ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

ピッキングロボットと画像検査装置によるボルト・ピン類の切粉検査工程の省力化

ユルソン株式会社

成果検査工数 226時間/月→98時間/月

この事例のポイント

  • 切粉の検査・除去工程には月226時間の工数がかかっており、製造原価の約25%にあたるためコストが逼迫していた。
  • ロボット制御技術と画像処理技術を融合させ、ロボットと検査装置からなる検査システムを開発・導入した。
  • 検査工数 226時間/月→98時間/月。月間128時間の工数削減により、コストを削減でき、納期も短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名ユルソン株式会社
所在地広島県 東広島市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,情報処理
従業員数24人
資本金1,000万円
設立1985年

事業の背景

自動車部品を中心に鋳物、鍛造、鋼材、ステンレス材の切削・研磨加工を行っている。自動車用ボルト・ピン類の切粉検査は人力で行われていた。自動車業界では価格削減と短納期の要求が激しい。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算切粉の検査・除去工程には月226時間の工数がかかっており、製造原価の約25%にあたるためコストが逼迫していた。
  • 品質・精度目視検査では一部の検査逃しが生じ、客先で不具合品が発見されるケースがあった。
  • 納期・工程一部の部品でダブルチェック検査を行っており、納期に影響を与えていた。
  • 人手・技能検査・除去工程の約6割を占める検査工程が人手による目視検査に依存していた。

やったこと

ロボット制御技術と画像処理技術を融合させ、ロボットと検査装置からなる検査システムを開発・導入した。ランダムに積まれたアイテムから1つをロボットでピックし、カメラの撮影範囲限界まで近づけてカメラの前で1回転させ、画像を取得する動作を作成した。既存の画像処理ライブラリの機能を組み合わせ、撮影画像から切粉を検出して良品と不良品を仕分けする。ロボットの動きを最適化して検査時間の短縮を図った。

ロボットピッキングロボット
検査測定画像検査装置
ソフト画像処理ソフトウェア

新しい製品・サービス:ロボットと画像検査装置によるボルト・ピン類の切粉検査システム

事業の効果

  • 検査工数 226時間/月→98時間/月
  • 毎年5%程度の売上増加

月間128時間の工数削減により、コストを削減でき、納期も短縮された。価格削減と短納期の要求が激しい自動車業界の要求に応えられるようになった。不良品削減による品質向上も見込め、他社製品と比べて競争力のある製品を提供できる。マツダ株式会社の1次メーカーをはじめ、他の自動車部品メーカーへの販路拡大と、毎年5%程度の売上増加を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    「『省力化』を掲げ、ものづくりの原点を見直し」とあるのみで、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    目視検査の逃しや客先での不具合発見が課題とされ、自動車部品の切削加工を行う点は読み取れるが、市場動向や自社の強み・弱みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決5

    切粉検査に月226時間の工数を要し製造原価の約25%とする課題を示し、月128時間の工数削減とコスト削減を成果として挙げている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    処理速度5個/分以上と検出精度99.99%の目標を、月間14万個・24時間稼働などの数値で根拠付けし、毎年5%程度の売上増加も示している。

  • 事業を進める体制2

    従業員24名や創業30周年は書かれているが、補助事業を遂行する体制や人材、事務処理能力の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車業界の短納期・価格削減要求に応えること、他社製品より競争力のある製品を提供できることが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    糸バリ検査への展開や月産約8万個・検査工数72時間削減の計画など、中長期の課題と方向性が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ロボットと画像検査による切粉検査は一般的な普及分野とは言えず新規性がうかがえるが、高付加価値化や高価格化の記述は乏しい。

公的補助の必要性80%
  • 波及効果・雇用3

    同業他社の検査工程への適用やシステム販売の見込みが書かれ、波及効果はうかがえるが、国が補助する積極的理由の記述は薄い。

  • 費用対効果5

    月128時間の工数削減、製造原価の約25%のコスト課題、毎年5%程度の売上増加など、投資効果を数字で示している。

  • イノベーションへの貢献4

    ロボットと画像処理を融合した検査システムを開発し、同業他社への適用や糸バリ検査への展開を示しており、イノベーションへの寄与が具体的。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    東広島市に所在することは示されるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用・地域成長への言及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

糸バリの検査も行えるシステムの開発に取り組み、糸バリ検査工程を削減する。同業他社の検査工程への適用やシステム販売も見込む。

  • 目標:良否判定精度:99.99%
  • 目標:5個/分以上

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。