ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

磁石回路部品の加工時間短縮による生産性向上とコスト競争力の強化

有限会社瀬谷工作所

成果機械稼働率はこれまでより30%上昇した。

この事例のポイント

  • 受注が増え、磁石回路関連部品の増産要請に応えるための生産能力が不足していた。
  • ガントリーローダー(搬送ロボットアーム)付きNC旋盤を増設し、加工が難しい純鉄の加工を自動化した。
  • 機械稼働率はこれまでより30%上昇した。ガントリーローダーが素材の自動交換を行うため、機械稼働率が約30%上昇した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社瀬谷工作所
所在地秋田県 秋田市
業種生産用機械器具製造業
従業員数8人
資本金300万円
設立1960年

事業の背景

当社はマシニングセンタ8台とNC旋盤3台を中心に、半導体関連部品や航空機関連部品などの精密機械部品を16時間稼働体制で加工している。補助事業の取組み当時、ある業界から磁石回路関連部品の受注が入り、純鉄素材の加工が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注が増え、磁石回路関連部品の増産要請に応えるための生産能力が不足していた。
  • 品質・精度純鉄は軟らかく粘り強いため刃先がつぶれやすく、要求寸法精度(20μ)が出にくかった。
  • コスト・採算切削チップの消耗が激しく、不良品の発生率も高かった。
  • 人手・技能加工素材の交換を手作業で行い、切りくず処理や機械内部の清掃にも時間がかかり、作業効率が著しく劣っていた。

やったこと

ガントリーローダー(搬送ロボットアーム)付きNC旋盤を増設し、加工が難しい純鉄の加工を自動化した。機械剛性が高く切削チップの刃持ちが良くなり、寸法精度の高い加工とより綺麗な仕上がりが可能になった。切削加工とキリコの処理を同時に行えるようにし、キリコはチップコンベアで自動排出されるため、加工中に機械を止めて清掃する必要がなくなった。

加工機ガントリーローダー付NC旋盤

事業の効果

  • 機械稼働率はこれまでより30%上昇した。
  • 切削工具の消耗も以前より10%程度改善した。

ガントリーローダーが素材の自動交換を行うため、機械稼働率が約30%上昇した。切削工具の消耗も約10%改善し、その後も操作の習熟により改善が続いている。オペレーターに時間の余裕が生まれ、外注していた別部品の内製化が可能になった。清掃などの加工以外の作業によるタイムロスも大きく削減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例では従来のNC旋盤の刃先消耗や不良品発生が課題として示され、過去からの加工事業との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    半導体関連や航空機関連部品など複数分野の精密加工を手掛けるとあり強みは読み取れるが、市場動向との関係や競争優位の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    純鉄加工での刃先消耗や寸法精度20μの未達、手作業交換といった課題を示し、ガントリーローダー導入で対応する流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    機械稼働率30%上昇、工具消耗10%程度改善という数値目標に相当する成果が示されており、達成の裏付けもある。

  • 事業を進める体制3

    16時間稼働体制やマシニングセンタ8台などの設備はわかるが、人材や事務処理体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    磁石回路関連部品の増産要請や精密加工の受注実績は書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は不十分。

  • 事業化までの道筋3

    5軸マシニングセンタ導入や5G関連部品への期待など今後の方針はあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    純鉄の切削加工の難しさを踏まえ、高難度部品の加工に挑戦しており、高水準の加工技術による高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の中小製造業の設備導入という形で雇用や需要に触れる記述はあるが、国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果4

    稼働率30%向上、工具消耗10%改善、外注の内製化といった具体的成果があり、投資に対する効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    ガントリーローダーによる自動化は示されるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明確ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空機関連や5G関連、ロケット部品など成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    秋田市の工場での事業と書かれているが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用拡大についての記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

航空機関連部品は新型コロナウイルスの影響で受注が低迷しているが、半導体関連部品は安定しており、今後は5G関連部品の増加を期待している。試験用ロケット部品や風洞実験用ミサイルのモデル部品なども受注している。海外の安価な製品へのシフトがある中、取扱製品の幅を広げ、難易度の高い加工技術を磨いて価格競争に巻き込まれない生産体制を構築する方針である。

事業者の声

ものづくりの楽しさを従業員本人が感じてくれるよう、現場からの改善提案は積極的に受入する方針で日々対応しています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。