ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

熟練の技を継承し複合加工機へ反映させる小ロット短納期対応体制の構築

有限会社江口産業

成果作業時間 440分→225分

この事例のポイント

  • 高精度化が常に課題となっていた。
  • 最新の高精度NC旋盤複合加工機(NTX1000)を導入した。
  • 作業時間 440分→225分。複合加工機の導入により、切削加工部品の工程が集約され、クランプ数が減って作業時間が約半減した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社江口産業
所在地山形県 山形市
業種業務用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数13人
資本金1,000万円
設立1978年

事業の背景

当社は光学機器用治工具、医療機器用部品、半導体用装置部品、自動車部品生産用治具などを製造する精密機器製造会社である。医療機器部品の世界市場は8%の成長率を維持しており、受注傾向も穏やかに上昇を続けていた。大手電機メーカーのデジタルカメラ部品の生産用治具や、車載用カメラの治具部品にも取り組み、難易度の高い加工品への挑戦を進めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度高精度化が常に課題となっていた。
  • 生産能力短納期への対応が課題となっていた。
  • コスト・採算低価格での受注も課題となっていた。
  • 人手・技能熟練技術者の高度な技を継承し、将来の人材育成につなげる必要があった。

やったこと

最新の高精度NC旋盤複合加工機(NTX1000)を導入した。独自にプログラムを組んで操作できるため、多様な対応が可能になった。マシニングセンタタイプの五軸加工機(DMU50)も導入し、双方からのアプローチで立体的なワークに対応できる体制を整えた。血液検査装置などに使われる切削加工部品を、従来の複数台のマシニングセンタによる工程から本機での加工に切り替えた。

  • 加工機高精度NC旋盤複合加工機NTX1000五軸加工機DMU50

事業の効果

  • 作業時間 440分→225分
  • クランプ数 6回→2回

複合加工機の導入により、切削加工部品の工程が集約され、クランプ数が減って作業時間が約半減した。工数は3分の1に減った。クランプ回数の減少により傷や打痕のリスクも減り、品質の安定と精度の向上にもつながった。作業時間の短縮と精度向上により、機械単体の売上以上に全体の売上を伸ばす体制構築に貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の医療機器部品受注と治工具製造の延長で複合加工機を導入した旨は読めるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    医療機器市場の8%成長率や、熟練技術者(特級技能士等)が揃う点が強みとして書かれており、外部環境と自社強みの関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    クランプ数6回から2回、作業時間440分から225分(約49%減)という課題解決の数字があり、高付加価値化につながる計画が読める。

事業の実現可能性72%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    作業時間約49%減や工数3分の1といった数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    特級技能士や職業訓練指導員の資格を持つ熟練技術者が揃っていると具体的に書かれ、人材面の体制が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器部品メーカーを主な顧客として想定し、精度向上で安定受注を実現した点などターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    三次元測定による検査体制構築が課題として挙げられているが、スケジュールや解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    難削材の加工や車載カメラ治具への挑戦が書かれるが、同分野で高水準の高価格化を図る根拠は具体的でない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果4

    作業時間が440分から225分へ半減し、受注余力が生まれたと書かれており、投資効果の方向性は具体的に読める。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用はうかがえるが、サプライチェーンのイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器や車載デバイスなど成長分野への進出が書かれ、構造転換への関与がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    山形市の企業として地域性は示されるが、地域の経済成長や雇用創出への貢献は書かれていない。

今後の展望

工程の時間短縮と集約により受注余力が生まれた。医療機器部品では高付加価値部品の受注を見込み、医療機器分野でのシェアを確実にしたい。車載デバイスのヘッドアップディスプレイなどの治具加工への展開も目指す。今後は三次元測定などによる製品の検査体制の構築が課題である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。