ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

コア連結溶接ロボットシステム導入による仕口生産プロセスの高度化

さいほく鉄工株式会社

この事例のポイント

  • 東日本大震災の復興による鉄骨需要の急増に、宮城県・福島県の業者だけでは対応しきれない状況が続いていた。
  • コア連結連続溶接ロボットシステムを導入し、柱となる角パイプの溶接加工をロボットで行う体制を確立した。
  • ロボット導入後は、社内の納品前検査で不備がなく、顧客からのクレームも出ていないため、品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名さいほく鉄工株式会社
所在地山形県 新庄市
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数25人
資本金9,500万円
設立1994年

事業の背景

当社は東日本大震災の復興のために多くの鉄骨工事が急ピッチで進む中、宮城・福島両県で鉄鋼建築工事の仕事を中心に受注していた。工場、倉庫、大型商業店舗、ビルの鉄骨工事が主な事業で、鉄骨による建物では柱が重要であり、近年は角パイプが主流になっている。復興がひと段落した後も強みとして対応できる体制を作る必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力東日本大震災の復興による鉄骨需要の急増に、宮城県・福島県の業者だけでは対応しきれない状況が続いていた。
  • 人手・技能人の手による溶接加工では体調や気候、技術的要因により不具合が発生していた。
  • 品質・精度納品前に100%検査を行っていたが、人の手による作業では不具合が避けられなかった。
  • その他溶接時に発生するヒュームや粉塵が従業員の健康に影響するおそれがあり、職場環境の改善が必要だった。

やったこと

コア連結連続溶接ロボットシステムを導入し、柱となる角パイプの溶接加工をロボットで行う体制を確立した。ロボットにより溶接の正確さが高まり、夜間での作業も可能になった。溶接条件を確立して耐震性を高めるなど、溶接・接合技術の高度化を図った。

ロボットコア連結連続溶接ロボットシステム

事業の効果

ロボット導入後は、社内の納品前検査で不備がなく、顧客からのクレームも出ていないため、品質が向上した。ロボットによる連続作業が可能になったことで、福島県浪江町の建物の一部を工期内に納品できた。ロボット導入による短納期と品質向上の信頼性を活かし、大手ゼネコンや設計事務所への営業を行い新規顧客の確保を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    震災復興による鉄骨需要急増を背景に、ロボット溶接で特需に対応し新規受注を開拓すると書かれている。過去の取組との関係は示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    宮城・福島両県の業者だけでは補えない需要が続くとあり外部環境は読めるが、競争優位の根拠となる強みの数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    人手溶接の不具合発生や夜間作業不可の課題を挙げ、連続溶接ロボット導入で解決すると具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は記載がなく、受注増や生産性向上の方向性がうかがえる程度にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    従業員25名や設立年は書かれているが、補助事業を遂行する体制や人材の具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    短納期の実現と品質向上による信頼性を訴求点とし、大手ゼネコンや設計事務所を顧客ターゲットとすると明記されている。

  • 事業化までの道筋3

    コア連結連続溶接ロボットの導入と営業先の方向は示されるが、スケジュールや中長期の検証内容は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    角パイプ柱の溶接自動化とされるが、分野の普及度や高付加価値化の水準は記載されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    復興需要に対応し、工場や倉庫など建物の柱の供給に寄与する点は読めるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    納品前検査で不具合がなく顧客クレームもないと書かれるが、投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボットによる溶接の連続化は読めるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    宮城・福島の地域で復興需要に応える事業とされ、地域性は読めるが雇用創出や地域成長の数値は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

復興需要で業績は上がっており新規顧客開拓には至っていないが、この状況がいつまでも続くとは限らないため、大手ゼネコンや設計事務所に営業して新規顧客の確保を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。