ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

CAD-CAMシステムを用いた治療用インソール提供の新規サービスの展開

有限会社山形義肢研究所

成果同じ時間での製作足数 1足→3足

この事例のポイント

  • インソールの製作工程がすべて手作業で、作業者個人の技術に頼る部分が多いため、一定の品質の製品を提供するのが難しい。
  • 3DのCAD-CAMインソール製作システム一式を導入した。
  • 同じ時間での製作足数 1足→3足。導入前は全工程が手作業であったが、システム導入後は製作時間が3分の1になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社山形義肢研究所
所在地山形県 山形市
業種業務用機械器具製造業
従業員数19人
資本金300万円
設立1953年

事業の背景

当社は主に病院へ営業し、扁平足や外反母趾、骨折後にインソールなどを処方された患者に対して、保険適用の治療用インソールの製作・提供を行っている。昭和28年の創業以来、身体の不自由な方のために義肢・装具の製作を行ってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度インソールの製作工程がすべて手作業で、作業者個人の技術に頼る部分が多いため、一定の品質の製品を提供するのが難しい。
  • コスト・採算患者の石膏モデルは保管場所の制約から約1ヶ月しか保管できず、1ヶ月後以降に再注文があると石膏モデルから作り直すことになり、同じ製品を提供できないうえ時間も費用もかかる。

やったこと

3DのCAD-CAMインソール製作システム一式を導入した。システムは、患者の足型モデルを3Dスキャンしてデータを PCに転送する3Dスキャナー、コンピュータ上でインソールを設計するCADソフト、CADで設計したデータを送って自動でインソールを切削する切削機、切削機の軸くり用の専用テーブル、切削時の粉塵を集める集塵機からなる。導入後は3日間の技術講習を行い、PCの操作から切削機の操作までのトレーニングを実施した。その後1週間かけて製作の実施と点検・検討を行った。

新しい製品・サービス:CAD-CAMシステムを用いた治療用インソール提供

事業の効果

  • 同じ時間での製作足数 1足→3足

導入前は全工程が手作業であったが、システム導入後は製作時間が3分の1になった。CADソフトによる設計と自動切削機による製作で均一な品質を実現し、データ管理により患者の要望に応じて同じ製品を再現して提供できるようになった。石膏モデルが不要になったことでゴミも減量できた。作業効率が上がりコスト削減にもつながり、高品質のインソールを多くの患者に提供できる体制になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業以来の義肢・装具製作を続けており一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは事例に明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 課題の認識と解決4

    手作業による品質のばらつきや石膏モデル保管1か月の制約を課題として挙げ、製作時間3分の1短縮、3足分製作可能と具体的に示している。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製作時間を3分の1に短縮し、同じ時間で3足(3人)分の製作が可能になったと数字で成果が示されている。賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    導入後に3日間の技術講習と1週間の製作・点検を行ったと記載があり、体制の一端は読み取れるが人員計画は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    病院経由で治療用インソールを提供し、糖尿病患者の足部潰瘍予防という顧客ターゲットとニーズが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の展望として糖尿病患者や子どものスポーツ向けへの展開が書かれているが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    CAD-CAMによる治療用インソール製作は一定の水準だが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は事例からは判断しにくい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    糖尿病患者の未梢神経症合併や切断の負担に言及し、予防による社会的意義がうかがえるが、経済波及効果への言及はない。

  • 費用対効果3

    生産性向上や製作数増加は数字で示されるが、補助金投入額との対比による費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dスキャナーとデータ管理による再現性の向上は示されるが、サプライチェーンやイノベーションへの貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山形市の義肢装具事業者であることはうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長への言及は乏しい。

今後の展望

局平足や外反母趾などの整形外科的疾患の患者に加え、糖尿病による内科的疾患から足部腫瘍を持つ患者にもインソールを提供していく。インソールによる予防で切断を減らすことを目指す。また、子どものスポーツについてのセミナーを行い、インソールによるパフォーマンス向上やケガ予防の理解と普及に努める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。