ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

人と工作機械の生産性を向上するフレキシブル製造システムの構築

三和ロボティクス株式会社

成果着脱作業の工数は2/3に削減

この事例のポイント

  • 多品種少量の生産現場では、ワークの入れ替えなどを人手に頼るため、操業時間の半分程度しか利益を生む加工時間に充てられていない。
  • 「多品種」「少ロット」切削加工の生産性向上を目指し、5軸マシニングセンタ2台の中央にロボットを置いてワーク搬送を担うフレキシブル製造システムを自社用に開発した(平成26年度補正も…
  • 着脱作業の工数は2/3に削減。5軸マシニングセンタ2台と協働ロボットを組み合わせ、着脱作業を自動化したことで、着脱作業の工数は2/3に削減された。

事業者のプロフィール

事業者名三和ロボティクス株式会社
所在地長野県 飯田市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,機械制御
従業員数83人
資本金3,000万円
設立1964年

事業の背景

同社は1964年創業の金属加工業で、産業機械、半導体、航空機、自動車、光学、医療機器など幅広い分野の基幹部品・ユニットを製造している。金属加工の精機事業部と、ロボットを活用した自動化設備を開発・販売するスマートファクトリー事業部の両輪で事業を展開している。精機事業の主要マーケットは海外で、中国を中心に2020年度は非常に忙しかった。一方、スマートファクトリー事業部はコロナ禍で営業活動ができず苦戦した。業界は人手不足や働き方改革などで省人化ニーズが高く、市場は底堅いと見ている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種少量の生産現場では、ワークの入れ替えなどを人手に頼るため、操業時間の半分程度しか利益を生む加工時間に充てられていない。
  • 人手・技能川下メーカーの単品試作から量産までのニーズに、競争力のあるスピード感と品質で対応するため、情報管理と製品管理の効率化が必要である。

やったこと

「多品種」「少ロット」切削加工の生産性向上を目指し、5軸マシニングセンタ2台の中央にロボットを置いてワーク搬送を担うフレキシブル製造システムを自社用に開発した(平成26年度補正ものづくり補助金を活用)。形やサイズの違う製品にも対応できるドイツ製の治具を採用し、着脱作業を自動化した。その結果、着脱作業の工数は2/3に削減され、生産量は1.4倍になった。マシンオペレーターは段取り替えの短縮や工程内不良対策など、より付加価値の高い仕事に取り組めるようになった。

加工機5軸マシニングセンタ
ロボット協働ロボット
その他フレキシブル製造システム(ワーク搬送・着脱自動化)
その他ドイツ製の治具

新しい製品・サービス:ロボットを組み込んだ自社ブランドの自動化設備(フレキシブル製造システム)を国内の金属加工業向けに販売している。

事業の効果

  • 着脱作業の工数は2/3に削減
  • 生産量は1.4倍になっている

5軸マシニングセンタ2台と協働ロボットを組み合わせ、着脱作業を自動化したことで、着脱作業の工数は2/3に削減された。生産量は1.4倍になった。マシンオペレーターは段取り替え短縮や工程内不良対策など付加価値の高い仕事に取り組めるようになった。自動化の難しい少ロット生産を自動化したことは社員の自信となり、快活な職場づくりにつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成24年度から30年度まで段階的に工程管理・加工自動化へ取り組んできた流れが読み取れる。経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品種少量の現場で操業時間の半分しか利益を生まないという課題認識と、中国との競争や国内市場への言及がある。強みの裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    操業時間の半分しか利益時間に充てられない課題を認め、協働ロボットで着脱作業を自動化し、着脱工数を2/3に削減、生産量1.4倍と効果を示している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    着脱工数2/3、生産量1.4倍の実績はあるが、今回の補助事業で目標とする付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員83名、5軸マシニングセンタ等の設備保有やロボット開発の実績はうかがえるが、本事業を遂行する具体的な体制の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    自社ブランドの自動化設備を国内金属加工業向けに販売し高評価と書かれ、顧客の省人化ニーズも述べられている。ターゲットの定量的な整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    平成26年度から段階的に自動化を進めた経過が書かれ、失敗事例を活かす方針も示されているが、今回の遂行スケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種少量の切削加工の自動化で、従来は人手に頼っていた分野への取組が読み取れる。市場での普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国内の省人化ニーズや人手不足への言及はあるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    着脱工数2/3削減と生産量1.4倍の効果が示され、投入額との関係は書かれていないが費用対効果の手がかりはある。

  • イノベーションへの貢献3

    協働ロボットと工作機械を組み合わせた自動化システムを自社開発し、ユーザーに展開している点はイノベーションへの貢献がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    省人化ニーズの高まりや人手不足への対応に触れているが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    長野県飯田市の地域未来牽引企業として選定された点は書かれているが、地域経済をどう牽引するかの具体的記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内でもスマートファクトリー事業のマーケットは広大と見ており、サービス・開発・営業に力をつけてチャンスを活かしたいとしている。失敗事例を活かし、金属加工に特化したスマートファクトリー事業を深掘りしたいと考えている。

事業者の声

想定を上回りました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。