ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

高速自動裁断機の導入による生産性向上と新規事業展開

株式会社三洋

成果裁断から縫製までの所要時間 1倍速→0.2倍速

この事例のポイント

  • 保冷ボックスの大口受注に社内で対応するための生産キャパを大きくすることが課題になっていた。
  • 高速自動裁断機を導入し、見積もり、図面作成、材料手配をすべてCADで処理し、そのデータを延反、罫書き、裁断の工程へ連動させて機械化した。
  • 裁断から縫製までの所要時間 1倍速→0.2倍速。図面通りの正確で早い一連の加工が可能になり、後工程の縫製・加工工程も確実なものになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社三洋
所在地山形県 東田川郡三川町
業種その他の製造業
技術分野精密加工
従業員数75人
資本金3,000万円
設立1968年

事業の背景

保冷ボックスは当社の商品の中で売上と利益率が大きい主力商品である。一方で受注の波が非常に大きく、大口受注時は外注に出し、受注がまったくない時期もあった。この波を小さくするには生産効率を上げる必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力保冷ボックスの大口受注に社内で対応するための生産キャパを大きくすることが課題になっていた。
  • コスト・採算競合の中国メーカーに対しては価格が障壁となっており、生産効率を上げて価格面で対抗する必要があった。
  • 人手・技能延反、罫書き、裁断がすべて人の手作業で時間がかかり、2人から5人の工員を要していた。
  • 品質・精度50枚程度重ねて裁断するため1、2mmの誤差が生じ、後工程の縫製作業に影響が出ていた。

やったこと

高速自動裁断機を導入し、見積もり、図面作成、材料手配をすべてCADで処理し、そのデータを延反、罫書き、裁断の工程へ連動させて機械化した。導入前は図面の寸法を割り出してエクセルで作成し、材料を人手で引っ張って延反していた。裁断は50枚程度を重ねて行っていたため誤差が生じていた。機械化により、材料をセットすれば裁断まで自動で進む一連加工が可能になった。

加工機高速自動裁断機
ソフトCADソフト

事業の効果

  • 裁断から縫製までの所要時間 1倍速→0.2倍速

図面通りの正確で早い一連の加工が可能になり、後工程の縫製・加工工程も確実なものになった。材料をセットすれば裁断まで自動で動くため、所要時間は導入前の約5倍からものによっては8倍程度早くなった。完成品の品質にも成果が現れている。大口受注にも自社内で対応し、高品質な製品を早く納品できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    保冷ボックスは売上・利益率が大きい主力商品と明記され、生産キャパ拡大が課題として位置付けられている。過去の取組との連続性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    競合は中国で価格がネックだが、生産効率向上で品質・納期の優位性により受注拡大を狙うと、外部環境と自社の強みを対比して書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    波のある受注に外注や手作業で対応していた課題を挙げ、裁断の工程を自動化し約5〜8倍の速さになったと数字で成果を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。生産効率向上の成果はあるが、今後の数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    CAD連動やオリジナル製品への対応体制は書かれているが、人材や事務処理能力の確保について具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ごとのオリジナル保冷ボックスを試作から納品までスピーディに対応すると、顧客ターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は海外市場や異業界への販路拡大を目指すと述べられているが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    保冷ボックスは顧客ごとのオリジナル製品で、同分野の中での品質・納期の高水準化を図る内容だが、普及度や価格の数値は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    波及効果や雇用創出についての記述はなく、わずかに業界外への販路拡大がうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    裁断工程の所要時間が導入前の約5〜8倍早くなったと示されており、投入額に対する生産性向上の効果が具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    CADデータと裁断機の連動で一連加工を機械化したが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    東田川郡三川町に所在する企業であることはうかがえるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

保冷ボックスは決定までに時間がかかり、決まると納期までが短いため、確実な情報収集と社内体制が不可欠である。大幅な景気回復は考えにくく、景気が悪くなれば市場は縮むが需要がなくなるわけではない。今後は当社の生産体制を活かし、海外市場やこれまでと異なる業界市場への販路拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。