ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

複合NC旋盤導入で製造工程を集約生産性向上で受注増にも着実に対応

株式会社ミズノマシナリー

この事例のポイント

  • 建設機械メーカーなどからの受注が増えたが、製品によっては加工工程が多い・複雑で納期に間に合わず、やむを得ず断る状況があった。
  • 製造工程が複雑かつ多い製品3点について工程を見直し、熟練職人が手作業で行っていた工程などを集約して約3割の工程を削減した。
  • 製造工程を見直して複数工程を集約した製品3点は、リードタイムが30%短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミズノマシナリー
所在地富山県 富山市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数47人
資本金3,000万円
設立1963年

事業の背景

当社は昭和38年創業の切削加工メーカーで、アルミを使った高精度部品と油圧機器部品の製造を主力とする。油圧機器部品では主に建設機械向けにカートリッジバルブの2~4ミリほどの精密旋削加工を手掛けている。建設機械は国内で東日本大震災の復興事業や平成32年の東京五輪関連事業などで需要が増え、海外向けでも大気汚染対策機種や低燃費型機種の出荷が好調で、部品も受注増が予想されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力建設機械メーカーなどからの受注が増えたが、製品によっては加工工程が多い・複雑で納期に間に合わず、やむを得ず断る状況があった。
  • 納期・工程製造工程が複雑かつ多い製品3点があり、生産体制を強化する必要があった。
  • 人手・技能熟練職人が汎用旋盤で一つ一つ手作業で仕上げるなど、手間や時間がかかる工程が複数あった。

やったこと

製造工程が複雑かつ多い製品3点について工程を見直し、熟練職人が手作業で行っていた工程などを集約して約3割の工程を削減した。導入した「ガントリーロボット付き複合NC旋盤」により、従来は別々に行っていた旋盤工程とマシニングセンタ工程が1台でできるようになり、各工程で機械を止めて工作物を取り出し再度取り付ける必要がなくなった。ロボットが工作物の取り付け、加工、取り外し、検査を自動で行い、手作業をなくして無人自動化を進めた。新たな製造工程の構築に伴い、複合加工機用NCの製作、治具製作、長時間の無人自動稼働に耐える工夫も行った。

加工機ガントリーロボット付き複合NC旋盤

事業の効果

製造工程を見直して複数工程を集約した製品3点は、リードタイムが30%短縮した。長時間の無人自動稼働により従業員の残業時間も削減された。ロボットによる自動化で人手より素早く正確に作業が進み、品質が安定し加工精度のばらつきも抑えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    顧客の建設機械メーカーからの注文増に対応する油圧部品事業の延長として工程改善を行っており、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明記は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    建設機械の需要増や東京五輪関連事業、カートリッジバルブの2~4ミリ精密旋削という強みが具体的に書かれ、競争優位性との結びつきが読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    受注増に納期が間に合わず断る状況が課題とされ、工程を約3割削減しリードタイム30%短縮、納期据え置きで1.2~3倍の生産増に対応する数字つきの計画である。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイム30%短縮や約3割の工程削減など目標と成果が数字で示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    技術者育成のための社内ものづくりコンテストや技術者一人ひとりが工具選びから完成まで担う体制は読み取れるが、補助事業の遂行体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    半導体・医療・鉄道・航空機関連など顧客分野と、建設機械向け油圧部品の高精度加工という価値・選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として残る技術的課題への一層の効率化や他部品への順次反映が書かれているが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高精度部品加工や航空宇宙品質の認証取得などの強みは書かれているが、分野の普及度や高付加価値化の水準を示す記述は限定的。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    東京五輪や復興事業による建設機械需要の増加が書かれ、部品受注増への対応が地域の需要に関わるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    リードタイム30%短縮、残業時間の削減、無人自動稼働による生産性向上が数字や事実で示され、費用対効果の方向性は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    ガントリーロボットによる無人自動化や複合加工機の導入が書かれるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は記述が薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    航空機関連や半導体・医療など成長分野への言及はあるが、日本経済の構造転換に資する記述は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    富山県の中小企業として表彰を受けた点や地元の雇用に触れるが、地域の特性を活かした成長牽引の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

各製品とも加工工程をはじめとする生産面の技術的課題は残っており、一層の効率化に取り組む。納期はそのままで現在の1.2~3倍程度の生産量増加を受け入れられる態勢づくりを目指し、顧客メーカーからの注文増を着実に取り込みたい考えだ。生産性が上がった3製品の成果は類似工程の他の部品にも順次反映させていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。