ものづくり補助金平成28年度製造業佐賀県

再加熱カートのコストダウンに向けた機械加工部品工程の生産性向上

株式会社中島製作所

成果加工品のコストが40万円削減された

この事例のポイント

  • 工作機械による加工部品のコストが社内加工部品の加工費の50%を占め、コストダウンの大きな障壁となっていた。
  • 機械加工部品のコストダウンを目的に、旋盤とマシニング加工の機能を併せ持つインテリジェント複合加工機を導入した。
  • 加工品のコストが40万円削減された。2工程を1工程に短縮したことで段取り時間が減り、加工品のコストが40万円削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中島製作所
所在地佐賀県 佐賀市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数150人
資本金2,000万円
設立1961年

事業の背景

当社は設計から板金、機械加工、プレス、組立まで一貫対応できる金属加工会社で、多品種少量生産や短納期の需要に応えてきた。下請けからメーカーへの転身を目指し、業界初のマイクロ波加熱方式の医療介護施設向け再加熱カート「ミールシャトルⅡ」を開発した。引き合いは好調だが、今後の市場拡大には製造コストの低減が欠かせなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力工作機械による加工部品のコストが社内加工部品の加工費の50%を占め、コストダウンの大きな障壁となっていた。
  • コスト・採算医療介護施設向け再加熱カートの今後の市場拡大に向けて、製造コストの低減が必要だった。
  • 人手・技能工場の稼働状況を一元的に把握・管理する体制が整っていなかった。

やったこと

機械加工部品のコストダウンを目的に、旋盤とマシニング加工の機能を併せ持つインテリジェント複合加工機を導入した。同設備により2工程を1台で行えるようになり、加工精度も向上した。自動切り替え機で段取り工程を削減し、IoTとAIを組み合わせて機器を監視・制御することで無人化運転を実現した。さらに工場内ネットワークを整備し、事務室PCからの遠隔管理、動作ログのエクセル書き出し、コマンドレベルでの稼働把握を可能にした。

加工機インテリジェント複合加工機
その他自動切り替え機
ソフト工場内ネットワーク(稼働監視・遠隔管理用)

新しい製品・サービス:医療介護施設向け再加熱カート(製品名:ミールシャトルⅡ)

事業の効果

  • 加工品のコストが40万円削減された
  • 計算上、製品価格を10%下げることができる数値
  • 1台あたり2日(従来から約11%)短縮
  • 新モデルで合計80万円(約20%)の製造コスト削減を進める
  • 前年対比20%増

2工程を1工程に短縮したことで段取り時間が減り、加工品のコストが40万円削減された。これにより製品価格を約10%下げられる見込みである。作業時間短縮で製品1台あたりのリードタイムも2日(約11%)短縮できた。工場全体のIoT管理体制が整い、ビッグデータによる工程改善や稼働率向上につながると期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    独自開発の再加熱カートを事業拡大の柱と位置付け、下請けからメーカーへの転身を目指すと書かれているが、経営戦略上の位置付けの詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    マイクロ波加熱方式や3品個別温度設定の特徴と引き合い好調が書かれ強みはうかがえるが、市場動向との比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決5

    社内加工部品の加工費の50%占有を課題とし、4万円のコスト削減、製品価格10%低下、リードタイム約11%短縮と数字で示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    製造コスト合計80万円(約20%)削減、生産数前年対比20%増、年間約300台生産と数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    ワンストップの設備と多品種少量生産の経験は示されるが、補助事業の遂行体制に関する人員や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ミールシャトルの特徴や医療介護施設での引き合いが具体的に書かれ、選ばれる理由は読み取れる。顧客ターゲットの定量的整理は少ない。

  • 事業化までの道筋3

    新モデル設計中で設計者と技術情報を共有する方針や、モデル事業の進行は書かれるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    マイクロ波加熱方式を業界初と位置付け、革新性の高い製品とされているが、普及度や認知度の定量情報は薄い。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    地元雇用の創出や地域貢献、医療介護施設の食事課題解決への取組が書かれているが、波及効果の定量的な記述は少ない。

  • 費用対効果4

    40万円のコスト削減、80万円の製造コスト削減計画など投資に対する効果が数字で示され、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTとAIで機器を監視・制御し無人化運転を実現、工場ネットワークでビッグデータ分析を行うなどデジタル活用が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    医療介護施設向け再加熱カートなど事業分野拡大は書かれるが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    佐賀市の地元密着と地域の雇用創出を重視する姿勢が書かれ、地域特性を活かした事業であることがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新モデルの設計で新設備を活用し、合計80万円(約20%)の製造コスト削減を進める。病院食の提供にも対応するため、施設の厨房設計やテストキッチンでの食材・レシピ開発にも取り組み、社会の困り事を解決するソリューションを広げていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。