ものづくり補助金平成26年度製造業栃木県

トラック用サイレンサー(マフラー)の自動溶接機の開発

株式会社トチバン

成果サイレンサーの総加工時間 560秒/個→460秒/個

この事例のポイント

  • トラック用サイレンサーの溶接の自動化が遅れており、生産性向上が求められていた。
  • 缶体を固定するチャック装置自体も偏芯して回転する構造にして回転を安定させ、反対側の先端(溶接する部分)の揺れをなくす自動機を製作した。
  • サイレンサーの総加工時間 560秒/個→460秒/個。サイレンサーの総加工時間が短縮され、生産個数が増えて全体の生産性が約18%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社トチバン
所在地栃木県 栃木市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,接合・実装
従業員数90人
資本金1,500万円
設立1958年

事業の背景

当社は1958年の創業以来、家電部品や自動車部品のプレス加工・板金加工・溶接加工・金型加工・組立てまで自社一貫体制で部品メーカーとして発展してきた。トラック用サイレンサー(マフラー)の製造は主力業務の一つで、大別すると20〜30種類に及ぶ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力トラック用サイレンサーの溶接の自動化が遅れており、生産性向上が求められていた。
  • 品質・精度缶体の中心にパイプがなく偏芯しているため回転が安定せず、溶接精度にばらつきが生じていた。
  • 品質・精度溶接ムラ、厚みのむら、ピンホールなどが生じ、個々に手直しが必要で工数が多くなり、仕上がりの見た目にも影響していた。
  • コスト・採算生産性の向上と原価の低減が求められていた。

やったこと

缶体を固定するチャック装置自体も偏芯して回転する構造にして回転を安定させ、反対側の先端(溶接する部分)の揺れをなくす自動機を製作した。この自動機を市販の溶接ロボットと連動させ、缶体とパイプの溶接を自動化した。自動機は缶体のサイレンサーを精度良く回転させるための装置である。装置の設計・製作は地元企業の協力を得て行った。

加工機サイレンサー溶接用自動機(缶体回転・固定チャック装置)
ロボット溶接ロボット(市販品)

事業の効果

  • サイレンサーの総加工時間 560秒/個→460秒/個
  • 生産個数 200個/日→240個/日
  • 全体として生産性を約18%向上させることができた。

サイレンサーの総加工時間が短縮され、生産個数が増えて全体の生産性が約18%向上した。溶接の自動化により手直しが減り、受注拡大を目指せる体制になった。完成した自動溶接機は日々の業務で活用され、収益拡大に貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のプレス・板金・溶接の自社一貫体制を強みとし、溶接自動化を今後の強みを活かす方向で位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    トラック用サイレンサーの受注拡大を目指すとあるが、市場動向や競合に対する自社の優位性の記述は見当たらない。

  • 課題の認識と解決4

    溶接ムラや手直しで工数が多い課題を示し、自動化で総加工時間560秒から460秒、1日200個から240個に増やした。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    総加工時間560秒から460秒、生産量200個から240個/日、生産性約18%向上と数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    自社一貫体制と全社員の技術力に触れるが、補助事業を遂行する人員や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    受注拡大を目指すとあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由を整理した記述はうかがえる程度にとどまる。

  • 事業化までの道筋3

    自動機を市販溶接ロボットと連動させる方法は示されているが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    偏芯回転する缶体を扱う自動溶接機の独自性はうかがえるが、分野の普及度や高付加価値化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療分野など新事業への挑戦や地域への波及効果が示唆されるが、国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    自動化により生産性を約18%向上させ、1日の生産個数を200個から240個に増やしたと費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    溶接ロボットとの連動による自動化は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    栃木県の地元企業と協力して装置を製作したと書かれ、地域との関わりがうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も自社一貫体制の強みを活かし、加工技術や加工精度に磨きをかけつつ、医療分野をはじめとする新たな事業分野に挑戦したいと考えている。省力化が一層求められる中で、自動機の開発を推し進め生産性向上を図る。

事業者の声

トラック用サイレンサーの自動溶接機は以前から計画し、自力で開発を進める予定でしたが、タイミング良くものづくり補助事業を活用することができました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。