外径形状を得るために旋盤加工やフライス加工を複数工程に分散せざるを得ず、製造効率が低下していた。
  • 旋削やフライス加工を1台で行えるNC複合加工機「MULTUS U4000」を導入した。
  • リードタイムは従来比13%低減。複合加工機による外径加工プロセスの確立で、製造時間と段取り時間が減少し、リードタイムは従来比13%低減した。

事業者のプロフィール

事業者名秋田扶桑精工株式会社
所在地秋田県 北秋田市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数37人
資本金3,000万円
設立1979年

事業の背景

当社はガラス瓶用金型(酒、清涼飲料水、薬品等)で国内シェア60〜70%を占める金型メーカーである。近年は消費者ニーズの多様化により個性的なガラス瓶形状が増え、金型製造が多種化している。さらに冷却溝等の外径加工が複雑化し、ガラス瓶メーカーから複雑な形状の金型製造を求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力複雑な外径形状を得るために旋盤加工やフライス加工を複数工程に分散せざるを得ず、製造効率が低下していた。
  • コスト・採算納品先から金型製造に対してコスト削減や納期短縮を求められていた。
  • 品質・精度工程が分散していたため、加工精度の向上が課題となっていた。

やったこと

旋削やフライス加工を1台で行えるNC複合加工機「MULTUS U4000」を導入した。これまで蓄積した経験・技術をもとに外径加工のNCデータを作成し、各種寸法および形状の違いによるパラメーター値の変化に対応できるようプログラムを作成した。試し削りと検証を繰り返し、リードタイムの集計・評価を行った。また、機械オペレーターを育成し、自動化後の生産体制を構築した。

加工機NC複合加工機 MULTUS U4000

事業の効果

  • リードタイムは従来比13%低減
  • 約500千円/月の削減見込み
  • 65,4時間/月の削減見込み

複合加工機による外径加工プロセスの確立で、製造時間と段取り時間が減少し、リードタイムは従来比13%低減した。加工技術のデータ化により自動生産体制が構築でき、製造コストの低減と競争力の強化が図られた。手動時間の削減で生まれた余剰時間は若手作業者の教育・技術承継に充てる計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    ガラス瓶用金型で国内シェア60〜70%、外径加工の工程分散解消を課題に複合加工機導入と明確に結びつき、過去事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ガラス瓶形状の多様化による金型多種化とシェア60〜70%の強みを踏まえ、複合加工機で加工精度と製造日数を改善する競争力強化策が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    工程分散による効率低下と納期・コスト要求を課題に挙げ、複合加工機導入でリードタイム13%低減と月約500千円のコスト削減を見込む。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイム従来比13%低減、65.4時間/月・約500千円/月の削減見込み、売上従来比10%増の目標が数値で示されている。高付加価値・賃上げの目標は明記がない。

  • 事業を進める体制3

    若手技能者の育成や機械オペレーターの育成を計画に含むが、体制の人数や事務処理能力の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ガラス瓶メーカーからの多様な外径加工要請と納期・コスト要求という顧客ニーズが示され、選ばれる理由として加工精度と納期の改善が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    加工プログラム開発、試し削りと検証、オペレーター育成という段階が示されるが、スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ガラスびん金型は国内シェア高いが、同分野で高水準の高付加価値化・高価格化を図るとの記載は薄く、新市場性は読み取りにくい。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    産業機械部品等への活用検討は書かれるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は記載されていない。

  • 費用対効果4

    投入額に対する費用対効果は示されていないが、65.4時間/月の削減や月約500千円のコスト削減など効果の数値が具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    加工技術のデータ化による自動生産体制の構築が示されるが、先端的デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献の記載は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    秋田の拠点で鋳物の製造余力と特殊技術を活かす記載はあるが、地域の雇用創出や地域経済成長への効果は明示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産性向上によるコスト削減や納期短縮で競争力を拡大し、既存顧客からの受注増加と新規顧客の開拓を図る(売上目標:従来比10%増)。複合加工機は産業機械部品等の加工分野への活用も検討する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。